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馬ノ髪山

1998年5月24日 日帰り 会山行(5名) 曇り後雨

馬ノ髪山 うまのかみやま(757m) 二等三角点 飯豊連峰前衛(新潟) 5万 津川 2.5万 東赤谷
ガイド:ガイド:駒 第五巻 p.92〜93、ランタン通信175号

5月24日(日) 7:00 鳥屋野公園発=(磐越自動車道、三川IC、三川、上綱木、林道綱木新谷線 経由)=8:15 作業小屋脇駐車場〜8:23 発―8:52 尾根取り付き―9:42 大杉の広場―10:05 馬ノ髪山〜10:17 発―10:22 大杉の広場〜11:51 発―12:19 尾根取り付き―13:00 作業小屋脇駐車場=(往路を戻る、新三川温泉クアハウスローズベリー入浴300円)=15:10 鳥屋野公園着

 馬ノ髪山は、飯豊連峰の大日岳から西に派生する尾根の末端に、俎倉山、馬ノ髪山、棚橋山と続く山である。俎倉山が、地元で親しまれたハイキングの対象の山なのに対し、他の二山は忘れられた存在になっている。
 峡彩ランタン会からハイキング山行をおおせつかって、どこの山にしようか迷った。ハイキングというからには、登山道は付けられており、歩行時間は短くなければならない。しかも、新潟の山の熟練者揃いの会員でも、低山ということで見逃しており、登頂時の達成感のある山。いままでの峡彩ランタン会の会山行の山のリストを補完するような山を選びたかった。考えた末に、第一回のハイキングの山として、馬ノ髪山を選んだ。今年2月のスキー山行として、雪の少ない弥彦山に代わって棚橋山に登り、この時には、24名もの多数の参加者があったことから、隣の馬ノ髪山にも関心を持つ人は多いだろうと、思いこんだのだが。一週前の土曜日に、川内山塊の毛石山に登ったあとで、登山コースとなる沢の状態を偵察した。雨が続いていたせいか、昨年6月14日に登った時よりも水量は多く、水の中に登山靴をつっこんで足を濡らしてしまった。参加者には、長靴を勧めることにした。前日になって、自分自身の長靴が見つからず、古い登山靴で登ることになったのだが。
 山行日が近づいたにもかかわらず、電話による参加申し込みは、無し。水研に顔を出してようやく一名の参加者を得た。二人きりの山行かとがっかりしたが、土曜日に山形の面白山から戻ってくると、斉藤さんから参加の申し込みが届いていた。斉藤さんに電話をかけて、参加してくれそうな人を誘ってもらうようにお願いした。
 ということで、今回のハイキング山行には、私の方がどこかの山に連れてってもらいたいという、ベテランばかりの参加者になった。小島さんの車で上綱木に向かい、五十嵐さんと落ち合った。林道綱木新谷線に入り、先回の棚橋山の登り口となった林道の入口を過ぎて少し走った所に、山の別荘といった造りの作業小屋があり、その前の駐車場に車を停めた。小屋の脇の林道を進むと、正面に馬ノ髪山が高くそびえるのが見えた。林道は沢の堰堤で終わり、どこから越すのか一瞬迷うが、左手にステップが隠されている。堰堤を越して、草むらを足でかき分けながら、踏み跡をたどると、沢におりたつ。ここからしばらくは、沢の中の歩きとなる。幸い、水量は先週よりは少なく、踏み石伝いに歩くのも難しくはなかった。他の長靴組には、沢の中を自由に歩いてもらい、自分は、沢を左右にいそがしく渡りながら進んだ。しばらく進むと、沢の岸に踏み跡道が現れてきた。崖崩れで消えているところもあったが、沢の中を歩くよりは早いようであった。沢が左に曲がり、再び山に向かって進路を変え、右上に尾根が沿って走るようになると、沢から右手に上がる道が現れる。この地点には、目印のテープも残されているので、注意して歩いていれば迷う心配も少ないと思う。沢から上がったら、右手に尾根に上がる踏み跡が現れる。足元の悪い土の斜面をひと登りして尾根に上がると、そこには明瞭な道が続いている。ここまでで、馬ノ髪山の登山コースの前半の沢歩きは終了し、後半は、急登の連続となる。
 尾根の急登をしばらく続け、天然杉の下でひと休みした。尾根に沿って生える天然杉は、植林地の物とは異なり、風雪にさらされた力強さがあり、風格を漂わせていた。再び登り始めると、三合目の表示が現れた。まだ、三合目かと不満の声が上がった。馬ノ髪山の山頂は何メートルと聞かれ、知らないと言ったら、リーダー失格という声が上がった。そうは言ったって、高度計を見るまでもなく、稜線を見れば、どれくらいの登りが待っているか判るし、一時間登り続けなければ、山頂には着かないことは確かである。急な登りを続けると、すぐに五合目の標識。一同喜んで登り続けると、またもやすぐに八合目の標識が現れた。合目表示はあてにならにということで意見は一致した。急な登りはさらに続いたが、高度も、一気に上がった。傾斜が緩やかになると、杉に囲まれた広場に出た。雑木林を抜けて、扇の平ヨロイ岩と書かれた標識の落ちているヒドを越して小さなピークを越していくと、馬ノ髪の山頂に到着。雲がかかって遠望がきかないのが残念であったが、尾根の先には俎倉山、その先には蒜場山が大きく、登山道のある尾根もはっきり見分けることができた。飯豊の稜線も長く横たわっていた。その左には、焼峰山に二王子岳。南には、山頂下の台地を見下ろし、笠菅山を低く見ることができた。登ってきた時は大汗をかいたが、風は冷たく、杉の広場に戻って大休止にすることにした。登山道の上に車座になっていても、他の登山者の迷惑になる心配は全く無い、我々のみの山であった。のんびりと酒と会話を楽しんでいたが、雲行きが怪しいと思うや雨が降り始めた。雨に追われるように下山を開始した。足を止めるのが難しい急斜面で、あっというまに沢に下りたってしまった。斉藤さんが、ミズナを採るのを待ちながら沢を下った。アオミズナを分けてもらい、家への良いお土産になった。汗と雨で濡れた体を温泉でさっぱりとさせ、ハイキング山行のしめくくりとした。

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