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樋曽山

1998年3月14日 日帰り 単独行 晴

樋曽山 ひそやま(296.7m)  三等三角点 西蒲原丘陵(新潟) 5万 弥彦 2.5万 弥彦、角田山 ガイド:無し

3月14日(土) 9:40 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線、栄、樋曽、新潟五泉間瀬線 経由)=10:30 石瀬峠口先の空き地〜10:40 発―11:10 左の沢引き返し―11:17 二又―11:47 稜線鞍部―12:00 291ピーク〜12:10 発―12:12 稜線鞍部―12:25〜12:42 昼食―12:46 二又―12:56 石瀬峠口先の空き地=(往路を戻る)=15:00 新潟着

 新潟周辺でハイキングの山として人気のある弥彦山と角田山の間に、200〜300mの高さを連ねた丘陵地帯があり、その最高点を樋曽山と呼ぶ。弥彦山から角田山への縦走の際に通過しなければならない山域ではあるが、この山を目的に入る者は少なく、地図にかかれた登山道も不明瞭である。そのため、自然が良く保たれており、春の花を楽しむことができる。
 朝起きると雨が降っていた。天気予報は、曇り後雨とのことで、天気が早めに悪くなったのかと思い、山を諦めてもうひと眠りした。目を覚ますと、青空が広がっており、そんな馬鹿なという気持ちになった。朝食をとりながら、今から行くことのできる山を考えた。この晴れ間も、そう長くは続きそうもないことから、近くの樋曽山に春の花を探しにいくことにした。
 岩室温泉手前から間瀬へぬける道に入り、弥彦スカイラインの石瀬峠口の先の「シーサイドホテル白岩」の看板の立つ広場に車をとめた。かたわらには送水用なのか目的の判らない建物があった。間瀬寄りに少し進んだ所に、沢の右岸に沿って荒れた林道が山に向かってのびていた。谷間に入っていくと、道はシダや倒木で不明瞭になった。杉林の中の微かな踏み跡をたどっていくと、沢の二又に出た。左の沢に沿って登っていき、左の尾根に取り付くはずと思いながら道を捜したが、見つからないままに急な斜面にぶつかって行きづまってしまった。左右に尾根が走っていたが、足場の悪い急斜面で登れそうにもなく、引き返すことになった。地図に書いてある道を捜しながら下っていくと、沢の二又に戻り、その真ん中に緩やかな尾根が始まっていた。地図の道は諦めてこの尾根を登ることにした。ナラやブナがまばらに生え、下生えも少ない、歩きやすい尾根が続いた。草むらに白いものがあると思ったら、アズマイチゲの群落。紫が混じっているのは、咲き始めのカタクリの花であった。カメラをかまえて、落ち葉のつもった斜面に膝をついた。背後に高い弥彦山には残雪が見られたが、暖かい日差しの中、樋曽山には春が訪れていた。尾根が正面のピークにせまった所で、潅木がややうるさくなり、そこを突破すると、急斜面の杉林の下に出た。赤布を付けながら、稜線めざして、柔らかい土と積もった杉の葉で滑りやすい急斜面を一気に登った。稜線上に登り着くと、そこは杉林に囲まれた鞍部であった。稜線上には踏み跡があり、まずは左手のピークをめざした。アズマイチゲにキクザキイチゲ、雪割草も、点々と咲いていた。西からは、間瀬のサーキットからか、車の騒音が立ち上がってきたが、誰もいないお花畑を楽しむことができた。続いて、鞍部に戻って、右手のピークをめざした。右手から上ってくる踏み跡を見ると、雑木に囲まれた広場に出た。先に進むと下りになって、前方にはなだらかな稜線が続いているようであった。
 ここを山頂と思って引き返してしまったが、家に戻ってから地図を確認すると、291ピークのようであった。花を見て歩くのに夢中になって、地図読みがおろそかになったようであった。この山には、また来なければならない理由ができてしまったようである。今度は、五ヶ峠から歩いてみることにしよう。
 山頂直下の杉林の中を赤布に導かれて急降下し、無事に尾根の上に出たところで、花に囲まれてひと休みした。カタクリの葉があちらこちらに顔をのぞかせ、もうじきやってくる春の本番には美しい花園になりそうであった。二又に戻ってから、地図の道を捜しながら下ったが、結局良く判らなかった。
 車に戻ってひと休みしていると、空が真っ暗になって、激しい雨になり、車のライトを点灯しながら家路についた。

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