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宝珠山、秋取山


【日時】 1999年9月23日(木) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り後晴

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
赤松城山・あかまつしろやま・337m・なし・新潟県
虚空蔵山・こくぞうやま・440.5m・三等三角点・新潟県
八咫柄山・やたがらやま・540m・なし・新潟県
宝珠山・ほうじゅさん・559m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【ガイド】 新潟の里山(新潟日報事業社)

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 秋取山・あきとりやま・298m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【ガイド】 なし

【時間記録】
9月23日(木) 6:30 新潟発=(R.49、安田、R.290 経由)=7:30 宝珠温泉あかまつ荘駐車場〜7:54 発―7:57 赤松山口―8:06 赤松広場―8:10 かしの森(野武士坂、森林公園分岐)―8:18 鉄塔―8:22 ふりかえりの石―8:32 赤松城山―8:39 赤松山―8:50 虚空蔵山―9:11 丸山小富士―9:13 八咫柄山―9:20 宝珠山〜9:29 発―9:36 八咫柄山―9:40 丸山小富士―9:58 虚空蔵山―10:06 赤松山―10:11 赤松城山―10:18 ふりかえりの石―10:20 鉄塔―10:25 かしの森(野武士坂、森林公園分岐)―10:30 あじさい谷分岐―10:36 森林公園入口登山口―10:41 赤松山口―10:46 宝珠温泉あかまつ荘駐車場=(R.290、出湯、五頭公園畑江線 経由)=11:05 いこいの森駐車場手前の路肩駐車スペース〜11:11 発―11:17 秋取山展望台一周歩道入口―11:24 登山道口―11:29 ポイント1―11:40 ポイント2―11:46 西の肩―11:49 ポイント3―11:52 南尾根取り付き―12:00 秋取山〜12:05 発―12:08 南尾根取り付き―12:10 ポイント3―12:12 西の肩―12:20 ポイント2〜12:26 発―12:36 登山道口―12:41 秋取山展望台一周歩道入口―12:46 いこいの森駐車場手前の路肩駐車スペース=(出湯、水原、R.49 経由)=14:20 新潟

 宝珠山は、五頭山塊が阿賀野川に落込む南端にある山である。五頭山塊は、新潟平野の縁に沿って、加治川と阿賀野川の間の南北20kmにわたって連なっている。五頭山塊は、新潟周辺でも人気の山になっている。しかし主稜線上の山で登山道のあるのは、この山塊の一部であり、中央部の菱ヶ岳〜五頭山〜松平山の間と、最南端のこの宝珠山しかない。

 秋取山は、五頭山塊の松平山から山葵山を経て西に延びる尾根の終点付近にある山である。山麓には新潟薬科大学附属薬用植物園がある。遊歩道が山頂近くを通過しており、僅かなヤブコギで山頂に登ることができる。

 宝珠山には、1995年7月16日に草水口から登っている。宝珠山への登山道は、この草水コースの他に、赤松山を経て登る丸山コースがある。最も新しいガイドブックの「新潟の里山」を見ると、宝珠温泉あたまつ荘から尾根通しに登るコースが記載されており、新しいコースが整備されたようである。秋分の日にもかかわらずすっきりしない天気予報の出ていたので、気に掛かっていたこのコースを歩いてみることにした。
 宝珠温泉あかまつ荘に到着して周囲を偵察すると、すぐ前に宝珠山からの尾根の末端が落ち込んできており、赤松森林公園へ通じる車道の入口に登山道の標識が置かれていた。あかまつ荘の駐車場に車を置いて歩き出した。良く整備された道がつけられていた。大きくじぐざぐを切りながら赤松林の斜面を登ると、尾根の上に続く道になった。丸太の段々が設けられ、小砂利が敷かれた遊歩道が続いた。風が強く、時折雨粒が吹き付ける中とあっては、遊歩道の歩きも気楽で良かった。赤松広場を過ぎると、かしの森となり右手から遊歩道が合わさってきた。この遊歩道は、野武士坂を経て森林公園分岐に通じるようであった。その少し先で、遊歩道から左に登山道が分かれた。遊歩道は水平方向にさらに続いていたが、どこに通じるのかは不明であった。
 急になった斜面を登ると、送電線の鉄塔の下に出た。ナラやブナの雑木林が広がる尾根に沿っての登りが続いた。登山道の上に大きな石が横たわった「ふりかえりの石」では、麓の展望が広がった。続いて登り着いたピークには、赤松城山という標識が木に掛けられていた。程良く汗ばむような登りが続いた。赤松山の山頂には、その名前に合わせたように、一本の赤松が横たわったように生えていた。もっとも、それほど年を経たものとも思えず、この木が山名の由来というわけではなさそうであった。赤松山では丸山コースが合わさるのだが、そのような標識は見あたらなかった。山頂の切り開きの北側に、草がかぶり気味の道が下がっていくのを見つけることができた。宝珠温泉からのコースが整備されたことによって、丸山コースは歩く人が少なくなっているようであった。この様子では、歩けなくなる日も遠くないかもしれない。続く虚空蔵山は、登山道の通過地点といった雰囲気であったが、三角点が登山道の真ん中に頭を出しており、見落とす心配は無かった。雑木林も高度を上げるにつれて潅木化していき、風が強く吹き付けるようになってきた。新潟平野方面は晴れているものの、五頭山塊の主稜線はガスが流れていた。雨具を付けようか迷うような天気になってきた。
 岩稜帯となって両脇が切り落ちた丸山小富士に出て、展望が一気に広がった。八咫柄山のピークは目の前にあり、その左手に宝珠山のピークが連なっていた。このピークは、主稜線から西に外れており、宝珠山を眺めるのに絶好の場所を占めていた。振り返れば、実りの秋を迎えて黄金色に染まった新潟平野が広がっていた。その向こうには佐渡や、角田山に弥彦山が頭をもたげていた。阿賀野川を挟んでは、鳴沢峰が三角形に大きく広がっていた。
 八咫柄山で草水からのコースを合わせて、ここは左折。一旦下った後に、宝珠山への最後の登りになる。滑りやすい急斜面をロープの助けも借りながら登りつめると、岩の重なる宝珠山の山頂に到着した。登る途中で鐘の音を聞いて、登山者がいるのかと思ったが、風で揺すられて鳴っていたものであった。宝珠山の山頂からも菅名山塊を始めとする良い展望が広がっていた。この山頂に立って気になるのは、さらに先に続く五頭山塊の主稜線である。地図には、641ピークまで登山道が続いているように記載されているが、薮に被われて登山道は消えていた。ここから先は、残雪を利用できるうまい時期を選ぶことにしよう。
 ひさしぶりに見る宝珠仙人地蔵は、赤いまえだれを掛けられていた。それは良いとして、かたわらにひとまわり大きなお地蔵さまがおかれて、宝珠仙人地蔵は片隅に追いやられたような格好になっていた。三角点標石に彫り込んだような、つつましげな宝珠仙人地蔵が好きだったので、ちょっと残念であった。
 下りは、新潟平野を見下ろすような快適な尾根歩きが続いた。天気も回復してきて、青空が広がるようになった。かしの森の分岐から野武士坂を下ってみることにした。林道跡に出たところで、あじさい谷への分岐が現れた。森林公園へ下りると車道歩きが長くなりそうなので、この道を下ることにした。谷間を渡ると再び尾根上の道になった。赤松コースに戻ってしまったかと迷うような道であったが、その先で、始めの登山口よりも森林公園よりの車道に飛び出した。ここには、登山道の標識はなかった。
 天気も回復してきたので、もう少し山歩きを続けることにして秋取山に向かった。地図をみると、秋取山の山頂近くまで登山道が上がっているが、山頂は通過してはいない。最後の部分に、地図には書かれていない登山道があるかどうか。最後はヤブコギになるのかどうか。登ってみれば判るし、登らなければ判らないことであった。
 秋取山の登山道は、五頭山麓いこいの森の駐車場のすぐ先から始まっていた。しかし、この駐車場は、祭日と週末は有料で、600円もの駐車料金を徴収していた。大きな駐車場には一台の車しかとまっていなかった。お金がもったいないので、国道方向に戻った所にある路肩の広場に車を停めて歩き出した。
 登山道の入口の標識を見ると、秋取山展望台一周歩道というのが正式な名称のようであった。遊歩道が始まり、山麓一帯には新潟薬科大学附属薬用植物園が設けられていた。多くの名札が付けられており、良く見かける植物の名前と混じって、キハダといったような薬になりそうな植物の名前も見つけることができた。季節を選べば、変わった花も楽しめるかもしれない。枝分かれするように木道が敷かれており、秋取山に向かっての道は分かり難かった。右に大きく回り込むように進んでいくと、秋取山への登山道の入口に出た。秋取山展望台一周歩道は、平成11年5月10日から11月2日までの間、大荒川の砂防工事のために少年自然の家へは通り抜けができないとの看板が置かれていた。秋取山へは登ることができるようなので、そのまま登ることにした。少し草が侵食しかかってはいるが、しっかり整備された登山道が続いた。一周歩道の途中には、現在位置の確認のための幾つかのポイント標識が置かれていた。ポイント1は、登り坂の途中。ポイント2は、ベンチも置かれた展望地で、山葵山から松平山方面の眺めが広がっていた。その先でほぼ水平な道に変わると、秋取山と思われるピークが前方に姿を現した。小ピーク間の鞍部で、秋取山の山頂から西に延びる尾根の取り付きに出た。かすかな踏み跡らしきものもあり、ここから尾根通しに登ることもできそうであった。ただ、この先でしっかりした登山道が付けられていては馬鹿らしいので、もう少し先の様子も確認することにした。山頂下のトラバース部でポイント3が現れた。期待に反して、ここからの道は無かった。地図を見ると、その先で山頂から南に延びる尾根が交わっており、ここからが山頂までの最短コースになりそうであった。
 下りが始まろうとするところで、左手から南尾根が合わさってきた。尾根を見ると、踏み跡が続いていた。意外にはっきりした道で、山頂近くの雑木林の斜面でコースを僅かに変えるようになっても、トレースは難しくは無かった。僅かな登りで到着した秋取山の山頂は、赤松で囲まれて展望は無かった。この山頂には三角点も置かれておらず、山頂標識もあるはずは無く、枝に結ばれた赤布だけが山頂の印であった。山頂からは西尾根を下ろうかと思ったが、南尾根と比べると踏み跡は不明瞭であったので、来た道を戻ることにした。下りも迷うことなく、短時間で一周道におりたつことができた。
 秋取山展望台一周歩道がどのような意図で作られたかは知らないが、せめて山頂を通過するように道を付けてあれば、少しは登山者を引きつけたものをと思う。麓の植物園と合わせれば、秋取山の歩きの楽しさも増すことになるのだが。


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