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麒麟山

1996年4月13日 日帰り 単独行 曇り

麒麟山 きりんざん(194m)  飯豊周辺(新潟) 5万 津川 2.5万 津川

ガイド:新潟のハイキング(新潟日報社)

4月13日(土) 8:40 新潟発=(R.49、津川経由)=10:10 麒麟山県営駐車場〜10:25 発―10:38 展望台―10:52 麒麟山山頂―(鞍部より引き返し)―11:05 麒麟山山頂―11:18 展望台分岐―11:30 麒麟山県営駐車場―11:40 峠―11:52 ピーク―12:05 峠―12:14 麒麟山県営駐車場=(津川温泉入浴後、往路を戻る)=15:20 新潟着

 麒麟山は、阿賀野川と常浪川の合流点にそびえる岩山である。山名は、岩峰の連なりが麒麟の姿に似ていることからとられている。新潟と会津を結ぶR.49線の津川手前からの、阿賀野川と麒麟山は、一幅の絵といっても良い眺めである。なお、この山の名にちなんだ清酒「麒麟山」も、新潟の地酒として有名である。
 天気予報で雪だるまマークがついて、冗談だろうと思っていたら、本当に雪になった。新潟の山間部では、30センチ程の積雪になったということで、新潟からの脱出は不可能になった。朝起きると、天気は回復したので、近くの低山ということで麒麟山に向かった。阿賀野川を遡って、近づいてきた菅名岳や五頭山は、新しく積もった雪で白く染まっていた。周囲の畑や路肩も、うっすらと雪に覆われていた。四月中旬の雪としては、40年ぶりということらしい。津川の町から麒麟山温泉に向かう城山トンネルの入口に大駐車場があり、そこに山の登山案内図があった。城の史跡の案内板を見ながら、常浪川沿いの泥だらけの林道を進むと、つづら折りの石段の道になった。尾根上に登り着くと、左手に展望台があった。阿賀野川の眺めが良く、白い雪をかぶった山々に赤く塗られた麒麟橋のアーチがアクセントを付けていた。展望台から戻って、赤い鳥居の金上稲荷の前を過ぎると、やせ尾根の急な登りになった。露岩の上に濡れ落ち葉が積もり、その上をうっすらと昨夜の雪がおおい、滑りやすい道になっていた。左右が切りおちたやせ尾根で、気を抜くことのができない道であった。以前に、麓の温泉に泊まった観光客が、酒を飲んでこの山に登り、転落死したという記事を読んだ覚えがあるが、ハイキングコースというには、いささかハードな道であった。気を引き締めて三点保持も、きちんと行いながら登っていくと、麒麟山の山頂に到着した。左右は川に向かって落ち込み、周囲の展望が開けていた。厚い雲が立ちこめていたが、御神楽山や、飯豊の眺めが期待できそうな山頂であった。山頂からは、下が見えない絶壁の下りになった。10メートル程鎖を頼りに下り、鎖を握りしめて露岩のトラバースを終えると、その先は岩が連なるやせ尾根の基部に出た。反対の斜面を覗いてみたが、そちらも絶壁で、岩を乗り越えながら進むか、岩の基部をトラバースして進み、5メートル程の壁を登るかのようであった。岩の表面は濡れており、スリップの危険性も高かった。この壁を登ったとしても、下りることはできそうにも無く、先の状態によっては進退窮まる可能性があることから、縦走を断念した。この部分は、岩登りの技術が必要であり、シーズンオフということで鎖かロープが外されていたのであろうか。今度は、垂直の鎖場を登り返したが、足元が滑りやすく、難しい鎖場であった。山頂からの下りも、残雪に足を滑らさないように、注意が必要であった。少なくとも、雪の降った翌日に登る山では無いとだけは言える。展望台手前で、3人連れの中高年ハイカーに出合った。縦走路の反対側から登りかけたが、縦走路は危険との掲示を見て引き返し、こちらから改めて登りだしたとのことであった。頂上から先の縦走路は、通ることができなかったと告げて、山を下った。駐車場まで戻り、縦走露の反対側がどのような状態になっているのか見にいくことにした。トンネルの右手の荒れた林道を登っていくと、残雪歩きになった。峠からは、尾根通しに登山道が分かれていた。登山道上は、落ち葉が積もり、あまり人が歩いていないような感じであった。こちらの登りも急で、露岩の上に濡れ落ち葉が積もって滑りやすくなっていた。東側で一番高いピークの上にたどりついて、その先の縦走路をうかがうと、岩の上に雪が積もって、それ以上進むのは危険な状態であった。縦走路の両入口には、危険という掲示があったが、雪のことを除いても、この縦走路は歩けない状態であった。きちんと整備すれば、スリリングな岩尾根を辿る面白い登山コースになるのに、残念なことである。低山ではあったが、二度も山に登ると、それなりに疲れて、温泉に入って帰ることにした。候補としては、いくつかの温泉が考えられたが、津川温泉に入浴(500円)した。

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