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高坪山

1998年11月26日 日帰り 単独行 曇り時々みぞれ

高坪山 たかつぼやま(570.5m) 二等三角点 蔵王山塊(新潟県) 5万 中条、小国 2.5万 坂町、中条、越後下関、安角
ガイド:片雲往来 阿賀北の山々 p.163〜174、新潟ファミリー登山(新潟日報社)

11月26日(土) 6:40 新潟発=(R.7、新発田、黒川、蔵王 経由)=7:50 金峯神社横駐車場〜7:57 発―8:12 林道分岐―8:18 林道終点広場―8:20 登山道分岐(左 高坪山登山コース、直進 蔵王権現登山コース)―8:26 塩沢からの林道―8:33 塩沢からの林道終点〜8:35 発―8:44 蔵王山城跡―9:03 蔵王権現跡 ―9:14 分岐(右 山道整備不良)―9:15 釈迦岳(見晴らし広場)―9:20 大沢峰―9:30 中峰―9:35 虚空蔵峰ルート分岐―9:41 高坪山〜9:50 発―10:00 黒川・荒川分岐―10:21 高坪山・蔵王権現登山コース―10:22 林道終点広場―10:27 林道分岐―10:40 金峯神社横駐車場=(往路を戻る)=12:30 新潟着

 新潟平野の東端に沿っては、いくつもの山塊が連なっているが、荒川と胎内川の間には蔵王山塊と呼ばれるひとかたまりの山がある。高坪山は、この蔵王山塊の最高峰である。高坪山には、ハイキングコースが整備されて、手軽な山として親しまれている。
 高坪山は、94年4月に、一般的ともいえる梨ノ木登山口から虚空蔵峰を経由した周遊コースで歩いている。高坪山の属している山塊は蔵王山塊と呼ばれることを知り、地図を見ると、高坪山と向かい合う尾根上には、蔵王権現という地名も記されており、興味を持った。蔵王の集落から周遊コースが整備されているようで、いつか登らなければと思った。先週末は遠出をしたので、軽く近くの山ということで、蔵王権現を経て高坪山に登ることにした。国道7号線沿いの黒川から蔵王の集落を目指した。集落の奥の舗装道が終わる所に金峯神社があり、その左脇に車の置ける広場があった。その先は未舗装の林道で、先の様子がわからないので、ここから歩き出すことにした。林道脇には、「蔵王山塊 蔵王権現コース登山口 高坪山登山口」と書かれた緑の標柱が立てられており、コースに間違いは無いことを知った。右手の沢に堰堤を二つ見ると、地図にもある上下に二つ並んだ溜池に出た。もっとも、林道脇のものは、水は無く、ヨシが茂っているだけで、それと見当をつけたのだが。上には水門らしきものが見えたので、そちらには水は溜まっているのか。その先で林道は左右に分岐した。右の方が路面の状態は若干悪いものの、地図を見ると、こちらのような感じがした。左の林道は、溜池に続くものか。杉の植林地の中を進むと、林道の終点広場に出た。普通の車でも、少しがんばれば、ここまで入ってこれそうであった。
 細くなった道を進むと、標識の立てられた、蔵王権現登山コースと高坪山登山コースの分岐に出た。まずは、直進して蔵王権現登山コースに向かうことにした。堰堤の下で水量の少なくなった沢を渡り、ひと登りすると、塩谷からの林道に飛び出した。再び林道歩きを少し続けると、林道終点の広場に到着し、ここから登山道の登りが始まった。周囲にブナやナラ、赤松の混じる雑木林が広がり、尾根沿いの登りになると、蔵王山城跡に出た。左手の谷越しには高坪山、振り返ると黒川の町から日本海を望むことができた。登りを続けると、蔵王権現跡に到着した。台地の広場の中央に、金峯神社の小さな石碑が置かれているだけであった。黒い雲が流れてきて、ミゾレが降りだしたが、長くはなさそうなので、傘だけでとおすことにした。高坪山はすぐそこに見えるものの、高坪山も蔵王権現跡も主稜線から西にはずれているため、一旦主稜線に出て、大きく回り込む必要があった。先週の名残か、登山道を10センチ程の雪が覆うようになった。登山者の踏み跡も残っており、登山道を辿るのは難しくは無かった。周辺にはブナ林が広がり、気持ちの良い稜線歩きになった。
 主稜線に出た所で、南に向かう道との分岐に出た。標識には、山道整備不良とあったが、大沢川沿いの林道に続く道であろうか。それとも、地図に記載されている坪穴への道が整備されつつあるのか。気にかかる道であった。高坪山へのコースを辿ると、その少し先で釈迦岳に出た。東側を見晴らす広場になっており、晴れた日には、胎内から飯豊連峰の眺めが楽しめそうであった。続いて大沢峰、中峰を越していく稜線上の道は、急な上り下りもあり、適度な運動が続いた。急な斜面にはロープが張られており、中途半端な積雪で滑りやすい道も、安心して歩くことができた。虚空蔵峰ルートとの分岐に出て、ここで左折。僅かな歩きで高坪山の頂上に到着した。先回は、春の盛りで、大勢の登山者で賑わっていたが、今回は、当然といって良いのか、誰もいない山頂であった。ここにも鐘が吊るされており、ひと鳴らし。「高坪の鐘」というらしい。広場には、三角点とお地蔵さま。誰からもらったのかはしらないが、頭にバンダナを巻いているのが、似合っていた。荒川の河口部と日本海を眺めながらひと休みした。
 山頂直下の下りは急斜面で、張られているロープが助けになった。尾根歩きを続けていくと、梨ノ木登山口との分岐に出た。ここには、右 荒川、左 黒川 という標識が立っていた。下りを続けていくと杉の植林地に入り、左手にトラバースするようになると、歩き始めの虚空蔵峰ルート分岐に出た。後は、林道歩きで車に戻ることができた。新潟の登山ガイドで高坪山はたいてい取り上げられるが、なぜか梨ノ木登山口からの周遊コースばかりである。著者の怠慢というべきか。蔵王からの良い周遊コースが整備されているというのに、もったいない話である。

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