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権現堂山

1995年9月2日 日帰り 単独行 晴

下権現堂山 しもごんげんどうやま(897m) 三等三角点
上権現堂山 かみごんげんどうやま(998m) 二等三角点
  越後山脈(新潟) 5万 須原  2.5万 須原、小平尾

ガイド:新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)、新潟50山(新潟日報事業社)、新潟のハイキング(新潟日報事業社)

9月2日(土) 9:05 新潟発=(関越道、小出IC 経由)=10:40 戸隠神社駐車場〜10:48 発―10:54 中越分岐―11:22 尾根上のピーク―11:26 五合目―11:36 水場入口〜11:42 発―11:52 やさぶろう清水―11:58 とがり岩―12:10 田中分岐―12:11 下権現堂山〜12:23 発―12:50 鞍部(戸隠分岐)―12:56 戸隠分岐―13:20 上権現堂山〜13:28 発―13:50 戸隠分岐―14:24 中越下山路分岐―14:50 中越分岐―14:52 戸隠神社駐車場=(往路を戻る)=17:05 新潟着

 関越道上り線の小出付近の車窓から目に飛び込むのは、互いに高さを競うような越後三山の眺めであるが、左手にも、下権現堂山から上権現堂山に至る稜線が目に入り、登ってみたいという気持ちにかられる。権現堂山は、守門岳・浅草岳山塊と越後三山の間に位置し、全国的な登山ガイドに登場することはほとんどないが、地元には、展望に優れたハイキングの山として知られている。
 サンフランシスコへの出発も迫ってきており、早朝より緊急連絡の返事待ちのために大学で待機したため、その後に山に出かけることにした。出発時間も遅くなったため、コースタイムの関係から権現堂山に向かうことにした。8月の暑い盛りには、涼しい南・中・北アルプスに足が向いたが、秋の気配が立ち込めてきたため、そろそろ地元の低山を楽しむ気になってきた。登山口の戸隠神社付近は、歴史自然公園として整備され、駐車場やトイレ、水場が整備されていた。しかし、日本庭園よろしく庭石を並べ、池には鯉を放っているのは、整備のしすぎというもので、どれ程の歴史があるかは知らないが、戸隠神社まで落ち着かない風情で建っていた。階段を登って神社の右手に回ると、下権現堂山への登山口があった。つづれ折りの道もそれ程長く無く、尾根の一本登りが始まった。日がまともに当たって気温も高く、大汗が吹き出して体温が上がり、日照病が気掛かりで、意識して登るスピードを落とす必要があった。先週の、アルプス三大急登の一つの合戦尾根よりも、体力の保持に気を使う登りになった。登り続けながら、新潟の低山を楽しむには、少し時期が早かったことに後悔した。下権現堂山に続く稜線上の手前に見えるピークを越すと、登りもやや緩くなった。杉林からナラかブナの林に代って、日影が現れ始めたことも助かった。下権現堂山への最後の急な登りが近付いてきた所で、最初の水場が現れた。林の中を下ると、沢状の窪地から水のしみ出る水場が現れたが、泥の斜面に差し込まれたパイプが外れており、水を汲むことはできなかった。再び急な登りを続け、左にトラバース気味に登るようになると、やさぶろう清水に到着した。大岩の下から水が湧き出て、下の沢に流れ落ちていた。頂上近くの水場は有り難く、汗を流した分の水分を補給した。この先からは、一気の登りになり、展望台になる露岩を横目に通過していくと、下権現堂山に到着した。それ程広くない山頂には、岩が転がり、中央には「権化の鐘」と名付けられた鐘と三角点が置かれていたが、一般に見られるような山頂標識は見当たらなかった。菅名岳や二王子岳の山頂にも鐘が置かれていたが、中下越以外では、このような鐘はあまりお目にかからないのだが。誰もいない山頂で、一回大きく鐘を鳴らした。息が落ち着くのを待って、回りの風景を楽しんだ。左右が切り落ちた山頂からは、守門岳、浅草岳、越後三山、さらに水田の中を行く魚沼川の流れを展望することができた。上権現堂山への縦走路へ踏出すと、急な下りが始まった。赤土に緑の苔が生えた急斜面は、非常に滑りやすく、木の枝を鎖代りにして下った。小さなピークに登り返すと、左右の展望が開けた縦走路になった。下権現堂山から先は、人通りが少ないためか、夏草がかぶり気味であった。途中、ガイドブックとは異なり、戸隠神社への下り口は2ヶ所あった。上権現堂山へ向かって再び急登を続けると、木に囲まれた山頂に到着した。中央には三角点が置かれ、測量のためか、守門岳と越後三山方面の木が伐採されていた。ここにも鐘が置かれていた。4人の作業風のグループが休憩しており、話をかわすと、測量中で、明日にかけて唐松山方面に向かい、戻ってくるとのことであった。山頂を越えて、明瞭な道がさらに先に続いているようであった。帰りは、下権現堂山を眺めながらの尾根歩きになった。稜線から離れ、戸隠神社への下山路に進むと、トラバース気味の下りになって、もう一つの下山路と合流した。あまり歩かれておらず、草がかぶって道が全く見えず、足先の感で歩く所も出てきた。途中、数ヶ所で沢を横切り、水場には不自由しない下りであった。広葉樹林帯から杉林に変って、麓も近いことを知った。クモの巣がうるさく、最後の神社付近からは、汗に引かれたブヨのような虫の大群に取り巻かれて悩まされた。この鞍部から直接下るコースは、周遊コースとして価値が高いが、あまり歩かれていないため草がかぶっている所もあり、初心者は下権現堂山に一旦戻ってから下山した方が確実なようである。

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