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三国山、太源太山

1996年10月10日 日帰り 単独行 晴

三国山 みくにやま(1636m) 二等三角点
太源太山 だいげんたさん(1764m) 三等三角点 谷川連峰(新潟、群馬) 5万 四万 2.5万 三国峠

ガイド:分県登山ガイド「群馬県の山」(山と渓谷社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)、山と高原地図「谷川岳・苗場山・武尊山」(昭文社)

10月10日(木) 5:30 新潟発=(関越道、湯沢IC、R.17 経由)=8:05 三国トンネル〜8:10 発―8:20 三国権現御神水―8:37 三国峠―9:00 お花畑―9:20 三国山―9:30 巻き道分岐―10:34 川古分岐―10:46 太源太山〜11:15 発―11:25 川古分岐―12:24 巻き道分岐―12:36 お花畑―12:50 三国峠―13:04 三国権現御神水―13:12 三国トンネル=(苗場三俣街道の湯入浴後、往路を戻る)=16:10 新潟着

 三国山は、谷川連峰の西の端に位置する山である。名前は、上野、越後、信濃の国境に位置することに由来する。関東と越後を結ぶ三国街道の山越えの難所であった、三国峠はこの山の南の鞍部にある。
 谷川連峰に太源太山という名の山は、二つあって、ひとつは蓬峠と清水峠の間の七ツ小屋山から北に延びる尾根上にある上越のマッターホルンともいわれる山である。もうひとつは、谷川連峰の主脈が平標山からの南に折れ曲がり、三国山に至る途中にあるこの山である。
 今年の体育の日は、木曜日。先週末の尾瀬の疲れがとれておらず、この休みはいささか迷惑であった。しかし、紅葉の山を思えば、家にくすぶっているわけにはいかず、手頃な山を選んで出かけることにした。標高がそこそこに高くて紅葉が始まっており、人出もそれほど多くなさそうな山、ということで谷川連峰の西端の三国山から太源太山を歩くことにした。湯沢付近は、休日にもかかわらず、ゴーストタウンのように静まり返っており、三国トンネル入口の駐車場まで快調にドライブできた。駐車場には、他にも登山者のものと思われる車が何台もとめてあった。鉄製の橋をわたると登りが始まったが、道は広く、よく整備されていた。登山口付近の紅葉はまだであったが、見上げる稜線は、赤く染まっていた。清水を過ぎると、雑木林の中のつづれ折りの道になり、ひと汗かいた頃、三国峠に到着した。峠には、三国権現の神社があり、中は休憩所のようになっていた。笹に被われた半円形の山に向かって石の鳥居が立ち、周囲には、石の灯篭なども置かれていた。峠からは、上州方面の展望も開け、三国トンネルの群馬県側の入口も見下ろすことができた。
 峠からは、急な登りが始まった。遊歩道として整備したらしく、木の階段が設けられていたが、すでに崩壊しているところがあった。登るにつれて、背後に稲包山の展望が広がった。送電線の列が目障りであるが、以前に登った際に稲包山からの下山路にとった送電線の巡視路を目でおうことができた。苗場スキー場のビル群とスキーゲレンデがせっかくの山の雰囲気を損なっていた。山の高い所は雲に被われており、苗場山は隠されていた。傾斜がようやく緩むと、笹原の広がる台地に出た。ここがお花畑のようで、ベンチも設けられ、登山道の両脇には、立ち入り禁止のロープが張られていた。正面には、峠から見たのと同じくらいの高さのピークがそびえていた。再び急な登りを始めると、ガレ場の下部で、平標山への巻き道が現れた。ガレ場を登りつめると、三国山の山頂に到着したが、潅木に被われて見晴らしは良くなかった。道を少し戻って、平標山への縦走路に入ると、急な下りになった。稜線付近の潅木は紅葉の盛りで、笹原の緑と美しい模様を作っていた。少し先のピークに登り返すと、正面に紅葉に彩られた太源太山が横たわっており、その向こうに平標山から仙ノ倉山にかけての山腹も見えたが、それらの山頂は雲に隠されていた。紅葉の写真を撮りながら、カメラを首に下げたままの、稜線漫遊が始まった。小さなピークの登り下りがあったが、周囲の風景のおかげで苦にはならなかった。太源太山の山腹の樹林帯の中に入って、北に少し回り込むと、太源太山への分岐が現れた。林の中を登って、刈り払いされた笹原を進むと、太源太山の山頂に到着した。山頂は、平標山から東に進む主稜線と向かい会い、仙ノ倉山から谷に向かって落ち込む岩壁を正面に見ることができた。双眼鏡で稜線の東付近を眺めると、ロープウェイの山頂駅らしい建物を見つけることができた。川古方面に少し下ってみると、吾妻耶山や上州三峰山、さらに遠く赤城山などを眺めることができた。帰りは、再びピークの登り下りが待っており、結局、それなりの歩きでのある山になってしまった。縦走路を歩いている者では、太源太山を目的にする者は少ないようで、平標山ノ家泊まりの者が多いようであった。巻き道から三国山の下のガレ場に出ると、この一帯はさすがに多くのハイカーで賑わっていた。
 帰りに、苗場三俣の街道の湯(500円)に入浴した。木の香りも高く、露天風呂もあって、気持ちの良い風呂であったが、スキーのオフシーズンということで空いていた。

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