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十二ヶ岳、小野子山

1995年12月23日 日帰り 単独行 晴

十二ヶ岳 じゅうにがたけ(1201m) 二等三角点
中ノ岳 なかのだけ
小野子山 おのこやま(1208m) 四等三角点 
  吾妻(群馬) 5万 中ノ条 2.5万 上野中山、金井

ガイド:アルペンガイド「奥日光・足尾・那須」(山と渓谷社)、群馬県の山(山と渓谷社)、群馬県の山歩き130選(上毛新聞社)、新ハイキング95年12月号

12月23日(土) 4:20 新潟発=(関越道、赤城IC、R.7 ,R.353 経由)=8:36 岩原線6号橋〜8:45 発―8:54 入道坊主(林道横断点)―9:34 鞍部―9:37 男・女坂分岐―9:48 十二ヶ岳〜10:06 発―10:14 男・女坂分岐―10:16 鞍部―10:31 中ノ岳―10:43 中ノ岳・小野子山鞍部―11:03 小野子山〜11:25 発―11:53 雨乞山〜12:02 発―12:20 パラグライダー発進所―12:24 NHKアンテナ―12:30 林道峠山線下り口―13:20 林道不通引き返し点―14:05 林道峠山線下り口―14:56 国道R.353下り口―15:10 小野上口―16:17 岩原線6号橋=(小野上温泉入浴後、往路を戻る)=21:00 新潟着

 吾妻線沿いの、子持山の西に一群の山群があり、十二ヶ岳、中ノ岳、小野子山を合わせて小野子三山と呼ばれている。子持山が、木花開耶姫命(このはなさくやひめ)を祭神とする女性の山なのに対し、男の子山と呼んだのが転じて、小野子山になったという。
 サンフランシスコから帰国後の登山再開の山である。帰国直後の雑用のため、しばらく山に行くことができないでいた。冬型の荒れた天気の新潟を後にした。今年は、順調に雪が降って、国境付近のスキー場は滑走可能になっていた。トンネルを越すと、青空が広がっていた。この青空を経験するだけでも、高い高速料金を払う価値がある。ガイドブックの歩行開始地点の小野上駅に到着したが、周辺は交通量の多い町中で、駐車スペースが無かった。周遊コースをたどるつもりであったので、どこで車をとめても歩く距離は、同じことなので、谷ノ口の登山口に車を走らせた。踏切を渡って坂を上ると、正面に十二ヶ岳が眺めることができた。浄水場から先も、舗装された林道が続いていた。急坂を登っていくと、林道が突然とぎれ、車の回転場所も無いため、バックでしばらく戻るはめになった。岩原線6号橋脇の空き地に車をとめて、ここから歩き始めることにした。林の中を登っていくと、入道坊主という看板が現れ、この上で、工事中の林道を横断した。さらに登り続けると、十二ヶ岳滝下(せんした)、滝上(せんうえ)という看板も現れたが、滝は見あたらなかった。落ち葉に埋もれている沢が、水量の多い時には、なめ滝になるのだろうか。冬とはいえ、汗ばむようになる頃、縦走路上の、十二ヶ岳と中ノ岳との鞍部に飛び出した。左に向かうと、男坂と女坂との分岐にでた。山頂を見上げると、急な登りが待ちかまえており、まずは男坂を登ることにした。木の根を手がかりにする急な登りであった。雪は積もっていなかったが、凍結すると、この急坂は通れなくなりそうであった。十二岳の狭い山頂からは、遮るものの無い展望が広がっていた。榛名の山々が目の前に大きく広がっており、西には白い衣をまとった浅間山を望むことができた。志賀から上越国境の山々は、雪雲に厚く被われていた。山頂には、肝心な山頂名よりも、榛名山や浅間山を示す表示の方が大きな看板が立てられていた。こういった山頂標識も、無いと困る場合もあるが、周囲の風景の邪魔にならない統一された形式にするべきだと思う。展望を楽しんだ後に、女坂を下ることにした。男坂の登り口と逆の西に向かって下ると、谷後コースとの分岐に出て、女坂コースはここから山頂を巻くように東に向かって緩やかに下っていき、男坂との分岐点に戻った。中の岳へも、結構辛い登りであった。中ノ岳の山頂は、木で被われ、それほど特徴のある所ではなかった。小野子山へは、一旦大きく下る必要があった。登山道の北側は、伐採後の植林地で、木も若いため、眺めは良くなっていた。鞍部まで下りると、古い林道が登ってきていたが、麓まで歩くことができるのかは不明であった。再び大きな登りになった。小野子山の山頂も、木が取り囲み、それほど特徴のあるものではなかったが、伐採地の縁に入り込むと、中ノ岳と十二ヶ岳の連なりを眺めることができた。山頂には、子持牧場から登ってきたという単独行が休んでおり、十二ヶ岳に進むべきか迷っていた。しばらく山の話をした後に、雨乞山方向に下った。登山道上には落ち葉が積もって滑りやすかった。連休初日のせいか、多くの登山者に出会った。中には、大きなリュックを背負い、ピッケルにロングスパッツの二人連れがいた。ピッケルの長さからいっても雪山装備であるが、雪山の訓練をこのような落ち葉の積もる山で行うのだろうか。第一、少し足を延ばせば、雪の積もった山がいくらでもあるというのに。結構長い下りの後に林道に飛び出した。この林道は、山腹を巻きながら北に向かっていた。この林道こそ、十二ヶ岳に登る途中で横断した林道と思って、小野上駅に向かって下りる代わりに、この林道を進むことにした。中ノ岳の下部に近づいた所で、工事現場に出合い、この先には道が無いことを知らされた。十二ヶ岳への登りで出会った林道は、西から延びてきたものらしい。草臥れ損をして、林道を引き返し、小野上駅に下りることになった。山の斜面に集落が広がっているが、車道が交差して、道が判りにくい。あてづっぽうで下っていくと、国道R.353に飛び出した。下りてきた道は、村道390線という表示があり、国道の反対側には、小野子山登山道という標識があった。ここから登ろうとすると、道が判り難く、苦労しそうであった。交通量の多い国道を歩いて小野上駅に戻り、さらに谷ノ口から十二ヶ岳の登山口まで、長い車道歩きをしなければならなかった。周遊コースでは、どこに車をおいてもいいようなものであるが、山から下りたら車というのが望ましく、今回のように山奥まで車で入り込んで歩き出すのは避けたほうがよさそうである。
 帰り道に、美人の湯ということで、最近良く聞くようになった「小野上温泉センター」にて入浴(入浴料2時間まで400円、下足箱100円、脱衣ロッカー100円)。日本の山は、下山後に温泉に入ることのできるのが、なによりも良かった。

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