9602

国上山

1996年1月6日 日帰り 単独行 晴

国上山 くがみやま(313m) 三等三角点 西蒲原丘陵(新潟) 5万 弥彦、三条 2.5万 弥彦、寺泊

ガイド:新潟ファミリー登山(新潟日報社)、新潟50山(新潟日報社)、越後の山旅上巻(富士波出版社)

1月6日(土)10:10 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線 経由)=11:16 国上寺駐車場〜11:24 発―11:39 あか谷見晴らし―11:49 国上山〜12:00 発―12:06 蛇崩(じゃくずれ)―12:17 発―12:21 山の神参道入口―12:37 麓登山口分岐―12:55 国上寺駐車場=(ふれあいパーク「てまりの湯」入浴後、往路を戻る)=15:00 新潟着

 国上山は、角田山から弥彦山に連なる丘陵の西端にあって、その西の麓には信濃川から日本海に向かって大河津分水が切り開かれている。国上山には、良寛ゆかりの国上寺(こくじょうじ)があり、史跡巡りの観光で訪れる人も多い。また、酒顛童子はこの国上寺の稚児であったという伝説も残っている。低山ながら展望に優れ、ハイキングコースも良く整備されている。
 新年最初の週末であるが、先日、群馬に出かけたばかりなので、遠出を避ける。WWWのホームページに新潟の山を載せる準備中であるが、国上山が抜けていた。10年以上前の早春に、国上寺を観光目的で訪れ、山頂まで登ったことがあった。林の中に咲くカタクリの花の美しさに魅了された覚えがある。今年の冬は、雪も多いようであるが、海岸部の低山なので、ハイキングが楽しめると思って出かけた。いつの間にか、新潟西バイパスの工事が進んでおり、内野まで行きやすくなっていた。弥彦を過ぎ、帰りに寄るつもりの「てまりの湯」を通り過ぎると、国上山の指示が現れ、山に上がって行く道になった。以前は無かったと思うが、立派な駐車場や土産物の売店が整備されていた。国上寺の右手に鳥居があり、そこから登山道が始まっていた。登山道は、擬木で階段状に整備されていた。登山道には、落ち葉がつもっていたが、雪解けによって、泥道になっていた。周囲は、雑木林で、冬の柔らかい日差しの中に、カンツバキの葉が緑に輝いていた。階段登りで、汗が吹き出てきた。ひと登りで、あか谷見晴らしに到着すると、弥彦山が目に飛び込んできた。ベンチもあり、ハイキングシーズンには、一服する人で賑わう所と思われる。緩やかに尾根を登っていくと、国上山の山頂に到着した。山頂は、広場になっており、雪で覆われていた。日本海方面の見晴らしが良く、青暗い海原が広がっていた。テルモスの湯とパンで昼食にしたあと、蛇崩に向かった。雪と泥で滑りやすい急斜面を下っていくと、小さなピークの蛇崩に出た。蛇崩は、層板状の凝灰岩が斜めに露出して、地表にうろこが生えたような変わった地形をしていた。ピークの上に立つと、弥彦山、多宝山、角田山が手前から奥に並び、右手に蒲原平野の水田地帯が広がるのを眺めることができた。内陸部の山々は雪雲で被われて見ることができなかったが、遠望の効く日なら、朝日連峰から飯豊連峰、二王子岳、五頭山、菅名岳、白山、粟ヶ岳、守門岳、越後三山の展望が楽しめるはずと思われた。新潟付近でも、この蛇崩はトップクラスの展望と考えられるが、いつか初冬の日、夕日に照らされローズ色に染まった飯豊・大日岳を眺めにもう一度来たいものだ。山頂から下っていくと、積もった雪は無くなったが、道は泥でぬかるむようになった。標識の立つ麓登山口分岐を過ぎると、登りになって、尾根を越し、山腹をトラバース気味に歩いて国上寺の駐車場に戻った。1時間半程の軽いハイキングであったが、予想以上の展望を楽しむことができた。
 帰りに、ふれあいパーク「てまりの湯」で温泉に入った。最近、「新潟ぶらり日帰り立ち寄り湯」(新潟日報社)という本が出版され、下山後に入る温泉を見つけ易くなった。今後は、「新潟の山と温泉」という形で、山に登ろうと考えている。てまりの湯は、入浴料500円で、入浴タオルとバスタオルが無料貸し出し、下足箱やロッカーの鍵も無料であった。新しくきれいな設備で、湯量を豊富で、しかも湯船からは国上山を眺めることができた。トップクラスの推薦度ではあるが、弥彦神社と寺泊の魚市場を結ぶ県道沿いにあるため、大駐車場を備えていても、観光シーズン中の休日には、満員で入浴が難しくなるかもしれないので注意が必要である。

山行目次に戻る
ホームページに戻る