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赤城山・荒山

1996年12月22日 日帰り 単独行 晴

赤城山・荒山 (1572m) 三等三角点
赤城山・鍋割山 (1332m) 二等三角点 赤城山(群馬) 5万 沼田 2.5万 赤城山

ガイド:アルペンガイド「奥日光・足尾・那須」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「群馬県の山」(山と渓谷社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)

12月22日(日) 5:20 新潟発=(関越道、赤城IC、R.353、赤城道路 経由)=9:20 箕輪森林公園入口〜9:25 発―9:57 荒山高原―10:19 箕輪分岐―10:38 荒山〜10:50 発―11:03 上の避難小屋―11:26 下の避難小屋―11:36 荒山高原―12:08 鍋割山〜12:20 発―12:48 荒山高原―13:13 箕輪森林公園入口=(敷島温泉入浴800円後、往路を戻る)=17:45 新潟着

 関東平野の北に裾野を大きく広げた赤城山は、典型的な二重式火山で、中央火口の地蔵岳、外輪山に最高峰の黒檜山をはじめ長七郎山、鈴ヶ岳、さらに寄生火山の荒山や鍋割山などのピークからなっている。赤城山に向かって元有料道路の赤城道路を登っていくと、頭上に被さるかのようにそびえる山が、鍋割山である。荒山から鍋割山にかけての稜線は、ツツジの名所としても知られている。
 土曜日は、忘年会の翌日で、山には出かけられなかった。日曜の早朝、高速にのってしばらく走ると、三条付近から路面が凍結しはじめ、立て続けに二台の車が中央分離帯にぶつかって大破しているのに出合わした。自主的な50kmの速度規制で走っていくと、越後川口付近は信濃川からのぼる川霧で見通しが利かなくなった。新潟県を脱出するまでにかなりの時間がかかってしまったが、ラジオのニュースによれば、高速道路はこの事故のために閉鎖になってしまったようであった。上越国境付近は、雪は少なかった。スキー場がまだ一部オープンのためか、景気が悪いせいなのか、スキー客による下り線の渋滞も無かった。前回の94年に赤城山の鈴ヶ岳に登りに来たときは赤城道路は、有料で920円もとられたが、今は無料になって、料金ゲートも跡形も無く撤去されていた。登山口となる箕輪森林公園入口には、大きな駐車場とトイレが設けてあった。冬にもかかわらず暖かい日で、駐車場には、登山者の物と思われる車も何台かとまっていた。山を見上げると、雪は全く無さそうであった。
 登山道は、葉の落ちつくした林の中の丸太の階段登りで始まった。階段は、歩幅が合わず、また土が流れでているため、丸太がハードル障害のように飛び出ていた。高く足を上げて丸太をまたぎながら登っていくと、たちまち息が切れて、駐車場はまだそこに見えるのに休みたくなった。展望広場の分岐にでたが、そちらはそのまま階段登りが続くので、荒山高原に向かうことにした。ようやく登山道らしい道になったと思ったのもつかのま、下から登ってきた遊歩道を歩くようになった。遊歩道は、幅3m程の幅で、両側は丸太で縁取りし、砂利がまかれていた。山の中に公園の散歩道のように整備する必要があるのであろうか。荒山高原付近は、首都圏自然歩道の「つつじの道」が通っているが、その整備の一環なのであろうか。これ以上「不自然歩道」を作らないように、ハイキング愛好者は声を大にする必要があろう。ようやく遊歩道が終わった時にはホットした。緩やかな道を山に向かって登っていくと、岩が転がる急な登りが始まったが、それも長くはなく、荒山高原に到着した。振り返ると、鈴ヶ岳がピラミッド型の頭をのぞかせていた。荒山に向かって、再び登りに汗を流した。周囲にはツツジの木が密生しており、花の盛りはさぞかし美しそうであった。九重山のツツジは、切れ目なく密生していたが、赤城山のツツジは一株ごとが分かれていた。気候によって、木の生長の勢いは異なるようであった。大きな岩が点在する中を登ると、新山の山頂に到着した。木におおわれていたが、山頂の縁にでると展望が開けた。多くのアンテナを頭にのせた地蔵岳から長七郎山が、目の前に大きく広がり、黒檜山はその陰に隠されていた。冬にしては暖かい日で、霞がかかっていたが、鈴ヶ岳の向こうには、武尊山、さらに至仏山や燧ヶ岳、谷川連峰から苗場山の白い山頂が空に浮かぶのを眺めることができた。山々の山頂部は白いものの、中腹より下は黒く見えて、例年よりも雪は少なそうであった。下りは避難小屋に向かった。ツツジの茂る尾根道を下っていくと、自然歩道との交差点に出た。ガイドブックや標識には避難小屋と書いてあったが、壁は三面しかなく、屋根とベンチがあるだけのあずまやであった。山腹をゆるやかに巻きながら下っていくと、下の避難小屋に出て、そこから僅かな登りで、荒山高原に戻ることができた。登山者も多く出合うようになり、荒山高原の草原では、忘年山行なのか、座を囲んだグループが賑やかに騒いでいた。
 鍋割山に向かっての急な登りに、再びとりかかった。霜柱の道は解けはじめ、黒土のぬかるみに変わっていた。ひと登りすると、左右の展望の広がった気持ちの良い尾根道になった。振り返ると、荒山は高く、大きく広がっていた。めざす鍋割山の山頂は、いくつかの小ピークを越した先であった。鍋割山の山頂は、裾野から一気に立ち上がっているが、そのためか下のサーキット場の車の騒音が山の上まで聞こえてきた。晴れていたならば、素晴らしい展望が期待できそうであったが、残念ながら霞の中であった。ぬかるんだ道を注意しながら下って、賑やかな荒山高原をあとにすると、北斜面の土の表面は凍ったままで、かえって歩きやすかった。
 帰りの温泉としては、赤城ICの下の敷島温泉をめざした。看板をたどっていき、ヘルシーパル赤城に入浴した。800円と少し高かったが、新設ホテルの浴槽は気持ち良かった。ただ、日帰り入浴が11:00-15:00と制限されているのが難であった。また、温泉ガイドを読みかえしたら、赤城の湯ふれあいの家というのがすぐ並びにあり、こちらは300円でさらに安いようで、ちょっとがっかりした。

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