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六万騎山

1999年2月27日 日帰り 単独行 曇り

六万騎山 ろくまんきやま(321.0m) 四等三角点 越後三山周辺(新潟県) 5万 十日町 2.5万 五日町
ガイド:新潟の里山(新潟日報)

2月27日(土) 5:30 新潟発=(北陸自動車道、関越自動車道、湯沢IC、R.17 経由)=8:00 みつまたスキー場〜9:10 発=(R.17、六日町、R.291 経由)=11:10 地蔵尊駐車場〜11:20 発―12:13 六万騎山〜12:35 発―13:10 地蔵尊駐車場=(R.291、虫野、R.17、長岡、R.8、中之島見附IC、北陸自動車道 経由)=15:40 新潟着

 六万騎山は、八海山から猿倉山を経て西に延びる尾根が、魚沼川に落ち込むところにある山である。この山にはかつて山城が置かれていた。登山口の看板によれば「六万騎城は、六万騎山の頂上標高321mにあり、上田長尾氏の武将福島大炊督の居城であった。本丸、出丸、諾丸の配置や全山の様相から兵六万収容可能と推定され、その名に相応しい名城であった。南北朝時代には両党の死闘が繰り返された所であり、長尾氏入国以来、坂戸城の守りのためには無くてはならぬ要塞であった。」と説明されている。登山口の地蔵尊から、遊歩道が整備され、30分程で登ることができる。
 インターネットの仲間と苗場神楽峰への山スキーということで、みつまたスキー場に集合した。週末にかけて、日本海に低気圧が二つ発生し、山は大荒れの予報が出ていた。新潟を出発する時も雨であったが、スキー場に到着しても気温は高いままで雨が降り続いていた。スキーの気持ちも失せて、皆が集まって久しぶりに顔を見たことで良しとして、そのまま別れを告げた。上越国境付近までやってきたので、小さな山でも良いから登りたかったが、傘をささないといられない雨とあっては。チャンスがあるとすれば、低気圧が通過して冬型の天気になる時の、つかの間の晴天を期待するしかなかった。ともあれ、料金を取られないうちにスキー場の駐車場から脱出し、湯沢近くの国道脇の駐車場でひと眠りした。1時間程寝ても、あいかわらずの雨。とりあえず六日町方面に進んでおくことにした。国境山岳地帯から離れたためか、時間が経過したためか、空は明るくなり、六日町付近で雨は止んだ。チャンス到来ということで、先日の舞子後楽園スキーの翌日登ろうと思っていた六万騎山に向かうことにした。
 六万騎山は、それ程高い山では無く、遊歩道を歩いて20分程の山である。しかし、問題なのは、雨を含んでグズグズになった雪であった。湯沢付近で山肌を見上げると、谷筋には褐色に染まった雪崩の跡を見つけることができた。麓から見上げる六万騎山は、結構急斜面で、西斜面には何層もの雪崩防止柵が設けられていた。地図のコースを見ると、尾根沿いに付けられているので、雪崩に関しては大丈夫なはずではあったが。
 地蔵尊の駐車場は、雪に覆われており、路肩駐車になった。ワカンを付けて雪の上に足を踏み出すと、雪はグズグズで、膝くらいまで潜った。地蔵尊の境内は、雪に埋もれて、人の歩いた様子は無かった。遊歩道も雪の下で、見分けることはできなかった。地図では、杉林の斜面をしばらく登るようであったが、右手に延びてきている尾根にまず上った。明るい感じの雑木林の尾根は、コースを迷う心配は無く、重い雪に耐えながら足を運んでいれば良かった。谷を越して、もう一本の登山道の付けられている尾根も良く眺めることができた。急な登りで、一気に高度も上がった。山頂稜線手前の急斜面では、2m程の崖状になってワカンでのキックステップでは登れず、木にしがみつきながら迂回する必要があった。もしかすると、空堀でも設けられていた場所なのかもしれない。春も近くなり、地肌が出ていたり、木の回りに空洞ができ始めていた。雪が薄くなっている所では、体重をかけると、そのまま雪面が滑って落ちそうであった。台地状の広場に登り付き、その先の小ピークには、雪の上に鐘が顔をのぞかせていた。一瞬ここが山頂かと思ったが、尾根の先のピークが、六万騎山の山頂のようであった。その先には、登頂意欲をそそる鋭い頂を持ったピークの猿倉山を眺めることができた。広場の周辺には桜が植えられ、春には、お花見で賑わいそうであった。
 僅かに下ってから急斜面を慎重に登りきると、六万騎山の山頂に到着した。コースタイムの倍以上の1時間近くかかってしまった。山頂からは、その標高にも拘わらず、大きな展望が広がっていた。白く染まった魚沼平野の中を、魚沼川や関越道が長く延び、町並みは箱庭のようであった。その向こうには幾つものスキー場が点在する魚沼丘陵が広がっていた。六万騎城と関係の深い坂戸山も目の前にあった。山頂広場の雪原には、ここでも鐘が顔をのぞかせていた。展望を楽しんでいると、いつのまにか、青空も顔をのぞかせているのに気がついた。
 下りは、登り以上に足元に注意を払う必要があり、結構時間がかかった。空模様は再びあやしくなり、車に戻る頃から雪が降り始めた。新潟に向かって国道を走っているうちに、本格的な吹雪が始まった。六万騎山は、つかの間の晴天をうまく利用できた山行になった。

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