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吾妻山(桐生)

1998年2月1日 日帰り 単独行 晴

吾妻山 あづまやま(481m) 安蘇山塊(群馬県) 5万 桐生及足利 2.5万 桐生、大間々
ガイド:分県登山ガイド「群馬県の山」(山と渓谷社)、上州山歩(読売新聞社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)

2月1日 7:13 新潟発=(上越新幹線)=8:38 高崎〜8:52 発=(両毛線)=9:25 桐生駅―10:16 村松沢堰堤―10:42 村松峠―11:02 雌吾妻―11:13 吾妻山〜11:35 発―11:50 トンビ岩―11:59 陸橋―12:06 吾妻公園駐車場―12:27 桐生駅〜13:17 発=14:13 高崎〜15:13 発=(上越新幹線)=16:23 新潟着

 関東平野の北端の群馬・栃木県境付近には、自然の良く保たれている1000m以下の低山が広がっている。その鳴神山から南に延びる尾根の末端に吾妻山が有り、桐生市の背後にそびえることから市民の山として親しまれている。
 意外にハードであった奥多摩の六ツ石山のスノーハイクの翌日、JR東日本ウィークエンドの切符が有効であることから、再び関東の山に出かけることにした。軽い山ということで、以前、両毛線で桐生を通った時に、車窓から眺めたことのある吾妻山に出かけることにした。
 桐生の町に下りたって、ガイドブックを片手に市街地を歩いていくと、前方に吾妻山が姿を現した。奥のピークには、マイクロウェーブの反射板が置かれているのが見え、雌吾妻であることが判った。ガイドには、西中学校を通り過ぎた所の信号を左とあったが、コンクリートで固められた下水路に沿った細い道であったため、もう一本先の信号に進むと、角には吾妻公園への案内板が立っていた。歩いているうちに、この道は、ガイドの地図に印されている道より、一本先の道であることが判り、光明寺入口を過ぎた所で、本来の道に戻った。下水路のようであった小川も次第に太くなり、これが村松沢のようであった。山あいに入って人家がとぎれた所で堰堤が現れた。左から沢が合わさる所で、この沢沿いにつけられた杉林の中の登山道に進んだ。この分岐には、登山のための標識は無く、地元で親しまれているハイキングコースと思っていただけに、この道で良いのかとちょっと不審に思えた。沢に沿って登っていくと、登山道は、少し荒れた感じの沢の中の道となった。沢が山の斜面の中に消えると、杉林の中の急な登りになった。前日の疲れも残っており、辛い登りであったが、幸いそれ程時間もかからずに、稜線上に飛び出した。
 稜線上には、関東ふれあいの道として立派な道が付けられていた。稜線をたどる道の周囲は雑木林で、木の枝の間からは、赤城山が大きく、また榛名山の向こうには、富士山と見間違うかのような真っ白な浅間山が姿を現していた。北斜面には残雪が凍りついていた。急な斜面には階段が儲けられていたが、残雪が滑りやすく、上りはともかく、下りはよほどの注意が必要そうであった。背後に広がる鳴神山への山の連なりを振り返りながら登っていくと、雌吾妻の頂上に出た。マイクロウェーブの周囲は柵で囲われ、周囲は木が茂って全く展望もなく、休憩には適さないピークであった。一旦急坂を下り、再び上り返すと、吾妻山の頂上に到着した。
 吾妻山の山頂は広場になり、かたわらには石の祠、ベンチも置かれて、多くのハイカーが休んでいた。暖かい陽気に、裸になって汗を拭う者もいた。ほとんどの者は軽装で、なにも持たずに登ってきているものもいた。眼下には桐生の市街地が広がり、その先は関東平野が霞の中へ続いていた。写真を撮っていて、だれもカメラを持っていないことに気が付いた。どうやら毎日のように登っている常連客のようで、ことさら写真を撮る必要もない様子であった。日溜まりの中で、昼食をとったが、ビールを持ってくるのを忘れたことを後悔した。
 吾妻公園への下山路では多くの登山者とすれ違った。どうも、吾妻公園から往復するのが一般的なようであった。登山道上には、岩が露出しており、岩場歩き風に足元を注意する必要があった。途中で、コースが二つに分かれ、下山専用という指示に従って下って合流点に出ると、男坂、女坂という看板が下がっていた。登山道の周囲には雑木林が広がり、春の花も多そうであった。登山道脇の展望台のようなとんび岩を通りすぎると、舗装された作業道に出て、その先で自動車道路をまたぐ陸橋をわたると、公園の一画に出て、最後は広い駐車場の脇に飛び出した。駐車場は、車でほとんどうまっており、この山の人気の程を知ることができた。光明寺の門前を過ぎると、村松沢の成れの果て下水路の脇に出て、あとは駅まで歩くばかりであった。
 駅に到着して時刻表を見ると、電車は出たところで、1時間近くの待ちになった。高崎駅でもあいにくと40分程の待ち。気長に電車を待つのも、ローカル線の趣であった。

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