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弥彦山

1999年3月27日 日帰り 単独行 時々雪

弥彦山 やひこやま(634m)
多宝山 たほうさん(633.8m) 一等三角点本点 西蒲原丘陵(新潟)  5万 弥彦  2.5万 弥彦
ガイド:裏参道コースは無し

3月27日(土) 7:40 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線、岩室、間瀬、R.402 野積 経由)=9:20 西生寺〜9:25 発―9:40 うぐいす谷―9:50 スカイライン出合―10:00 ムササビの宿―10:10 能登見平―10:40 弥彦山―10:55 山頂レストハウス―11:20 多宝山―11:45  山頂レストハウス―11:55 発―12:10  弥彦山―12:25 能登見平―12:30 ムササビの宿―12:32 清水平―12:35 スカイライン出合―12:55 うぐいす谷―13:05 西生寺=(野積、R.402、角田浜、松野尾、中権寺、田島、R.116、新潟西バイパス、新新バイパス 経由)

 弥彦山は、越後平野の日本海際に、角田山や国上山と共にひとつの山塊を作っている。山頂は、越後一宮として名高い弥彦神社の奥の院の置かれた弥彦山と、一等三角点の置かれた多宝山のふたつのピークに分かれている。一般には、弥彦神社からの表参道が良く歩かれているが、日本海側の西生寺から裏参道も整備されており、途中で二回弥彦スカイラインの自動車道を横断するものの、周囲には雑木林が広がり、春にはカタクリや雪割草を眺めながらの登山を楽しむことができる。
 雪割草のお花見ハイクということで、樋曽山に出かける約束をしていたが、夜の間にかなりの雨が降り、朝になっても今にも雨が降り出しそうであった。初心者のハイキングのため、無理はしないということで、ハイキングは中止にした。空を見ていると、雨具を着る覚悟さえあれば、山歩きは問題なさそうなので、以前から気になっていた弥彦山の裏参道を歩くことにした。西生寺周辺にあるという、雪割草やカタクリのお花畑も見てみたかったし、弥彦スカイラインは4月1日開通なので、静かに歩くなら3月最後のこの週末までということになる。
 登るはずだった樋曽山を眺めながら日本海側の間瀬に出て、海沿いの道を南に進んだ。裏手にあたるためか、弥彦山の姿もいつもと違って見えた。野積の集落から案内板に従って西生寺に向かった。車道は高度を上げていき、右手に沢沿いの林道が分かれる所に、裏参道の案内板があった。登山コースとしては、この旧道からと、西生寺から登り始めるものとが書かれていた。この旧道からだと路上駐車になるのと、少しでも高い所から歩きだしたいため、西生寺の駐車場に向かった。西生寺には、観光客用に広い駐車場が設けられていたが、登山者の物らしい車が数台停まっているだけであった。雨のために登山者も出足がにぶっているようであった。ひさしぶりに整備された登山道歩きで、軽登山靴で充分と思ってブーツケースを開けると、別々な靴が入っていた。しかたなく、車に積み込んであった革製の重登山靴での歩きになった。
 裏参道は、境内奧の石のお地蔵様の並んだ脇からお墓の横を抜けて、左手の尾根に取り付くように始まった。石の段々が設けられていたが、段差が大きすぎて、脇の斜面に一歩を足さないと登れなかった。境内の裏手から、カタクリのお花畑が広がっていた。登山道にまではみ出てきそうな勢いで、関東あたりなら、これだけで登山客を呼べそうであった。雨模様のために、花が閉じているのが残念であった。花の時期も、もう少し遅らせても良さそうであった。雪割草の花もここかしこに咲いているが、白い花が多いようであった。ひと登りしてうぐいす谷の標識を見ると、傾斜も緩やかになり、春の花に彩られた雑木林の中の歩きになった。旧道の出合から左に曲がると、その先で弥彦スカイラインの横断点に出た。道路を渡ると、道は二つに分かれ、右の尾根には清水平経由、直進する沢状の窪地の中の道にはムササビの宿という標識が立っていた。真っ直ぐ登っていくと、雑木林の中の台地に出て、その先で尾根に戻ると、右から先に分かれた清水平からの道が合わさった。この合流点には、ムササビの宿という看板が立っていた。この分岐は、特徴の無い尾根上の点なので、一段下の台地にムササビの宿があったのでは無いのだろうか。ムササビの宿とは優雅な名前であるが、昔の修行場であったのだろうか。再び弥彦スカイラインに飛び出すと、ここが能登見平であった。残念ながら雨も降り出して、傘をさす必要があり、展望も海岸線止まりであった。車道に沿って右手に進むと、尾根沿いの登山道が始まった。前方左手には、弥彦山山頂の展望台も目に入るようになった。周囲は潅木帯となり、カタクリの代わりにマンサクが目に付くようになった。鎖が掛けられた少し急な斜面、といっても段々が付けられて鎖の役割は終わっていたのだが、を登ると天望台に到着した。国上山に続く稜線から、日本海の海岸線の素晴らしい眺めが広がっていた。標識の字は、誤りなのか、それともわざとのものなのか。山頂を見上げれば、すぐそこに迫っていた。雨でぬかるんだ登山道を登っていくと、弥彦山山頂手前の鳥居の脇に飛び出し、左手に曲がると山頂に到着した。
 奥社のある弥彦山までで下りてしまうのも、方手落ちのような気がしたので、多宝山まで足を延ばすことにした。表参道に入ると、さすがに登山者は多くなった。単独行は、手ぶらで長靴姿の者が多く、登山姿の者は、グループ登山が多かった。山頂部では、雨は雪に変わっていた。レストハウスから多宝山への道に入ると、登山者は少なくなった。弥彦山には、これまで三回表参道経由で登っていたが、いずれも2月で、雪の無い多宝山はこれが始めてであった。多宝山の山頂には、誰もいなかった。帰りは、大平の丘は迂回して車道歩きをしてから、レストハウスに登り返した。ここには自動販売機があり、今回も誘惑に負けて、320円を出してビールを買ってしまった。簡単に昼食をすませ、ほろ酔い加減で、来た道を引き返した。
 天気が悪いため、花が充分に開いていないのが残念であったが、スカイライン出合から下がった付近のお花畑で雪割草の写真撮影をしてから下山した。3月下旬から4月上旬にかけては、花を充分に楽しみながら歩くことができる裏参道コースは、特選コースといえる。登山コースの面白さからいっても、こちらの方が表といっても良いような気がするのだが、弥彦スカイラインが開通してからだと印象も変わるかもしれない。


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