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兎ヶ倉山

1998年9月20日 日帰り 単独行 晴

兎ヶ倉山 うさんくらやま(698.1m) 三等三角点 津川周辺(新潟県) 5万 大日岳 2.5万 日出谷
ガイド:片雲往来PARTIII(第二部)-阿賀南の山々- p.99〜108、駒文集第五巻 p.66〜67

9月20日(日) 7:30 新潟発=(磐越自動車道、津川IC、R.49、倉ノ平入口、倉ノ平 経由)=8:26 林道終点〜8:39 発―9:11 尾根取り付き―9:34 兎ヶ倉山〜10:13 発―10:30 尾根取り付き―11:03 林道終点=(往路を戻る)=13:20 新潟着

 津川町の東の、阿賀野川、国道49号線及び新潟福島県境で挟まれた一帯には、鋭い山頂を持つピラミッドピークがいくつかあるが、兎ヶ倉山もその一つである。一等三角点の土埋山や国道49号線の車窓からこの兎ヶ倉山を見ると、登って見たいと思わずにはいられない。山頂にはテレビの中継基地が設けられており、津川町最高峰の山頂からは周囲の展望を楽しむことができる。
 晴天が期待できたので、20万分の1地図や双眼鏡を持って山に出かけた。昨日、国道49号線からの入口を確認しておいた倉ノ平に向かうと、集落の手前の広場に、倉ノ平集落の案内図が掲示されていた。その地図で、兎ヶ倉山への林道の入り方を頭に入れた。集落の中心部から右手に林道が分かれ、この角には、NHKテレビジョン放送局兎ヶ倉山という看板が立てられていた。田圃の中を抜けて、谷の右岸に出ると、前方に兎ヶ倉山の山頂がそそり立つのを見ることができた。泥沼状態になった林道を、タイヤがはまらないように勢いをつけて突破すると、谷が狭まったところで林道の終点になった。左上の山の斜面には岩が露出しており、採石場の跡のようであった。出発の支度の間に、小さな蚊に何ケ所も刺されてしまった。残暑のせいで、蚊も元気を取り戻してしまったのか。導水溝に沿って歩いていくと、簡易水道と思われる施設があった。その先で5m程の滝が現れたが、登山道はその右手を巻いていた。登山道は、沢の左右をなんどもいったりきたりしながら、上流に向かっていった。沢を渡る付近で良く注意する必要があったが、はっきりした道が続いた。丸太端も何ヶ所かに架けられていた。歩き始めの蚊もいつの間にかいなくなった。沢もひとまたぎ程に細くなると、沢を離れての登りが始まった。直に杉林からナラやブナの雑木林の中の登りになった。急な登りに一歩づつ足を進め、大汗のかいての登りになった。山の形からして、楽して登れるはずもなかった。
 山頂に到着すると、テレビ中継基地がお出迎え。NHKの他に民放も合わせて三施設に、その他のアンテン施設もあった。ここまでの細い道からすると、ヘリで資材を運んだものか。登ってきた道が保守道だとすると、職員の人はさぞ大変なことだろう。山頂からは、一点に立って360度の展望とはいかなかったが、場所を変えると、各方面の眺めを楽しむことができた。中継施設の入口へのステップも良い展望台になった。北方面でまず目につくのは蒜場山であった。地図を見ると、大日岳も見えそうであったが、飯豊の主稜線には雲がかかっていた。南はぐるりと山が取りまいており、一際目立つのは、御神楽岳であった。川内山塊の山々は、重なり合って、各ピークを見分けるのは難しかった。南西には、兎ヶ倉山とならんで気になる三角ピークの餅倉山を見下ろすことができた。兎には餅が付き物というべきで、これも気になるピークであった。双眼鏡で登山道の偵察をした。そういえば、来年の干支は兎である。新潟県には、光兎山や兎岳などの良く知られた山もあるが、この兎ヶ倉山や兎平あたりも、どこかの雑誌で取り上げられるのかどうか。気温が高く、日向では、汗がしたたり落ちた。
 兎ヶ倉山からの下山路は、尾根通しに下りる道もあるらしい。NHK施設の前から踏み跡が延びていたが、最後の沢への下り口付近が分かり難いらしいので、来た道を戻ることにした。下山は、登山道に積もった葉に足を滑らさないように注意が必要であった。沢近くに下りた所で、4名グループに出合った。他の登山者に出合うとは、ちょっと意外であった。新潟の低山も、秋の登山シーズンが来たということか。
 下山後、餅倉山の偵察に回った。倉ノ平の集落の先に林道を進み、橋を渡った所に踏み跡があった。雑木林から杉の植林地へ踏み跡が延びていた。どこまでこの踏み跡が続くのかは判らなかったが、予想していたコースに踏み跡があるのを見て、少し気を良くした。気温が30度を越しているようで、日向では汗が止まらない状態であった。この陽気にヤブ漕ぎをする元気は無く、次の機会にチャレンジすることにした。

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