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臼ヶ森山

1998年1月10日 日帰り 単独行 雨のち雪

臼ヶ森山 うすがもりやま(235m) なし 五頭山塊(新潟県) 5万 新発田 2.5万 上赤谷
ガイド:なし

1月10日(土) 8:40 新潟発=(R.7、新発田、米倉 経由)=9:30 大槻集落手前の路肩広場〜9:45 発―9:50 臼ヶ森山口―10:18 登山道入口―10:52 鞍部―11:10 臼ヶ森山山頂〜11:25 発―11:30 鞍部―11:43 登山道入口―12:05 臼ヶ森山口―12:10 大槻集落手前の路肩広場=(往路を戻る)=13:45 新潟着

 臼ヶ森山は、五頭山塊北端に位置し、加治川が新潟平野部に流れ出る所の左岸にそびえるピラミッド形の山である。新発田の町を通り抜けて、飯豊連峰の登山口の赤谷に向かうとき、正面に目に入ってくるのがこの山である。
 この週の終わりにかけて全国的に雪になり、東京は、10センチ程の積雪で大混乱になったようである。新潟も10センチ程の雪があり、融けかかった雪で、道路はグズグズの状態になっている。山歩きには、悪いコンディションのために、低山の候補をいくつか考えた。幹線道路から入ると、道路の除雪はされていない可能性が高く、幹線道路から歩き出せる山として臼ヶ森山に登ることにした。臼ヶ森山は、昨年の蒜場山に登った際に、県道脇に、登山口の大きな看板が立てられているのを見て、気になっていた山であった。
 ゆっくりと起きて出発したが、雨が降り出してしまい、郊外に出ると路肩には除雪された雪が、高く積み重なった状態になった。臼ヶ森山登山道入口の看板周辺には、車を置ける場所が無かったため、新発田方面に少し戻った路肩帯の広いスペースに車を止めた。田圃は一面に白く雪に覆われ、その奥に臼ヶ森山が、ピラミッド型にそびえていた。年末・年始には、低山にまったく雪はなかったが、今回からようやくスノーハイクの開幕となった。小雨のために雨具の上下を着込み、ロングスパッツに、スノーシューに二本ストックの装備で歩きだした。臼ヶ森山登山道入口の看板を良く見ると、設置者は、米倉小学校コミュニティづくり実行委員会とあった。小学校の遠足の山なら、コースも整備されていて、少々の悪コンディションでも大丈夫だろうと安心して、先に進むことにした。結論からいうと、この予想は、当たってもいたが、甘く見すぎたところもあった。看板に導かれて、県道から山際の人家に向かう車道に入った。人家の前で除雪は終わり、左手に雪をかぶった林道が、竹林の奥に続いていた。ここから、スノーシューを履いての歩きが始まった。雪の重みでアーチ型に倒れ込んだ竹をくぐっていくと、沢沿いの道になった。林道は、簡易舗装もされているようで、雪が無い時には、車も乗り入れられそうであった。積雪は50センチ程で、しかも湿って重く、スノーシューでも足がとられて、歩くのは難儀であった。まずは、こんな日に山歩きにやってきたことを後悔した。臼ヶ森山の南西面に回りこみ、林道が右に曲がって沢を渡る手前で、臼ヶ森山への登山道入口の看板が現れた。ここからは、遊歩道なみのしっかりした道が付けられているようであった。小さな沢を木の橋で渡ると、臼ヶ森山の肩めがけての、急な登りが始まった。林道歩きも大変であったが、新雪の急斜面の登りは、さらに体力がいった。まずは、少し先の木を目標に。そこにたどり着いたら、あそこのカーブ地点を目標に。小刻みな目標を頼りに、我慢の登りが続いた。振り返ってみると、まだたいして登っていなかった。まさか、小学校の遠足の山で敗退するわけにもいかず、足を前に出し続けた。はじめ一直線の登りも、上部ではジグザグの登りに変わり、少しは楽になった。ようやく南の小ピークとの鞍部に登り着いて一息入れた。ここから左に向きを変えて、稜線上の登りがさらに続いた。急な個所には、ロープも張られており、整備は行き届いているようであった。何時間も歩いた気分で、雪にすっかり覆われた山頂にようやく到着した。最高点から北に下った所は広場になっており、小さな祠と、展望の説明板が置かれていた。加治川の流れと、大槻の集落を眼下に見下ろす、高度感のある眺めが広がっていた。雲が低く流れて、遠くの山は隠されていたが、二王子岳や飯豊連峰の絶好の見晴らし台のようであった。今回は、大汗のスノーハイクになってしまったが、雪の無い季節なら、歩行時間の短さを逆に利用して、お弁当とお酒を持って、時間のあいた時にちょっと登ってみるのが良いかもしれない。お月見や初日の出見物などにも使えるかもしれない。
 テルモスのお湯とチョコレートでひと休みした後、雪が降ってきたのを期に、山頂を後にした。下りは、雪といっしょにずり落ちれば良く、登りの苦労がうそのように楽であった。それでも、林道に飛び出すと、傾斜が緩くなって、結構辛い歩きになった。山を登った後の満足感が足の疲労感に比例するというなら、今回の臼ヶ森山は、山の楽しさをたっぷりと味わさせてくれた。

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