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榛名山・掃部ヶ岳、杏ヶ岳

1996年1月3日 日帰り、単独行、晴

掃部ヶ岳 かもんがたけ(1448m) 標高点
杏ヶ岳 すもんがたけ(1292m) 三等三角点
  榛名山(群馬)5万 榛名山 2.5万 榛名湖

ガイド:アルペンガイド「奥日光・足尾・那須」(山と渓谷社)、群馬県の山(山と渓谷社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)

1月3日(水) 4::20 発=(関越道、渋川・伊香保IC 経由)=8:30 村営無料駐車場〜8:30 発―8:45 鞍部分岐―8:52 硯岩〜8:56 発―8:59 鞍部分岐―9:34 掃部ヶ岳〜9:50 発―10:37 倉淵村分岐―10:54 杖ノ神峠―12:05 杏ヶ岳〜12:15 発―13:05 杖ノ神峠―13:58 村営無料駐車場=(榛名温泉ゆうすげ荘入浴後、 往路を戻る)=19:40 新潟着

 榛名山は、二重式火山でいくつものピークから成り立っているため、どれを代表とするか迷うことになる。一般的には、榛名湖にその美しい姿を写す榛名富士を代表とすることが多いようである。確かに榛名富士は、中央火口丘であり、また一等三角点も置かれているが、観光ロープウェイが掛けられて、登山の趣は薄い。榛名山の最高峰は、外輪山の掃部ヶ岳である。日本の山岳標高一覧1003山では、榛名山のピークのうち、この掃部ヶ岳だけが選ばれている。また、杏ヶ岳は、榛名山の外輪山から南西に離れて立つ山であり、掃部ヶ岳の登山コースの途中の杖ノ神峠をはさんで向かい合っているため、これら二つの山を続けて登ることが多いようである。
 新年を迎えて、新たな気持ちで登山を開始する。去年の暮れから、インターネット上のWWWホームページに山のページを載せる準備で忙しかったが、山に行かないことには、登山の記事も貯まらないことになる。元日に東京に帰った際の車窓から見た上州の山は、雪で白くなっていた。今年は、雪の訪れが早いようなので、雪があってもなんとかなりそうな榛名山に登ることにした。伊香保の温泉街を過ぎると、路面上にも雪が現れ始めた。榛名湖手前の沼ノ原では、路肩駐車して、霧氷の写真撮影に専念しているカメラマンが何人もいた。榛名湖は、まだ凍結していなかった。名物の湖上のスケートができないためか、湖畔はひっそりしていた。国民宿舎榛名吾妻荘の手前の村営無料駐車場に車をとめ、歩きだした。吾妻荘の脇に登山口があった。登山道は、雪で完全におおわれていたが、はっきりしたトレースがついていた。笹原の中を、登っていくと、直に尾根上の鞍部に登り着いた。右に登って硯岩の上に出ると、榛名湖と榛名富士を中心にしたパノラマが広がった。光線が逆光で、湖面の氷に反射してまぶしかった。木の枝を頼りに急坂を下り、鞍部から掃部ヶ岳に向かった。雪は堅くしまっており、歩くのも楽であった。急な坂を登って掃部ヶ岳の頂上に着くと、大展望が広がっていた。南面は遮るものが無く、妙義山、四ツ又山、鹿岳、荒船山などの特徴的な形の西上州の山、御荷鉾山から赤久縄山にかけての神流川流域の山の連なり、赤久縄山の左手には富士山、奥秩父連山、八ヶ岳の連なり、その向こうには南アルプス、さらに、ひときわ大きく白い浅間山、展望図の解読問題のような眺めが広がっていた。北も木の枝の間からではあったが、小野子三山を前景に、上越国境の山々が白い峰を連ねていた。やはり、快晴の山頂はうれしい。下山は、左手におれるように急斜面を下った。トレースが無ければ、山頂から来た道を引き返すしかない所であった。その先も、幾つかのピークを登り下りする必要があった。耳岩には雪が付いていたため、基部をトラバースして、その先で稜線上に戻った。直進すると送電線鉄塔に出て倉淵村へ至る分岐から左に曲がると、急坂の下りが始まった。露出した地面が凍って滑りやすく、笹の中の方が歩き易かった。杖ノ神峠は、林道が上がってきており、峠の風情は石仏に残されているだけであった。
 時間も余裕があるので、杏ヶ岳向かうことにした。今度は、トレースが無いため、神経を使う歩きになった。温度が上がって、足がもぐるようになり、急斜面の登りには苦しめられた。最初のピークの先は、一旦大きく下って、その先に三角形の鋭いピークが頭をもたげていた。帰り道の辛さを考えると、気が重くなってきた。雪に足をとられながら、やっと登りつめると、祠が一つあるだけであった。ガイドブックを確かめると、その先の、明らかにここよりは低いピークが、杏ヶ岳の山頂のようであった。なんで、一番高いピークをその山の代表にしなかったのかと、なかばやけになって先に進んだ。ようやく登りついたピークで、ようやく杏ヶ岳の山頂標識を見ることができた。振り返ると、先ほどのピークが高かった。帰りも二つのピークを越して行く必要があったが、道が判っているせで、気分的に楽になった。雪をけちらせながら急坂を下っていくと、比較的短い時間で杖ノ神峠に到着した。杖ノ神峠からは、立派な車道歩きになったが、路面上は厚く雪が積もっていた。杏ヶ岳を振り返ると、三つのピークが連なり、杏ヶ岳の標識の立てられたピークが一番低くて貧弱であった。雪道の歩きに疲れてきたころ、ようやく湖畔の宿記念公園の脇から湖畔道路に出て、コースを一周することができた。最後に、温泉に入り、雪上ハイクを締めくくった。

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