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本田山

1996年10月13日 日帰り 単独行 晴

本田山 ほんだやま(125m) 五頭山塊周辺(新潟) 5万 新発田 2.5万 大王

ガイド:新潟のハイキング(新潟日報事業社)、ふるさとの散歩道(新潟県観光協会)

10月13日(日) 9:10 新潟発=(R.7、競馬場IC、豊栄、月岡温泉経由) 10:05 坊住堤〜10:36 発=10:51 月岡稲荷入口―11:12 山頂下広場―11:30 月岡稲荷入口=(月岡温泉共同浴場「美人の泉」で入浴後往路を戻る)=13:10 新潟着

「本田山は、昔から景勝豊かな町民の憩いの場としてしられ、家族連れでも気軽に登ることができ、見晴らしが良く、眼下には月岡の温泉街、ゴルフ場、また県下でも有数の米どころ蒲原平野、さらに天気の良い日には佐渡まで一望できる」と紹介されている。そこで、1996年3月9日に登ろうとしたが、道路工事と残雪で途中断念になった山である。
 晴天が広がっていたので、今年の宿題になった山をひとつかたずけておくことにした。前回登山を試みた坊住堤から歩き出してみた。ゴルフ場の下を横切るトンネルから、山の間の窪地に広がる中峰自然環境保全地域までは踏み跡はあった。木道の敷かれた小さな湿原が、誰も知らないような秘密めいた場所に広がっていた。しかし、その先の道は、笹薮に消えていた。
 月岡温泉手前からは、前回は通行止めになっていた道路が完成して、立派なバイパスができていた。「新潟のハイキング」に紹介されている登山口を探したが、みつからなかった。月岡稲荷への入口から山に向かっていく車道があり、この道を登ってみることにした。車道に入口には、私有地につき、稲荷神社への参拝客以外は立ち入り禁止と掲示がしてあった。車道は草の生えた広場で終わっていたが、その手前に、すぐ上の山頂に向かって踏み跡がついているのを見つけた。この踏み跡を登ると、すぐに頭を越す笹に覆われてしまった。足の感触だけで判るかすかな踏み跡はあるが、完全な薮漕ぎになってしまった。笹の中で、他からの踏み跡も合わさり、帰りの道が心配になった。見通しの利かない笹薮の中に、なぜか木の枝に残された赤テープも現れた。わざわざ薮漕ぎをしてまで、この山に登った者がいたようである。笹をかき分けていくと、ススキの広場に出て、その向こうから舗装道路が上がってきていた。道路を少し下ってみると、その先はゴルフ場であった。笹薮に戻って山頂標識らしきものはないか探したが、赤テープが見つかっただけで、結局山頂は不明であった。歩き回ると、戻る道を見失う心配があったので、引き返すことにした。笹薮の中の踏み跡は、途中で直角に曲がる所もあって、トレースが難しかった。車に戻ったら、衣類は笹の露でずぶぬれになり、手はすりきずだらけになっていた。遊歩道なんてとんでもない、ハイキングどころか薮漕ぎ練習に良い山であった。丸一日歩いた気分になった。
 その脇にあった月岡温泉共同浴場「美人の泉」に500円で入浴し、人心地を取り戻した。少し戻ったところに広めの路側帯があったので、道の上に登ってみると、そこに、ガイドブックで登山口と書かれていた大宮沢堰があった。三段に分かれた堰に沿って歩いていくと、終点は鎖のかかったゲートになって、その先はゴルフ場であった。少し手前から本田山に向かう登山道が分かれるはずであったが、痕跡のみで、深い笹に覆われていた。これで、本田山の遊歩道は、ゴルフ場の開設によって廃止になったことが確かめられた。たった124mの山にこんなにてこずるなんて。

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