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不動堂山

1997年1月15日 日帰り 単独行 晴

不動堂山 ふどうどうやま(557.4m) 二等三角点 菅名山塊(新潟)5万 新津 2.5万 村松

ガイド:峡彩ランタン会LATERNE 第3巻P.328-329、峡彩ランタン会LATERNE 第4巻P.314-317

1月15日(水) 7:15 新潟発=(R.49、亀田、R.403、新津、五泉、村松、不動堂 経由)=8:12 福田石材店入口〜8:45 発―8:55 車道終点駐車場―9:16 林道終点一本杉〜9:23 発―9:42 四合目見晴台―10:08 7.5合目曲がり松〜10:15 発―10:26 不動堂山〜10:50 発―11:00 7.5合目曲がり松―11:11 四合目見晴台―11:25 林道終点一本杉―11:44 車道終点駐車場―11:58 福田石材店入口=(村松さくらんど温泉入浴後、往路を戻る)=13:55 新潟着

 不動堂山は、菅名山塊の南端にあり、主峰よりは一段低いものの、早出川のほとりに三角形の均整のとれた姿を見せる山である。不動堂山への登山道は、五泉の井上光男氏が個人的に開いたものであるという。この山の名前を始めて知ったのは、山頂からの展望からでも、地図を眺めてのことでも無く、村松さくらんど温泉の露天風呂の天井付近に掲示してある菅名山塊のパノラマ写真からであった。タオルで股間を隠しながらの山岳展望で、低いながらも良く目立つ山があり、これが不動堂山であることを知った。
 今年の新潟の雪は少な目といったところで、500m級の山なら、なんとか登れるかなと思って不動堂山をめざした。村松から早出川ダムへの道に入り、途中から馬下へ向かう県道に入った。不動堂橋で早出川を渡ったところで、山に向かって不動堂の集落内に入った。山の斜面の下に福田石材店入口という看板があり、周囲を偵察すると、その先は石材店の施設構内で、立ち入り禁止という看板もあり、ここから歩くことにした。石材店の長い工場の建物の左脇を通って奥に進むと、不動堂沢にそったトラック道が現れた。穏やかな陽気で、沢は、雪解け水を集めて、春の小川のように音を立てて流れていた。広い道をしばらく歩くと採石場に出て、そのまま直進すると、すぐ先で、この先は車の進入禁止の看板が現れた。車が一台止まっており、どうやら登山口は誤っていないようであり、また先行者がいることにひと安心した。駐車場の先には、大山祇大神の石碑があった。少し荒れ気味の林道を積雪が覆うようになり、雪の消えている轍の部分をたどりながら先に進んだ。雪の上の足跡から、先行者は二人連れ。靴が小さいなと思ったら、中年女性の二人連れに追いついた。この二人も不動堂山に登ることを確認してから、先に行かせてもらった。林道が左に曲がり沢に突き当たったところで終点になり、ここには大きな杉の木が立っていた。左手の尾根を登るようであったが、取り付きは急斜面であった。杉の木には、「自分のゴミを持ち帰ろう」と書かれた丸い金属製標識が付けられていたが、登山口とでも書いてあった方が助かるのにと思った。雪も深くなりそうなので、スパッツを付けようとしたら、車に忘れてきてしまっていた。今日は、歩き始めからスパッツが必要だろうと思って、ザックから出しておいたのが失敗だった。
 足元の不安定な急斜面を僅かに登ると、雑木林の中の尾根の一本調子の登りになった。明瞭な夏道が付けられているようで、登山道上に木の枝が倒れかかっているようなこともなかった。登るに連れて、膝までもぐる本格的な雪になったが、2本もってきたストックを頼りに、快調に標高を上げていった。ガイド文にもあった四合目の見晴台に出て、一息ついた。斜面は急になったが、登山靴を斜めに雪面に蹴り入れることができて、比較的歩き易かった。息は上がって、大汗をかいてしまっていたが、歩き続けることはできた。次の目標地点の7.5合目の標識は、幹の曲がった松にとり付けられており、その先で稜線上に出た。稜線に出ると、急に雪が深くなり、一歩一歩もがく状態になった。今回の山行目標の一つに、昨年末に新しく購入したスノーシューを試してみることがあった。スノーシューを履いても、50cmくらいは沈み込み、スノーシューのトップを雪に突きささないように、足の運びに注意する必要があった。山頂までは緩やかな登りであり、こういった斜面は、スノーシューの歩きに適しているようであったが、急斜面や木の枝をまたぐような歩きには適していないようであった。スノーシューの助けもあって、雪道を楽しみながら不動堂山の山頂に到着することができた。山頂標識が木に付けられており、その先には、谷越しに、菅名山塊の大きな眺めが広がっていた。その左手には蒲原平野が広がり、振り返ると、白山が白く雪をまとい、川内山群の山々が連なっていた。素晴らしい展望の山頂であった。一般のハイキングガイドに取り上げられていないのが、もったいないような、それとも、とっておきの山として一般に知られない方が良いのだろうか。三角点は、雪の下なのか見あたらなかったが、山頂の雪をきれいなままにしておきたく、掘り返すことはしなかった。下から二人連れの女性の声が近づいてきたのと入れ違いに、下山に移ることにした。賑やかな声を立てながら登ってくると思ったら、つぼ足で、一歩づつ腰ほどまでうまりながら登ってきていた。やはり、スノーシューの効果はあるようであった。スノーシューで7.5合目まで歩き、その先の急斜面の下りからは、つぼ足になった。柔らかい雪は足元を確認する必要も無く、転げ落ちるかのように、雪をけちらしながら下った。途中で、男性3人組とすれ違い、この山にはそこそこに入山者がいることを知った。林道終点への下り口の急斜面は、泥の斜面にステップが切ってあり、歩きやすくなっていた。地元の人が、整備に入ったようであった。短いといってもよい時間で登れた山であったが、大きな達成感の得られた山であった。体も冷えてきて、温泉のぬくもりが恋しくなって、登山口近くの村松さくらんど温泉(700円)に向かった。大きな駐車場がほぼ埋まるほどの客が集まっていたが、浴槽自体は空いていた。露天風呂の脇にたって、不動堂山の山頂を振り返った。

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