9901

大久保山

1999年1月15日 日帰り 単独行 曇り時々雨

大久保山 おおくぼやま(162.5m) 三等三角点 山北(新潟県) 5万 勝木 2.5万 勝木
ガイド:武田宏氏からの個人情報

1月15日(金) 6:40 新潟発=(R.7、蓮野IC、R.113、荒井浜、R.345、村上、笹川流れ、勝木 経由)=9:10 勝木から府屋への林道入口〜9:20 発―9:32 林道碁石沢線分岐―9:50 林道の峠〜9:56 発―10:01 鉄塔―10:15 大久保山山頂〜10:40 発―10:48 鉄塔―10:51 林道の峠―11:01 林道碁石沢線分岐―11:13 勝木から府屋への林道入口=(R.7、神林、R.345、荒井浜、R.113、蓮野IC、R.7、)=14:30 新潟着

 新潟県の北端の山形との県境周辺には、摩耶山塊、朝日連峰、蒲萄山塊がそれぞれの領域を切り取った後に残されたかのように、注目をあびることの少ない低山が広がっている。大久保山は、蒲萄山塊の北端にあたる勝木の集落のすぐ北に位置する日本海にのぞむ山である。
 年もあらたまり、今年は新潟の山をもう少し詳しく登ろうかと思った。昨年末に、上村氏が蒲萄山塊の低山をまとめて登り、まだ登ったことのない宿題の山も増えてしまった。さらに、インターネットを通じて、村上の武田宏氏とコンタクトができ、山の資料を頂いた。武田宏氏は、昨年出版された羽田寿志氏の「低山薮山」の本にも登場するが、「山の本」の湯蔵山や能化山の山行記録を読んで、村上にも新潟の山に詳しい人がいるなと名前を記憶に留めていた人である。
 先週はかなりの降雪があり、まずは低い山からということで、武田宏氏の資料にあった大久保山に登ることにした。時おりみぞれが降る中を、日本海の白波と蒲萄山塊を眺めながら、笹川流れを北上した。勝木の集落内に入ると、道路は圧雪状態になった。人家がとぎれる府屋への林道の入口に、保育園の送り迎えのための駐車場らしい空き地があり、ここから歩き出すことにした。林道上には、20センチ程の雪が積もっていたが、車の轍が続いていた。杉の植林地の中を緩やかに登っていくと、尾根を越して一旦下りになり、碁石沢の横断点に出た。碁石沢の上流部に向かって林道碁石沢線が右に分かれたが、下流方向からも幅2m程の道が右岸沿いに上がってきていた。この道は、地図にも記載されている碁石からの道のようであった。一人分の足跡が、この道を上がってきており、これから進もうとする府屋方向に続いていた。ハイキングとして歩くなら、この道を使った方が良かったかもしれない。林道を進んでいくと、杉の木がバッテンの形で二本倒れて道をふさいでいた。車の轍もここで終わりになり、雪を踏みしめながらの歩きになった。雪道は急な登りがなくとも体力を使い、汗が吹き出てきた。山の右斜面の上に山海線という送電線が通っており、何本か巡視路が分かれていたが、歩いていくと先方の左手の山の斜面に送電線の鉄塔が見えてきた。鉄塔の下で、林道は峠状に最高点から下りに転じていた。ここが武田氏の情報による大久保山の登り口のはずであったが、雪の上の踏み跡はさらに続いていた。確認のために先に進んでみると、林道は左手にカーブしながら下っていき、足跡は先に続いていた。はて、何のために歩いている人なのか。もっとも、大久保山にこれから登ろうとするのだって、普通の人からは理解しがたい行為なのかもしれないのだが。林道のカーブ地点からは、山頂を見上げることができた。
 送電線の鉄塔へは、勝木よりに少し戻って、斜めに登っていく必要があった。杉林の中は、薮はほとんど無くて歩き易かったが、鉄塔の少し上に出てしまい、コースの確認のために少し下ることになった。鉄塔を見上げて番号を捜したが、小さなプレートには雪が付いており、番号が書いてあるかどうかは判らなかった。鉄塔から尾根に取り付く所は、少し薮っぽかった。鉄塔は横目で眺めて、杉林の中からそのまま尾根に取り付いた方が良かったようである。尾根の北側には若い杉の植林地が広がり、その縁には、ほとんど薮の無い雪の回廊ができており、歩きやすくなっていた。短いとはいえ、急斜面の登りに息がきれそうになった。尾根の右手には、日本国から日本海の展望が広がっていた。
 傾斜が緩くなって杉林が終わると、大久保山の山頂に到着した。山頂部は細い枝がうるさい薮で覆われいた。山頂標識らしきものは何も無く、一番高いと思われる地点に移動して、足で雪を掘ってみたが、三角点は見つからなかった。雪の厚みも40センチ程はあり、余程の幸運に恵まれなければ三角点を見つけることはできそうもなかった。山頂部は広いものの、木立に囲まれて展望は良くなかった。尾根の下り口に移動して、眺めを楽しみながら腰を下ろした。
 下りは、急斜面で滑らないように注意しさえすれば良く、あっけなく林道に降り立ち、再び林道歩きを続けて車に戻った。車に戻ってひと休みしていると、雨が激しくなり、それ以上の山歩きの気持ちは無くなってしまい、途中、山の偵察をしながら家に帰ることにした。

山行目次に戻る
ホームページに戻る