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神室岳

1996年10月12日 前夜発日帰り 単独行 霧及び晴

山形神室 やまがたかむろ(1344m) 三等三角点 二口山塊(山形)
神室岳(仙台神室) かむろだけ(せんだいかむろ)(1353m) 二口山塊(宮城) 5万 山形 2.5万 笹谷峠、山寺

ガイド;アルペンガイド「東北の山」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「宮城県の山」(山と渓谷社)、山形百山(無明社)、宮城の名山(河北新報社)、東北百名山(山と渓谷社)、山と高原地図「蔵王・面白山・船形山」(昭文社)

10月11日(金) 20:00 新潟発=(R.7、R.113、赤湯、R.13、山形、R.286 経由)=23:30 笹谷峠着  (車中泊)
10月12日(土) 6:35 笹谷峠発―7:20 ハマグリ山―7:43 トンガリ山―8:06 山形神室―8:12 三叉路―8:29 だんご平―8:51 仙台神室〜9:00 発―9:26 だんご平―9:41 三叉路―9:46 仙台神室―10:05 トンガリ山―10:20 ハマグリ山―10:51 笹谷峠=(往路を戻る、関川村上関共同浴場入浴(100円))=17:10 新潟着

 蔵王連峰と船形連峰の間に、二口山塊は位置する。この二口山塊において、太東岳に次ぐ標高を持つのが、神室岳である。山形と仙台を結ぶ笹谷峠の北に、県境を挟んで、山形神室と仙台神室の両山が向かい合っている。山形神室はなだらかな山容を持つのに対し、仙台神室は、肩をいからせた厳つい姿をしている。
 紅葉の盛りということで、あれこれ考えていた山は他にもあった。しかし、天候は下りという予想がでて、歩行時間もそこそこの山ということで神室岳に登ることにした。9月14日にも神室という名前の山に登っているが、今回の山は、山形自動車道の笹谷トンネルで何度も通過してしまっている笹谷峠の上にそびえる山である。山形・宮城周辺には、この他にも禿(かむろ)岳というのもあってややこしい。
 笹谷峠に夜中に到着したが、峠付近は霧におおわれ、強風が吹きすさんでいた。峠の上には、送電線の太鉄塔が建てられ、闇の中にジッという不気味な音を響かせていた。峠から少し下りて、風当たりの弱い路肩に車を止めて、野宿した。翌朝、再び峠に戻ったが、風に霧が流れて寒く、出発の模様眺めになった。フリースのセーターにゴアの雨具をはおり、毛の帽子に手袋、初冬の服装での出発になった。風が強いためか、潅木もまばらで、笹原が広がっていた。緩い登りを続けていくと、ピークに向かって、急な登りも現れた。登り着いたピークの上には、グの一字のみが残された標識がたっており、穴埋め問題をして、どうやらここがハマグリ山だろうと見当を付けた。一旦斜面を下るて、高原状の歩きになった。霧のために周囲の様子は判らなかったが、道は良く踏まれて、迷う心配はなかった。再び、急斜面を登りつめると、トンガリ山に到着した。帰りには霧が晴れてこのピークを見ることができたが、確かにとんがったピークに見えた。しかし、その反対側には、ほぼ水平な稜線が続いていた。薄日もさすようになってきて、風も止んで暖かくなってきた。トンガリ山からは、それほど遠くなく、山形神室に到着した。霧の中では、山頂標識がなければ、わからずに通過してしまう、縦走路上のいちピークといった山頂であった。二口峠の道を分けて、仙台神室への道に踏み入ると、少し荒れ気味の道になった。笹が登山道上に倒れかかって、ズボンがあっというまに濡れてしまった。帰りが心配になるような、急降下が始まった。霧で先が見えないので、余計に不安が増した。笹原の広がるだんご平を過ぎると、木の枝をつかんで体を引き上げなければならない急登になった。周囲には、潅木帯が広がり、紅葉は盛りを過ぎて、茶色の葉に彩られていた。山頂に近づくにつれて、空が明るくなり、霧の上にでることができた。振り返ると、霧の上に、山形神室が頭を出し、東の空には、蔵王連峰の峰々が浮かんでいた。仙台神室は、山頂標識が立つだけのすっきりした山頂であった。霧は、だんご平付近の稜線を滝のように流れ落ちていた。山肌は、茶色に色づいて、しっとりした晩秋の風情を漂わせていた。仙台神室と向かい合うように、太東岳の台形の山頂も、霧の上に見え隠れしていた。帰りの、仙台神室からの下りは、紅葉の稜線めがけてのダイビングといった感じの、急降下になった。山形神室へ登り返した付近から、ようやく仙台神室のいかつい姿を眺めることができた。その先は、黒土の滑りやすい道に気をつければ、気軽に歩ける道であった。多くの登山者に出合うようになったが、中には軽装のものもいた。ハマグリ山付近から再び霧の中に戻り、笹谷峠に戻ると、冷たい霧が流れる状態になっていた。
 笹谷峠の反対に登れば、蔵王・雁戸山であったが、無理をしないで、時間も少し早いが山は終わりにした。帰りに、新潟県関川村の共同浴場に100円で入浴して、温泉の数をひとつ増やした。

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