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大蔵岳、菅名岳

1997年5月11日 日帰り 単独行 晴

大蔵岳 おおくらだけ(864.3m) 三等三角形
三五郎山  さんごろうやま(910m)
菅名岳 すがなだけ(909.2m) 二等三角点
  菅名山塊(新潟県) 5万 新津、津川 2.5万 村松、馬下

ガイド:新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)、山と渓谷93年4月号p.253

5月11日(日) 6:20 新潟発=(盤越自動車道、安田IC、R.49、馬下、R.290 経由)=7:15 大蔵岳駐車場〜7:45 発―7:59 林道終点―8:16 3合目―8:25 4合目―9:10 大蔵岳〜9:15 発―9:31 三五郎山―10:06 菅名岳〜10:30 発―10:56 7号ベンチ―11:08 椿平―11:18 沢の丸木橋―11:26 どっぱら清水入口―11:30 どっぱら清水〜11:35 発―11:39 どっぱら清水入口―11:55 三五郎林道終点―12:11 三五郎橋(林道分岐)―12:17 大蔵岳駐車場=(R.290、馬下保養センター入浴、馬下、R.49 経由)=14:20 新潟

 菅名山塊は、蒲原平野の東端に阿賀野川と早出川に挟まれ、五頭山塊と川内山塊の中間に位置する山塊である。北より鳴沢峰、菅名岳、910ピーク(三五郎山)、大蔵岳と頂稜を連ねている。美しいブナ林、酒の仕込み水として有名になったどっぱら清水など、手頃に自然と親しむことのできる山である。菅名山塊には、多くの登山道が整備され、周遊コースをとることもでき、下越地区における人気の山のひとつになっている。
 菅名岳には、登山を始めた91年に登ったものの、大蔵岳には登っておらず、今年の冬に不動堂山等を登る際に付近を通って、大蔵岳登山口の標識を見るにつれ、気にかかっていた。馬下から村松に向かうR.290から、いずみの里と大蔵岳の標識により、未舗装の林道に進むと、15台程はとめることのできる大蔵岳登山口の駐車場に出た。林道は、駐車場の上で鎖が掛けられて進入禁止になっていた。立派な登山案内板があり、それを見ると、大蔵岳には沢コースと階段コース、菅名岳には丸山尾根コース、五葉コース、保養センターコース、咲花コース、さらに縦走コース、大蔵岳登山口から丸山尾根へは尾根下部のコースとどっぱら清水コースの二種類といった、多くのコースが開かれているのが分かった。しかし、それらのコースのどれも2.5万分の一地形図には記載されていないのは不思議である。迷子にならないように、手帳に歩くコースの略図をメモした。駐車場の奥の登山届けボックスの脇から、ヤマゼリなのか、真っ白な花に埋めつくされた沢を渡ると植林地の中の急な登りになったが、すぐに林道に飛び出した。ここで、林道を沢の上流に向かって歩いてしまったが、階段コースの入口は、登り付いた付近にあったようである。林道の終点からは、登山道に入ると、ここもさらに沢コースと尾根コースの二通りに分かれた。尾根コースに入ると、杉の植林地の中の急な登りが始まった。所々草がかぶり気味になっており、比較的歩かれていないコースのようであった。コース上には、合目標識が立てられていたが、3合目は、ブナの大木が並ぶ気持ちの良い休憩場で、左手から沢コースと思われる登山道が上がってきていた。さらに、急な登りが続いた。4合目で、左手から登山道が合わさり、これは階段コースから尾根沿いに登ってきたもののようであった。急登を少し続けると傾斜も緩くなって、尾根歩きになった。周囲は大木も混じる美しいブナ林で、新緑の盛りであった。この日の山行のハイライトは、このブナの新緑といってもよかった。標高を上げていくと、ブナの木も細くなって密集した潅木風になっていった。登り付いた大蔵岳の頂上は、小広場になって、周囲の展望が開けていた。白山の残雪は、山頂付近に僅かであったが、粟ヶ岳はまだ豊富な残雪をまとっていた。奥には、一段高く、三五郎山から菅名岳に至る頂稜が横たわっていた。晴れてはいたが、遠くは春霞で見えなかった。一組の夫婦連れが休んでいるだけの静かな山頂であった。山頂から少し進んだところの窪地に、大蔵岳の小さな避難小屋があった。縦走路は、遠くからみたよりも小さなアップダウンがあった。最高点の三五郎山は、910mという標識と、行政区界のための標石があるだけで、潅木に囲まれて、縦走の通過点といった感じであった。賑やかな声が近づいてきたと思ったら、菅名岳に到着した。山頂広場は、50名程の登山者のビニールシートで埋め尽くされていた。また、山頂標識の下には、花壇のつもりかスイセンが植えられているのが興醒めであった。休憩場所を少々誤ったと思いながら、山頂の片隅に腰を下ろして、会津方向の山々を眺めながらひと休みした。
 丸山尾根の下りは、急斜面で始まった。多くの登山者が、登ってきていたが、この最後の急登に苦労していた。丸山尾根の周辺にもブナ林が広がっていたが、大蔵尾根の方が見事のように感じた。ブナ林の林床の椿が広がった椿平から尾根を離れた。急斜面の下りであったが、角柱を埋めた段々で良く整備された道になっていた。降り立った沢は、水量も豊富で、口をつけると冷たく美味しい水であった。沢の流れを眺めながら、木の橋で沢を何度も横断しながら下っていくと、どっぱら清水の下に出た。急斜面をひと登りすると、大きな石のしたからいきおいよく水が湧き出て、瀬音も高く流れ下っていっていた。水を汲み、傍らのベンチに腰を下ろした。沢沿いにさらに下っていくと、堰堤の脇に出て、丸山尾根の下の分岐からの道が下ってきた。山菜採りの姿を眺めながら歩いていくと、林道に飛び出した。林道を歩いて駐車場に戻ると、駐車場からあふれた車の路上駐車の列が長く続いていた。この日も、帰りに馬下保養センターで入浴した。次の機会には、保養センターコースに登ることにしよう。

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