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立岩、烏帽子岳

1995年1月7日 前夜発日帰り 単独行 晴

立岩 たついわ(1265m)  西上州(群馬 5万 御代田 2.5万 荒船山
ガイド:群馬県の山(山と渓谷社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)、山と高原地図「西上州・妙義」(昭文社)、関東百名山(山と渓谷社)

烏帽子岳 えぼしだけ(1182m) 5万 十石峠 2.5万 十石峠
 マル (1200m)
ガイド:群馬県の山(山と渓谷社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)、山と高原地図「西上州・妙義」(昭文社)

1月6日(金) 20:50 新潟発=(関越道 経由)=23:50 赤城高原SA着  (車中泊)
1月7日(土) 6:10 赤城高原SA発=(関越道、上信道、下仁田IC、下仁田、磐戸、羽沢、星尾 経由)=8:00 線ヶ滝着〜8:05 発―8:10 南登山道入口―8:38 ガレ場下ベンチ―8:54 鞍部のベンチ―9:12 西立岩〜9:20 発―9:24 展望台ベンチ―10:00 立岩へ1kmの標識―10:16 威怒牟幾(いぬむき)不動―10:41 南登山道入口―10:46 線ヶ滝=(星尾、羽沢、雨沢、大仁田 経由)=11:40 御荷鉾スーパー林道分岐〜11:44 発―12:01 シボツ沢登山口―12:38 奥ノ二股―13:00 コル―13:05 烏帽子岳〜13:15 発―13:20 コル―13:28 マル―13:38 郡界尾根下降点―14:05 奥ノ二股―14:39 シボツ沢登山口―14:56 御荷鉾スーパー林道分岐=(往路を戻る)=20:10 新潟着

 立岩は、長野県との県境近くにそびえる岩山である。個性的な岩山の連なる西上州においても、その容姿、スケールにおいて、妙義山、荒船山に次いで人気のある山である。
 烏帽子岳は、烏帽子をおいたような姿からその名前が付けられいる。以前は、交通不便な地にある秘峰といった存在であったが、最近では、御荷鉾スーパー林道沿いに登山口があるため、登山者も多くなってきている。
 日本海側は大荒れの天候で、早朝に関越道を走り抜けることは無理のようであったため、前夜発にした。路面が圧雪状態になっており、50kmでの低速運転が続き、赤城高原SAに到着したのは深夜になった。夜明けとともに再び走り出したが、快晴の青空が広がった。去年登った鹿岳の登山口の小沢橋を通り越し、さらに南牧川を遡った。大上の集落の手前から、そそりたつ立岩が良く見え、車を止めてまず写真撮影となった。うっすらと雪が積もる道を、山に向かって登っていくと、線ヶ滝で車道の終点となった。歩き出すと、猟銃を持ったハンターが下ってくるのに出合い、何を狙っているのか尋ねると、猪とのことであった。杉林の植林帯を登って行くと、岩場の下に出て、ベンチも設けられていた。ガレ場に長い鎖が掛けられていたが、鎖を引くと、その刺激で上から小さな石が落ちてきた。大人数でこのガレ場を登るのは、よほど注意する必要がありそうである。ガレ場の次は、下がえぐれた岩場の狭いバンドの斜の登りになった。雪も付いていたため、鎖をしっかりにぎって慎重に登った。危険地帯を通過して山頂の一角に到着してホットすると、ここにもベンチが置かれていた。立岩のコースは良く整備され、途中には、多すぎるくらいにベンチが設けられていた。小さな登り下りをしながら進んで行くと、西立岩に到着した。山頂からは豪華な眺めが広がっていた。荒船山の最高点の京塚山から兜岩山に続く稜線が谷をえだてて目の前であり、八ケ岳連峰が白く輝いていた。積雪は2ー3cm程ではあったが、山頂付近は日当たりが良いためか、融けはじめていた。下りの鎖場は、それほど難しくなく、凍結していなかたため助かった。最後に。左右に2本の鎖がかかった10m程の岩場を登ってやせ尾根に登る所が、下山路で一番緊張する所であった。このコースを逆にとると、難しい鎖場が下りなるため、困難になると思った。立岩へ1kmの標識から、道は下りになった。尾根を直進すると荒船山に行けるはずであったが、笹が深く被っていた。下って行くと、豪音が、こだますようになった。この音は、威怒牟幾不動の岩壁の上の氷柱が融けて落下してたてているものであった。薄暗い杉林の中を歩いて行くと、一巡して、登山口に戻ることができた。
 天気も良く、ついで烏帽子岳に登ることにした。御荷鉾スーパー林道に登った所で、全面通行止めの掲示があり、ここから歩くことにした。シボツ沢登山口からは、沢沿いに登る道になった。それほど広くない登山道は、落葉と雪に覆われて不明瞭になっており、木に付けられた赤テープを頼りの登りになった。奥ノ二股には、郡界尾根とコルへの直登コースを示す小さな標識があった。郡界尾根への右股は、落葉に覆われて道が判らなかったため、コルへの左股を登ることにした。進んでいくと急斜面になった。日影のため砂礫状の斜面は凍結し、落葉と積もった雪のために余計に滑りやすくなっていた。木の枝を頼りに登りながら、この斜面を下ることはできそうにないと思って、気が重くなってきた。ようやくコルに登りつくと、そこから山頂までは僅かであった。烏帽子岳の山頂からも、素晴らしい眺めが広がっていた。鹿岳と四又山、さらに妙義山といった、西上州の岩山が連なっていた。西上州の山は、山の形の面白さと、この素晴らしい展望と、静けさが魅力である。下りは、マルを越して、郡界尾根から下ることにした。マルは、烏帽子岳よりも標高が高いものの、木立のために展望は全くきかなかった。マルの山頂で、道はふたつに分れた。両方に赤テープがあったため迷ったが、左手の直進気味の道は黒川峠へ通じる道であったようである。右手に曲って、潅木の中の踏み跡を下っていくと、笹原の稜線に出て、烏帽子岳を示す標識があった。赤テープが残され、斜面をジグザグに下っていく踏み跡も見つかった。赤テープをたよりに、凍って滑りやすい道を下った。沢まで下りた所は、先に通った奥ノ二股と似た地形をしていたが、分岐の標識は見当たらなかった。さらに落葉を蹴散らかせながら下っていくと、ようやく奥ノ二股に到着した。道に迷う心配はようやく無くなったが、下りは滑りやすかった。林道に着いた時には、足も心も、一日の山歩きに充分満足した気になっていた。

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