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無沢山

1998年2月28日 日帰り 単独行 晴

無沢山 むざわやま(709.0m) 三等三角点 五頭山塊(新潟県) 5万 津川 2.5万 東赤谷
ガイド:ランラン通信190号

2月28日(土) 6:30 新潟発=新潟中央IC、磐越自動車道、三川IC、上綱木 経由)=7:42 ルーセントカントリークラブ入口手前路肩広場〜7:52 発―8:15 堰堤―8:34 尾根取り付き―9:42 554ピーク―10:18 無沢山〜10:40 発―11:03 554ピーク―11:58 尾根取り付き―12:14 堰堤―12:34 セントカントリークラブ入口手前路肩広場=(新三川温泉YOU & 湯ホテル三川入浴640円後、往路を戻る)=15:00 新潟着

 無沢山は、五頭山塊において、一等三角点が置けれていることから代表的ピークとなっている松平山から南東に派生する尾根上のピークである。五頭山塊は、新潟市に近いことから、人気の高いハイキングの山になっているが、それも松平山から五頭山を経て菱ヶ岳の間のことで、そこから北あるいは南にはずれるピークには夏道は開かれてはいない。また、新潟市から近い西面の登山者は多いが、東面は、裏五頭と呼ばれて、利用者も少ない。その裏五頭の主稜線から外れた、不遇の山が無沢山である。今回登って判ったことだが、山頂からの展望は素晴らしく、特に飯豊連峰の最高クラスの展望台である。
 峡祭ランタン会の月例会にて、裏五頭の無沢山に登ってきたという資料をもらった。2月14日、総勢12名での山行とのことであった。雪もしまってきており、半月前のトレースも期待できそうなため、このチャンスを生かすことにした。
 無沢山の登山口として、上綱木を通り過ぎた所の綱木川にかかる橋をめざした。ゴルフ場のルーセントカントリークラブ入口の手前に橋があり、上綱木よりの路肩の広場に車をとめた。新潟を出た時には青空が広がっていたが、三川ICを下りた頃から霧が出て、山の高みは見通せない状態になっていた。日が登ればこの霧も晴れるはずと思った歩き出すことにした。道路脇の雪の壁を乗り越えて、細い鉄の橋を渡った。対岸の正面には尾根が張り出してきており、ちょっと様子がおかしかった。右手に向かうと、沢につきあたり、橋を渡ると、沢沿いにワカンの踏み跡が続いていた。下山時に確かめて判ったことだが、綱木川には二本の橋がかかっており、下流部の道路脇の橋ではなく、上流部の雪原を少し奥に進んだ所にかかる橋を渡るのが正解であった。沢の両測には、作業小屋が二軒立ち、田圃と思われる雪原が山の奥に向かって広がっていた。雪の上のワカンの跡は思ったよりも明瞭で、山頂まで導いてくれそうであった。左手から入りこむ沢にかかる堰堤を見ると、その先で橋を渡って横に長く広がる堰堤の下に出た。その先は、杉林の中の沢沿いの登りになった。しばらく登った所で、沢にかかるスノーブリッジで、左岸に渡った。渡渉点には、赤布が残されていた。再び杉林の中を登っていくと、次第に谷も細くなり、周囲も雑木林に変わってきた。短い間隔でスノーブリッジの渡渉を二回繰り返して左岸に渡った所で、右上に尾根が迫ってきて、尾根の取り付き点に到着した。
 ひと登りした上には、幅の広い尾根が続いていた。雪も締まっており、スノーシューで楽に歩くことができた。尾根がやせてきたところで、霧もあがって周囲の展望が広がってきた。めざす無沢山の山頂へは、反時計回りに尾根を回り込んでいくようで、かなり距離がありそうであった。東には、棚橋山と馬ノ髪山が、霧の中から頭を出していた。無沢山へ至る尾根には、細かい尾根が合わさってきており、登りはともかく、下りのために充分注意を払っておく必要があった。思わぬ方向からのトレースがあると思ったら、カモシカの足跡であった。新しい足跡のようであったが、本人とは遭遇できなかった。554mピークと思われる小ピークに登り着いたところで、山頂部に杉が生え、三角形の頭を持った無沢山が前方に姿を現した。幅の広い雑木林の尾根をたどっていくと、無沢山への最後の登りになった。スノーシューでは少し急すぎる斜面ではあったが、頑張り通すしかなかった。山頂直下には、沢の源頭部が雪原となって落ち込んでいたが、その向こうには飯豊連峰の大展望が広がっていたが、まずは山頂部をめざした。右手から回り込むように杉林の中を登ると、雪原で覆われた無沢山の山頂に到着した。
 無沢山は、大展望の山であった。西には、五頭連峰が長く横たわり、稜線を目で追っていくと、そこまで歩いていけそうでもあった。その北部に二つの鋭峰を連ねるのが金鉢山なのであろうか。登ってみたい山として、心にとめた。南には、笠菅山が近く、そして遠くには御神楽山も眺めることができた。とりわけ素晴らしいのは、東面の眺めであった。二王子岳から焼峰山、棚橋山、馬ノ髪山と連なり、その背後には蒜場山、さらにその奥には大日岳にはじめる飯豊連峰が長く連なっていた。山頂の西に一段下ったところに、前回の一行の休憩時の整地跡も残っていたが、風は冷たく、山頂部を少し下った所で、眺めを楽しみながら腰をおろした。双眼鏡を覗くと、二王子岳の山頂部には、一面の雪田が広がっていた。蒜場山は、岩岳を越した先の烏帽子岩付近のやせ尾根を目でたどることができた。馬ノ髪山の西面の雪面には横に黒い筋が入っており、雪崩がおきかかっているようであった。
 山頂直下の下りは、スノーシューでは何度か滑って転んで難儀したが、傾斜が緩めば、展望を楽しみながらの歩きになった。心配していた天気も青空のままで、春の陽気が続いた。下山時には、水筒の水は飲みきり、喉は乾ききってしまった。車に戻ると、まずは、ジュースの自動販売機をめざして、車を発進させた。

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