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本仁田山、川苔山

1996年2月10日 日帰り 単独行 晴

本仁田山 ほにたやま(1225m) 三等三角点
川苔山 かわのりやま(1364m) 二等三角点 奥多摩(東京) 5万 五日市 2.5万 武蔵御岳、奥多摩湖

ガイド:アルペンガイド「奥多摩・奥秩父・大菩薩」(山と渓谷社)、「東京都の山」(山と渓谷社)、「東京周辺の山」(山と渓谷社)、「関東百名山」(山と渓谷社)、山と高原地図「奥多摩」(昭文社)、ヤマケイ登山地図帳「川苔・御岳・高尾」(山と渓谷社)

2月10日(土) 6:21 新潟発=(上越線 あさひ302)=8:10 大宮着=8:13 発=(埼京線)=8:21 武蔵浦和=8:29 発=(武蔵野線)=8:56 西国分寺=9:00 発=(中央線)=9:05 立川=9:15 発=(青梅線 ホリデー快速 )=10:18 奥多摩駅―10:55 安寺沢―11:26 大休場―12:08 鳩ノ巣分岐―12:11 本仁田山〜12:22 発―12:38 コブタカ山―12:48 大ダワ―13:29 舟井戸―13:45 東の肩―13:51 川苔山〜14:02 発―14:07 東の肩―14:19 舟井戸―14:25 大ダワ分岐―15:26 大根ノ山ノ神―15:45 棚沢集落―15:53 鳩ノ巣駅=16:10 発=(青梅線)=17:18 立川=(中央線)=17:26 西国分寺=17:28 発=(ホリデー快速鎌倉号)=17:56 大宮=18:34 発=(上越線 あさひ331)=20:20 新潟着

 本仁田山は、駅から直接歩き出すことのできる交通の便の良い山であるが、奥多摩駅からの標高差が大きいため、この山だけを目的にする者は少ないようである。北に連なる川苔山の方が人気が高く、この山からの下山の際に登られるようである。
 川苔山は、地形図には川乗山と書かれているが、この山の沢に川海苔が採れたことに由来する。この山には、沢登りにも適した沢が発達し、地形が変化に富んでいることから、奥多摩を代表する山になっている。
 先週末の新潟は、10年ぶりの大雪となり、自宅に停滞になった。この金曜も雪が激しく降り、夜行列車はダイヤが乱れそうであったため、計画を朝出発に変更した。立川発の電車の乗客は、ほとんどがハイカーであった。奥多摩駅から本仁田山の登山口までは、かなり高い所まで、車道の歩きが続いた。安寺沢には、民家があり、そこのワサビ田の脇に登山口の標識があった。民家の軒先をかすめるようにして山に取りかかると、植林地の中の急登が始まった。山の急斜面をジグザグに折り返しながらの辛い登りになり、伐採地に出て振り返ると、御前山が大きく広がっていた。晴天で風の強い寒い日にもかかわらず、汗が吹き出てきた。尾根上の大休場に出て、ひと息付いたのもつかの間、この先も急な尾根の登りが続いた。登り着いた本仁田山は、ベンチが設けられていたが、林に囲まれて展望は無かった。途中ですれ違った登山客が、鹿がいるといっていたが、林の斜面の下の方で、ゴソゴソいう音がしていた。川苔山へ向かう登山道は、雑木林の中の緩やかな道になり、鳩ノ巣駅への下山道が分岐するコブタカ山に到着した。木々の間から、谷の向こうに川苔山が大きく広がるのを眺めることができた。大ダワまでは、それまでの登りの苦労を無にするかのような、一気の下りになった。下る途中、川苔山の頂上へ急な尾根が登っていき、そこに登山道が通っているのが見えた。大ダワの分岐で、地図を見て考えこんだ。鋸尾根の他に、地図には無い舟井戸へのトラバース気味の道があり、こちらの方が良く踏まれているようであった。鋸尾根から下ってくる登山客が見え、時間もあまり余裕が無いため、短距離で済みそうな鋸尾根を登ることにした。再び急斜面の登りになり、ひとつピークを越すと、少し下って再び急斜面が始めるといったことを何回か繰り返した。家に返ってからガイドブックを読み直してみると、累積標高差1300m、大休場尾根の平均斜度20.4度とあり、途中で中だるみするといっても、北アルプスの合戦尾根級の登りであったようである。手軽に、いい運動になることは確かである。舟井戸で、鳩ノ巣からの道を合わせると、広い道に変わり、山頂は、左に回り込むようにして、あとわずかであった。川苔山の山頂からは、展望が大きく広がっていたが、午後になって富士山は雲に隠れていた。富士山を見物するには、夜行を利用して山に登らないとだめなようである。三ツドッケを中心とする都県境尾根が光線の具合で、特に良く見えた。風は冷たく、休んでいると体が冷えてきた。かなり遅い時間にもかかわらず、山頂には、他にも8名程のハイカーが休んでいた。舟井戸のコルまで戻り、鳩ノ巣へ向かった。少し下った所で、大ダワからの道が合流したが、この道は地図に載っていない。前からあるような道で、かなり踏まれた道であるようなのが不思議であった。山腹を巻くような緩やかな下りが長く続いた。下山中の他のハイカーにも多く出合うようになり、疲れた足どりの者も多かった。大根ノ山ノ神まで下りると、棚沢集落まではそれほど遠くはなく、最後は、民家の車庫の脇の車道に飛び出し、そこから鳩ノ巣駅は遠くなかった。新潟からの日帰り登山にしては、厳しいコースであり、時間の余裕もなかったが、歩き終えた時の満足感は充分であった。

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