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秩父御岳山

1996年2月24日 日帰り 単独行 晴

秩父御岳山 ちちぶおんたけさん(1081m) 三等三角点 奥秩父(埼玉) 5万 三峰 2.5万 三峰

ガイド:アルペンガイド「奥多摩・奥秩父・大菩薩」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「埼玉県の山」(山と渓谷社)、関東百名山(山と渓谷社)、山と高原地図「奥秩父1」(昭文社)

2月24日(土) 6:47 新潟発=(上越新幹線、あさひ304)=8:15 熊谷=8:23 発=(秩父鉄道)=9:55 三峰口駅=10:25 発=(西武バス)=10:48 落合―10:53 登山道入口―11:37 ベンチ―12:04 わらび平―12:12 秩父御岳山山頂〜12:35 発―13:09 古池分岐―14:07 登山道口―14:20 三峰口駅=14:22 発=(秩父鉄道)=15:52 熊谷=16:16 発=(上越新幹線、とき411)=17:58 新潟着

新潟―熊谷 ウィークエンドフリー切符 15000円
熊谷―三峰口(秩父鉄道) 800円(片道)
三峰口―落合(西武バス) 320円(片道)

 秩父御岳山は、木曽御岳山と関係がある山である。250年前に木曽御岳山の登拝路を開いた普覚上人は、この山のふもとの落合で生まれ、木曽御岳山の後に秩父御岳山への道も開いたという。現在でも、表参道登山口の落合に、普覚神社として名が残されている。
 先週末の新潟は晴天で、新潟ではスノーハイクを楽しむことができたが、関東地方は低気圧が通過して雪になったようである。関東の山には、この週末になっても、雪がかなり残っているだろうと予想できた。熊谷駅で秩父線に乗り換えてホームに降りると、ハイカーがあふれているのに驚いた。中高年の団体で電車の座席は満員の盛況で、お菓子を配って歩く騒ぎは、小学校の遠足に似ていた。多くのハイカーは、途中の駅で少しづつ電車を降りていき、終点の三峰口駅に着いた時は、乗客は僅かになっていた。三峰口駅の前のバス停には、長い列が出来ており、行き先を確かめると、小鹿野行きの村営バスであった。小鹿野村は、両神山の登山口であるが、中には重装備の者もいるにはいるが、大部分はデイパックの軽装であった。どうやら、四阿屋山のフクジュソウ見物が目的のハイカーのようであった。通勤ラッシュ並みに込み合った村営バスの出発を見送り、静かになった駅前で西武バスを待った。バスは、途中で、三峰山ロープウェイの乗り場の大輪を通過したが、ロープウェイは2月中は点検のための運休ということであった。落合のバス停で下車し、進行方向に少し歩くと普覚神社があり、右手の車道を登っていくと、登山口があった。登山道は、簡易水道のパイプ沿いに、沢の堰堤を乗り越えていくもので、はじめはあまり面白くない道であった。登るに連れて本格的な残雪になり、20ー30cm程の深さになった。沢には、木の橋が整備されており、水量も多くないため、歩くのに不自由はなかった。同じ残雪歩きでも、新潟と関東では、かなり感じが違っていた。林の中にまで明るい太陽が差し込んで、風も心地よく、どこか春を感じさせてくれた。沢から離れて、注連縄のかかる杉林の中に入ると、つづら折りの辛い登りになった。尾根上のわらび平から山頂へは、わずかな距離ではあるが、やせ尾根の急な登りになった。残雪も深く、固定ロープが頼りであった。山頂は狭く、普覚神社の奥社でいっぱいであった。三峰口から登ってくる道に向かって、神社の前に鳥居が設けられ、石段になっていた。ガイドブックには、落合からの道が表参道であると書いてあるが、この神社は裏を向いているようであった。山頂からは、木に一部遮られているものの、素晴らしい眺めが広がっていた。とりわけ、神社の脇からは、両神山から西上州の山々の眺めが広がっていた。以前に両神山に登った時は、小雪混じりで展望は閉ざされ、山の形を把握することができなかったが、その時の登山コースを目で追うことができた。暖かい陽光に包まれながら、石段に腰掛けて昼食の休憩にした。他の登山者は、4組7名であった。残雪も思っていたよりも深く、下山コースをどのようにしようか迷っていたが、休憩中のグループが三峰口から登ってきたというので、そのトレースを頼りに下山することにした。下りはじめてすぐに強石へのコースを分けると、伐採地に出て見晴らしが良くなった。武甲山が秩父盆地の上にどうどうとそびえており、雪が採石の傷跡をおおい隠していた。山頂が不自然に削り落とされているのは、どうしようもなかったが。故郷という言葉に続くのは、山であり川である。秩父の人達は、どのような気持ちでこの武甲山を毎日見上げているのだろうか。武甲山の手前には、熊倉山が登頂意欲をそそるように三角形の姿を見せていた。伐採地の急な下りでは、雪が解けていたが、その下の土が緩んで滑りやすくなり、歩き難くなっていた。古池分岐から杉林の中に入ると、残雪によって登山道が完全に隠されており、トレースが頼りの歩きになった。杉林の中をトラバースするような所もあり、残雪のトレースがなければ、コースを見定めるのがかなり困難になったものと思われる。送電線の鉄塔に出ると、眼下に三峰口から秩父方面の町並みを見下ろすことができ、車や犬の鳴き声といった里の音が舞い上がってきた。雑木林の中を下ると車道に飛び出し、右手に進んで白石橋を渡ると駅はすぐそこであった。

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