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吉祥岳

1998年12月13日 日帰り 単独行 曇り時々みぞれ

吉祥岳 きっしょうだけ(500m) 三角点なし 山北(新潟県) 5万 勝木 2.5万 勝木、蒲萄
ガイド:LATERNE 4巻p.287〜288

12月13日(日) 7:20 新潟発=(R.7、蓮野IC、R.113、荒井浜、R.345、神林、R.7 経由)=9:35 大毎集落入口〜9:45 発―10:00 吉祥岳登山口―10:14 杉林入口の登山標識―10:36 中間展望台―10:58 吉祥岳山頂〜11:13 発―11:25 中間展望台―11:36 杉林入口の登山標識―11:48 吉祥岳登山口―12:05 大毎集落入口=(まゆの里入浴(150円)、往路を戻る)=15:15 新潟着

 吉祥岳は、県北部の山北町の大毎の集落の背後にそびえる里山である。地形図に名前は記載されていないが、勝木の地図の大毎の集落から南に延びる林道の先の、蒲萄の地図における500mピークが吉祥岳である。旧出羽街道沿いの大毎の入口の看板には、「吉祥と清水の里」と書かれている。集落内にある吉祥清水の説明には、この地区の水源は吉祥岳の麓の湧き水を使っていると書かれており、この山は里のシンボルになって親しまれているようである。
 二日続けての山歩きということで、それ程長い歩きは無い吉祥岳に向かうことにした。蒲萄山塊の写真を撮りながら、R.7を北上した。次第に国道脇にも残雪が現れてきて、そろそろ本格的な雪山のシーズンになったようである。大毎トンネルを抜けると、右手に、大毎の集落を示す看板が現れた。右折して道なりに進むと、旧出羽街道に入ってしまい、引き返しになった。集落内には、入口の少し先から下がっていく道に進むようであった。登山口の標識や大毎林道の入口を探すために、一旦国道に戻り、北側から集落内に入ることにした。集落内の道は細く、民家が続いて、車を置くことのできそうな空き地は無かった。集落内の道路には、融雪のための水が流されていた。吉祥岳登山口の登山標識を見つけることができたが、その左手に上がっていく道は、車一台の幅の急坂で、乗り入れても雪のために車を進めることができるか判らなかった。空き地を探しながら車をそのまま進めると、先ほどの旧出羽街道口に出てしまった。下の入口に戻って、国道脇の看板の所の路肩に車を停めて歩き出すことにした。集落の向こうには、尖った山頂を持った吉祥岳がそびえ、その山頂部は、雪に覆われていた。吉祥岳には、大毎林道から登るコースと、集落内から登るコースの二通りあるが、安全のために、集落内からの往復コースをとることにした。
 ワカンをザックに付け、ストックを持った、冬山装備で町中を歩き出した。庭先で冬囲いの準備をしていた地元のオジサンに黙礼をすると、出てきてどこに行くのか尋ねられた。吉祥岳に登るというと、雪のために登れるのかなあと、心細くなる返事が返ってきた。夏には、吉祥岳や鰈山には登りにくるけれど。こんなに急な所があるよ、といって、腕で垂直に近い角度を見せてくれた。それでも、おしゃべりの中から、杉林の中から右手の肩に上がって山頂をめざすことが判った。無理はしないからといって安心してもらい、先に進んだ。バス待ちのオバアサン達からも好奇心の目を向けられながら、町中を通り抜けた。登山口の看板から、坂を上っていくと、数軒の民家の先からは畑地が広がり、道路上も数センチの雪が覆うようになった。やはり車の乗り入れは難しかったようである。途中で枝道はあるものの、林道をまっすぐに進んでいくと、吉祥岳の下にたどり着き、杉林の入口に、山頂まで45分、中間展望から山頂は25分と書かれた絵看板が立てられていた。雪が無い季節なら、ここまで車で上がれるようであった。
 雪も深くなってきたので、スパッツを付けることにした。杉林の中も、しばらくは伐採の作業道らしい林道跡が続いた。雪の上には、様々な動物の足跡がついていたが、クマと思われる大きな足跡もあった。この先は、人家も無く、朝日連峰に続くわけなので、いても不思議は無い。小広場で林道跡が終わると、右手の尾根に向かっての登りになった。葉が落ちてどこでも歩けるかわりに、登山道を辿るのに注意が必要であった。尾根に登ると、周囲には雑木林が広がるようになった。その先から、急坂が始まった。道は、階段状に整備されているようであったが、雪の斜面になって滑りやすく、トラロープが張られているので助かった。急坂の途中のひと休みといった中間展望台に到着すると、大毎の集落を眼下に見下ろすことができた。その先も、ロープを頼りの急登が続いた。山頂手前で傾斜が緩くなると、小広場や空堀跡のような地形が現れた。昔は、山城でも築かれていたのであろうか。雑木林の中をジグザグに登っていくと、ごくろうさまでしたと書かれた標識が出迎えてくれて、吉祥岳の山頂に到着した。山頂からは、大毎の集落や鰈山の山頂を良く眺めることができ、蒲萄山の山頂も木立の間から確かめることができた。雪の量は、山頂部で膝くらいまでで、雪山を遊ぶには丁度良い位であった。
 下りは、適度な雪道で歩きやすく、急坂もロープの助けを借りて一気に下ることができた。最後に、町中の吉祥清水でノドをうるおした。

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