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扉山

1997年12月27日 日帰り 単独行 晴

羽黒山 はぐろさん(220m)
扉山 とびらやま(364.9m) 三等三角点 飯豊前衛(新潟県) 5万 新発田 2.5万 上赤谷
ガイド:なし

12月27日(土) 8:30 新潟発=(R.7、新発田、米倉、小戸橋、小戸 経由)=9:40 飯豊川第二発電所〜10:53 五頭幹線鉄塔No.7発―10:59 羽黒山登山口―11:08 木の祠―11:11 羽黒山〜11:14 発―11:24 鞍部―11:53 扉山〜12:00 発―12:24 林道終点―12:42 黒崎白土工業―12:55 五頭幹線鉄塔No.7=(往路を戻る)=14:45 新潟着

 扉山は、二王子岳から西南に延びる尾根が、加治川に落ち込む所にある山である。低山ながら、ピラミッド型の独立峰で、山頂にマイクロウェーブの反射板が置かれて、周囲から良く目立つ山である。新発田の町を抜けて、飯豊の入口の東赤谷に向かうとき、まず一番に迎えてくれるのが、加治川左岸の臼ヶ森山と右岸の扉山である。羽黒山は、扉山から北西に延びる尾根上に羽黒山があり、このピークまでは登山道が通じている。
 体調を崩して一週間入院してしまい、計画を進めていた年末の宮之浦岳も中止になった。体調を整えるために、あまり時間のかからない所から登山を再開する必要があった。今年は、湯の平温泉や蒜場山をめざして東赤谷に何度も足を運んだが、その際に気になったのが、臼ヶ森山の登山口の標識と、ピラミッド型をして良く目立つ扉山であった。扉山の山頂には、マイクロウェーブの反射板が置かれており、建設にあたってはヘリを利用したとしても、保守のための道がある可能性が高かった。地図を眺めてあれこれ考えると、扉山から北西に延びる尾根が登り易そうに思えた。
 御用納も済んで、町もつかの間の静けさを取り戻したかのようであった。今年は暖冬のせいか、低山には雪は全く無く、二王子岳や飯豊連峰も白黒斑の状態であった。まず、扉山の登山口の第一候補として、飯豊川第二発電所に向かった。発電所の敷地をのぞいて見たが、道らしきものは無かった。内の倉湖方向に進むと、「泉の里」という分譲地があり、遊歩道でもあるかと期待してのぞいてみたが、崖が頭上に迫っており、それらしいものはなかった。その先に山に向かう林道があり、その終点からひと登りすると、山の中腹を水平に走る幅広い道に出た。これは、地図に水色の波線で現されている発電所への導水路のようで、左右に歩いてみたが、登山道は見あたらなかった。やはり、扉山から北西に延びる尾根の末端部分を捜すべきかと、送電線の鉄塔(五頭幹線No.7)前に車を回した。小戸岩谷○塚(一字不明)と書かれた標識から杉林の中に入り、小さな沢沿いに奥へ進むと、羽黒山登山口と書かれた標柱が立てられていた。とにかくどこかに登ることができそうなため、登山道具をとりに車に戻ることにした。良く見ると、杉林の中に、道が付けられており、それをたどると、鉄塔脇の田圃に出た。
 一時間近くさまよったが、とにかく登山の開始になった。送電線の鉄塔脇の田圃の脇を奥に進むと、壊れかかった丸太橋があり、杉林の中へ入る道がある。再び、小さな沢にかかる丸太橋を渡り、左折して上流に向かうと、羽黒山登山口と書かれた木の標柱があり、登山道が始まる。雑木林の中にはっきりした道が続いており、結構急斜面の登りであった。稜線上に出ると、屋根はトタンの木製の小さな祠があらわれ、その先わずかで、小ピークの上に出た。杉の木立の下に小さな祠が置かれ、地図には名前は印されていないが、おそらくここが羽黒山のようであった。二王子岳方面の眺めは、木に妨げられていたが、加治川をはさんで、あまり馴染みのない、東側からの五頭連峰の眺めが広がっていた。稜線の向こうには、まだ高く、扉山の山頂が頭をのぞかせていた。登山口に、扉山という名前が書かれていなかったことに、少々不安を抱いていたが、やはりというべきか、登山道は羽黒山の山頂で終わっていた。道が無いのは残念であったが、山頂もそれほど遠くはないので、尾根をたどってみることにした。迷う心配の無いほどほどのやせ尾根で、北側は、一段下がった所で緩やかな斜面になっていた。おおむね稜線上をたどることができたが、木立が邪魔したり、岩場の個所は、北側の斜面に逃げることができた。木の間隔はあいており、ヤブ漕ぎとしては、比較的楽であった。一旦、短いが急な斜面を下ると、左右に沢状の地形が落ちていく鞍部に出た。ここからは、扉山の山頂に向かっての急斜面の登りになった。葉の落ちた雑木林の中に、緑の葉のシャクナゲが目立った。良く見ると踏み跡がかすかにあり、地境用のものか、木の標柱が稜線に沿って埋められていた。傾斜が緩くなってやれやれと思ったが、めざす山頂は、もう少し先であった。アンテナを目前にして、濃くなったヤブを突破し、山頂広場に飛び出すと、左手から道が上がってきていた。二つのアンテナの下からは、二王子方面、飯豊連峰、五頭連峰の眺めを楽しむことができた。東南に向かう稜線には道は無かった。地図を出して、登ってきている道がどこに続くのか、推測することにした。北側の沢の途中まで、波線が通じており、方向からして、ここに通じるようであった。来た道を戻るべきか迷ったが、ヤブ漕ぎがいやだというよりは、どこに通じるのかという好奇心から、この道を下ることにした。雑木林の中に5メートル程の幅の立派な道が続いていた。はじめは緩やかであったが、そのうち急な下りになった。杉林の中に下りたつと、とたんに道が判りにくくなった。再び緊張気味になって、下っていくと、木の枝に黄色のテープが掛けられるようになった。小さな沢に沿って下っていくと、沢につきあたり、丸太橋を渡ったところで、明瞭な道に飛び出した。左手に下ったすぐ先が、林道の終点部であった。ここまで自動車で入れるようであったが、このコースを扉山へ登るには、杉林の中に道をたどるのが難しそうであった。林道を下っていくと、中森採石場が左手に現れ、黒崎白土工業の工場の脇を通りぬけると小戸の集落に出た。加治川沿いに車道を歩き、扉山を眺めながら車に戻ることができた。小さいながら、知られていない山に登れたことと、山登りを再開できたことに満足して家に帰ることにした。

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