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猿毛岳

1998年12月19日 日帰り 単独行 曇り

猿毛岳 さるけだけ(326.7m) 二等三角点 新津丘陵(新潟県) 5万 加茂 2.5万 加茂
ガイド:新潟の低山・薮山(白山書房)

12月19日(土) 7:10 新潟発=(R.49、茅野山、R.403、加茂 経由)=8:30 猿毛公民館〜8:45 発―9:21 255ピーク―9:41 猿毛岳山頂〜10:00 発―10:09 255ピーク―10:35 登り口鳥居―10:40 猿毛公民館=(往路を戻る)=12:20 新潟着

 新潟平野の内陸部の縁に沿って広がる新津丘陵は、加茂川によって南の区切りを付けられている。猿毛岳は、新津丘陵の南東の角に位置し、加茂川右岸の猿毛の集落の背後の里山である。猿毛岳とR.290を挟んで向かい合うように、冬鳥越スキー場があるが、猿毛岳にもかつてスキー場があり、山中にその跡が見られる。
 97年11月8日に、宝蔵山から白山に登り、その帰りに、猿毛の集落の背後にある猿毛岳に登山道が無いのか偵察をした。集落から、沢沿いの林道をたどっていくと、猿毛岳の西山麓に広がる台地に出て、そこには畑が広がり、牧場風の建物もあったが、結局一般登山道のようなものは見つからなかった。猿毛岳の山頂もすぐ頭上に見えて、季節を選んで薮コギ山行をすれば登れるな、ということで偵察を終えた。
 忘年会の翌日で、山登りの気力・体調ともに、レベルダウンしていた。近くの山ということで、昨年来気になっていた猿毛岳に登ることにした。最近出版された「新潟の低山・薮山」にも猿毛岳は取り上げられているが、2月の残雪を利用して登っている。このような里山は、できたら、里人のつけた踏み跡をたどって登りたいものである。低山ヤブコギの練習問題として、地図を眺めて、作戦を練った。加茂を過ぎて、加茂川を日吉橋で渡って集落内に入った。民家の奥の山麓には畑地が広がっていたが、軒先をかすめて私有地に入りこんできょろきょろ見回るのも気がひけた。とりあえず公民館前の広場に車をとめた。「新潟の低山・薮山」に従って、西山麓に通じる沢沿いの林道から取り付くことにした。集落の奥に進み、最後の家を過ぎると、沢に鉄板の橋がかかっていた。キノコのほだ木が並べられている左岸に渡って、急斜面をよじ登ると、その上部には栗林が広がっており、台地の東端にはお堂が建てられ、下から踏み跡が上がってきていた。栗林の上部から、尾根をたどってのヤブコギが始まった。潅木の中で、ユキツバキの木が目立った。昨日の忘年会のためか、少し登っただけで息が苦しくなった。尾根上には、山仕事の人が歩いたような形跡はあるものの、かすかであった。登るにつれて、右手から尾根が延びてくるのが見えた。下りには違うコースをとるかもしれなかったので、下降点の印には紙テープを付けて、255ピークに上がった。255ピークで右手の尾根と合わさったが、果たしてというべきか、踏み跡が上がってきており、ピンクのビニールテープの列が続いていた。これでコースの心配も無くなったが、今度は、テープが付けすぎといった感じなのが気になった。この先は、緩やかな稜線歩きになった。葉の落ちた雑木林の間からは、粟ヶ岳から白山を眺めることができた。11月下旬に本格的な雪があったものの、その後は、厳しい冷え込みは無く、今のところは暖冬といっても良さそうである。テープの列に導かれるままにのんびりと歩いていくと、山頂に到着した。
 山頂には、測量の紅白棒が立てられ、三角点が頭をのぞかせていた。その先に進むと、植林地の縁に出て、新潟平野の眺めが広がった。国上山、弥彦山、角田山の三山が、横にきれいに並んでいた。この三山縦走も、来年の課題である。植林地の下には、去年訪れた畑地と建物を見下ろすことができた。北に続く尾根に踏み跡でもないかと捜しながら進むと、少し下ったところに、赤錆を浮かべ雑草に覆われたスキーリフトの支柱と山頂駅の残骸が現れた。下を見下ろすと、杉林の中に山麓駅と思われる建造物も見ることができた。自然保護のためだったというが、猿毛岳のスキー場というのはいったいどれ位前に閉鎖になったのだろうか。ゲレンデだったと思われる斜面にはびっしりと杉が植えられ、数メートルの高さに育っていた。
 下りは、テープをたどってみることにした。255ピークから西に延びる尾根に進んだ。下っていくと尾根からはずれ、地形的特徴のない杉林の斜面の下りになり、テープ頼りの歩きになってしまった。杉林の中に竹林が混じって麓も近いと思うと、簡易水道のパイプが現れた。栗林に飛び出すと、その下には、古びた木の鳥居があり、集落内から南東に延びる林道に出ることができた。この林道は、146ピークの北側を通って、東山麓の送電線にでも通じているのであろうか。下ってきたこのルートが、一般に使われているコースのようであったが、255ピークまではテープ頼りになってしまうのが、少し難点であろうか。丈夫そうなビニールテープなので、しばらくは目印としては充分なように思うが。
 冬鳥越スキー場に回って猿毛岳の写真を撮ってひと休みしていると、雨が降ってきて、山も終わりになった。

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