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鷹取山

1997年12月30日 日帰り 単独行 曇り

鷹取山 たかとりやま(418.8m) 二等三角点 蒲萄山塊(新潟県) 5万 塩野町、村上 2.5万 塩野町、柏尾
ガイド:LATERNE 5巻 p.424

12月30日(月) 7:00  新潟発=(R.7、蓮野IC、R.113、荒井浜、R.345、神林、R.7、水明橋 経由)=8:40 宮ノ下バス停〜9:25 発―9:32 山ノ神―9:42 林道終点広場〜9:58 発―10:01 堰堤―10:07 杉林分岐―10:13 鞍部―10:23 前ピーク―10:29 鷹取山の基部―10:45 稜線―10:52 鷹取山山頂〜11:05 発―11:10 鞍部―11:20 沢―11:23 滝―11:26 杉林分岐―11:30 堰堤―11:33 林道終点広場―11:43 山ノ神―11:55 宮ノ下バス停=(R.7 経由)=14:10 新潟着

 蒲萄山塊は、村上市の北の三面川河口部から山形県の県境付近まで広がる大きな山塊であるが、一般的な山のガイドに取り上げられるのは、最高峰である一等三角点の置かれている新保岳くらいのものである。鷹取山は、その蒲萄山塊南部の山である。国道7号線で、三面川にかかる水明橋を渡る時に、正面に見える山であり、山頂にはパラポナ反射板が置かれている。
 今年の山の締めくくりとして、鷹取山に登ることにした。今年の2月11日に、蒲萄山塊の虚空蔵山に出かけた時に、朝日に輝く反射板を見て気にかかっていた山である。蒲萄山への登山道は、地図には載っておらず、ガイド文が頼りであった。水明橋も新しく掛け替えられ、橋のたもと付近は、バイパス風に変わっていた。まずは、周辺の偵察ということで、宮ノ下の神社や寺尾の集落へ車を走らせた。ガイドに載っている林道の入口はすぐわかったが、未舗装で狭そうなので、水明橋を渡った所の国道沿いの宮ノ下バス停脇の駐車場から歩き出すことにした。宮ノ下の集落に向かい、下中島への車道を越したすぐ先に林道の入口があった。林道に入ると、お地蔵さまのお堂と庚申塔の石碑が置かれていた。桐の林の中を抜けると、杉林の中に入り、山ノ神の石碑が左手に現れた。谷間に分け入っていくと、林道の終点となり、そこは駐車可能な広場になっていた。広場から尾根に向かって刈りはらいの道ができていた。ガイド文の尾根への取り付きは、まだ先のはずであったが、この道を試してみることにした。ひと登りした所で、伐採地に出て、踏み跡はその上部で終わっていた。稜線まではもう少しあり、ヤブコギが必要で、尾根上に道があるか不明なため、戻ることにした。急斜面の道には、木を滑らせたような跡があり、雑木の切り出しを行っているようであった。
 広場の先から道は細くなり、わずか先で堰堤が現れた。堰堤を右に付けられた階段で越し、沢沿いの道を進んだ。Y字型に沢が合わさり、登山道は、左手の沢に沿って続いていた。杉林の中に入ると、直進する道と、沢をまたいで左手の尾根に向かう道との分岐に出た。尾根を見上げると、尾根上のピークが高くそびえていた。まずは、左手の作業道と思われる杉林への道に進んだ。杉林の中を登っていくと、しだいに道は不明瞭になり、最後は、稜線部めざして適当に登ることになった。稜線に出ると、杉の植林地と雑木林の間に、刈り払いの道ができていた。下方は稜線が緩やかになって小ピークとなり、上方には前ピークが高く立ちはだかっていた。ガイドにある鞍部というのが、ここなのか、あるいは前方のピークを越した所なのか、少々疑問に思えてきた。刈り払いの稜線をたどっていくと、植林地は終わってしまい、前方のピークめざしての急斜面のヤブコギの登りになった。幸い、前ピークの先は、痩せた尾根になっており、木の枝をかき分ける必要はあるものの、迷う心配はなかった。痩せ尾根から山頂部へ取り付く基部に出ると、古い赤布が現れた。不安な気持ちも起き始めていたので、人の歩いた痕跡を見つけて、ほっとした。潅木の斜面を高みに向かって登ることになり、戻ろうとした時のトレースがわかり難くなったが、この先は赤布が所々残されており、帰路確保用には、自分で数本つけるだけですんだ。南東から上がってきた稜線と合わさると、山頂まではもうひとのぼりであった。先ほどよじのぼった前ピークもかなり下になっていた。その先の稜線上の道は、荒く刈り払いがしてあるのか、歩くのにほとんど支障はなかった。
 鷹取山の山頂のほとんどは、パラポナ反射板の敷地で占められ、三角点は隅に追いやられていた。枯れ草の上に腰を下ろして、息を整えた。体調は、まだ本調子ではないようであった。葉の落ちた潅木の間から、村上市街と日本海の海岸線、この方向からは双耳峰に見える鷲ヶ巣山、勉強不足の朝日連峰前衛の山々、かなたには真っ白に冬化粧をした朝日連峰や飯豊連峰が頭を覗かせていた。北には目立ったピークはないものの、蒲萄山塊の山々が続いていた。潅木に、無線のコールサインを書いた板が吊るされていたが、山頂標識は見あたらなかった。静かな、山頂であった。
 整備された道が北に向かって下っており、下山コースにはこの道をとることにした。急斜面を下ると、鞍部に出て、道は右手の谷間に下っていた。稜線の先をうかがうと、潅木はそれほど密ではなく、それ程苦労せずに歩けそうであった。ただ、地図を見ると、その先には目立ったピークが無いのが、少々残念であった。谷に向かって下っていくと、炭焼き跡なのか、地面に穴が掘られているのをみることができた。水の無い沢状の地形の一気の下りになり、沢におりたった。沢の中を下っていくと、2m程の滝の上に出たが、左岸よりに道が付けられており、問題無く通過することができた。杉の植林地に入ると、わずか先で、登りにとった作業道との分岐に出た。このコースは、青いテープが木に付けられており、山頂のアンテナの保守道として管理されているようであった。
 冬枯れの林道歩きを楽しみながら車に戻り、三面川の向こうに広がる山の景色を眺めながら昼食をとった。今年の山もこれにて終了。今年一年、登ることのできた山も多かったが、登頂を果たせなかった心残りの山、計画のみで終わってしまった課題の山も多かった。人の山行記録を読むほどに、また地図を眺めるほどに、登ってみたい山も多くなった。今年一年の山を振り返りながら、また来年の作戦を練りながら、国道7号線沿いの山々を眺めながら家路についた。

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