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守門岳・大岳

1997年4月20日 日帰り 3名グループ 晴

守門岳・大岳 すもんだけ・おおだけ(1432m) 三等三角点 守門岳(新潟県) 5万 守門岳 2.5万 穴沢、守門岳

ガイド;アルペンガイド「上信越の山」(山と渓谷社)、新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)、山と高原地図「越後三山・巻機山・守門岳」(昭文社)

4月20日(日) 6:15 新潟発=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.8、R.351、栃尾、R.290、貫木、二分 経由)=8:00 大平〜8:40 発―8:53 山道横断点―9:16 林道(二分―栃堀)―9:27 長峰―10:02 保久礼小屋―10:37 きびたき小屋〜10:52 発―11:50 大岳〜12:55 発―13:13 きびたき小屋―13:28 保久礼小屋〜13:35 発―13:59 林道(二分―栃堀)―14:13 山道横断点―14:26 大平=(寿和温泉入浴後、往路を戻る)=18:00 新潟着

 守門岳は、新潟県の中越の会津との国境近く、浅草岳と隣り合う独立峰である。裾野を大きく広げたコニーデ型火山で、大岳(前守門)、青雲岳(中守門)、主峰の袴岳(奥守門)と頂稜を連ねている。この山は200名山に挙げられているが、山スキーの古典ルートとして知られている。深田久弥も日本百名山の先駆的著作というべき「わが愛する山々」で、道院ヒュッテから大岳への山スキーの紀行文を情熱を込めて書いている。
 92年5月23日に、守門岳の青雲岳と袴岳には、二口登山口から登ったが、大岳は登り残していた。今回、大山さんの誘いを良い機会に、一人では登ることの不安な残雪期に、大岳を目指すことにした。新楠トンネルを通ると長岡から栃尾の町は近く、新潟から2時間もかからず守門岳の登山口の二分に到着した。待ち合わせ場所の確認のために周囲を偵察することとして、分岐を右折して、二口登山口、長峰登山口を経て栃堀に向かう林道に入ると、少し奥に入り込んだ所で、除雪区間は終わって雪の壁ができていた。戻って分岐を直進すると、台地の上に出て、一面の雪原の広がる大平に到着した。道路の終点付近には、路上駐車の列ができていた。車を停めて様子をうかがうと、何組かの登山者が出発していった。待ち合わせ場所も大丈夫だろうと思って朝食をとって登山の準備をしていると、大山さんと長岡の岩橋さんが到着した。快晴となり、純白の雪原がまぶしく、サングラスが必要になった。大山さんはミニスキー、岩橋さんはテレマークスキー、そして私は坪足と、それぞればらばらな足回りになった。車道終点のカマボコ型の建物の脇から登山道に入ると、すぐに沢沿いの残雪歩きになった。雪解けが進んでおり、ところどころ薮が出ていたが、古い林道あとのような山道を横断すると、尾根に挟まれた谷合いの快適な残雪歩きになり、岩橋さんはテレマークスキーを装着しての歩きになった。右手の杉の植林された尾根に上がって登り続けていくと、林道に飛び出した。林道の残雪は厚く、自然の雪解けを待っていると、通行可能になるのはかなり先になりそうであった。林道をしばらく登っていくと、保久礼への入口の長峰に到着した。広い尾根を登っていくと、正面に大岳から青雲にかけての白い頂が高くそびえていた。尾根道から一旦下った所のブナ林の中に保久礼小屋がたたずんでいた。この先は、急な登りになった。次の目標のきびたき小屋は、保久礼小屋よりもこじんまりとし、斜面の途中に建っていた。小屋の脇の雪の斜面に腰を下ろして休んでいると、山スキーヤーが、ブナ林の中を上手にターンしながら目の前を下っていき、歩いて下る自分がまぬけに思えてきた。続いて別なスキーヤーが転びながら下ってきて、やはり歩いて下りた方が安全かなと思った。ブナ林の中の急斜面を登りつめ、潅木帯を通り抜けると、広い尾根の一端の不動平に出て、そこからはスキーゲレンデといった感じの大雪原が山頂まで広がっていた。最後の登りは、山頂が巨大な球形をしているため、登るにつれて山頂も遠のき、苦しいあと一息がしばらく続いた。傾斜がしだいに緩やかになり、ようやく平らになって、大岳の山頂に到着した。  山頂に憩う人々は、ボーダーの一群、小学生を含んだファミリー登山、中高年登山グループ、テントを張って山頂付近でのスキー滑走を楽しむグループ、山スキーの単独行など、様々であった。山頂の東側の雪原の縁には亀裂も走って、火口壁を覗き込むのもおそるおそるになった。青雲岳から袴岳は残雪に覆われ、雪庇が大きく張り出していた。昨日白山から眺めた粟ヶ岳が、逆方向からの姿を見せ、川内山塊の山々が春霞の中に広がっていた。雪原に腰を下ろし、大山氏が持ち上げてくれたビールで、快晴の春山に乾杯した。下りは、スキー滑走の足手まといにならないように、他の二人よりも早めに下山することにした。両手のストックをたよりに、登山靴が滑るにまかせながら雪の斜面を駆け下りると、登りに苦労した道もあっけなく通り過ぎ、保久礼小屋に到着したが、とばしすぎたためか、長峰への登り返しは、僅かな割には辛く感じた。林道に出る手前で、左手の杉の植林帯の尾根に、赤テープが付けられた踏み跡が分かれており、近道と思ってこの踏み跡をたどると、やはり大平からの登り口近くの林道に下り立った。残雪の下に水音の高く聞こえる谷間を下って大平に戻ると、車もかなり少なくなっていた。着替えをすまして二人を待つと、ほぼ同じくらいのコースタイムで下山してきた。会心の山の締めくくりには、入広瀬に回って寿和温泉の露天風呂に入浴した。快晴の春山は、楽しい思い出とともに、顔や腕に日焼けを残し、早くも湯がヒリヒリと熱く感じ始めていた。

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