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赤城山・地蔵岳、鈴ヶ岳

1994年12月17日 日帰り 単独行 晴

地蔵岳 じぞうだけ(1674m) 一等三角点本点
鍬柄岳 くわがらだけ(1560m)
鈴ヶ岳 すずがたけ(1565m) 三等三角点   赤城山(群馬)5万 沼田 2.5万 赤城山

ガイド:奥日光・足尾・那須(山と渓谷社)、群馬県の山(山と渓谷社)、群馬の山歩き130選(上毛新聞社)、一等三角点百名山(山と渓谷社)

12月17日(土) 5:15 新潟発=(関越道、赤城IC、R.353、赤城有料道路経由)=9:40 天文台下着―10:20 地蔵岳登山口―11:00 地蔵岳〜11:25 発―11:50 地蔵岳登山口―12:10 新坂平鈴ヶ岳登山口発―12:54 鍬柄岳―13:11 大ダオ―13:32 鈴ヶ岳―13:40 発―13:53 大ダオ―14:18 鍬柄岳〜14:30 発―15:04 新坂平鈴ヶ岳登山口=(往路を戻る)=19:25 新潟着

 赤城山は、那須火山帯に属するコニーデ型二重式火山で、カルデラ内に形成された中央火口丘や外輪山、寄生火山からなる多くのピークを持っている。最高峰は外輪山の黒檜山で、日本百名山巡りの対象としてはこの山を登るのが一般的になっている。地蔵岳は中央火口丘であり、群馬県で唯一の一等三角点本点が置かれているが、山頂までロープウェイが掛けられて観光客の領域に入ってしまっている。また、鈴ヶ岳は、外輪山の西側に離れてするどくとがった寄生火山であり、黒檜山に次ぐ代表的ハイキングの山である。
 赤城山は、93年3月27日に次いで2回目である。前回は、百名山巡りのために黒檜山に登ったが、雪のために登山靴を濡らしてしまい、地蔵岳を断念してしまった。一等三角点の山としては、この山を欠かすことができないので、いずれ登ろうと思っていた。新潟地方では、4日間程強い冬型の天候が続き、平野部でもまとまった雪になった。金曜の晩は忘年会であったため、土曜日の日帰りで登れる山として、赤城山に出かけることにした。
 関越道は、長岡付近から圧雪状態になり、速度50km・チェーン規制になった。スタッドレステイヤでの走行にそれほど支障はなかったが、除雪車が追い越し禁止で作業中のため、何回か、のろのろ運転になった。快晴となり、青空を背景に真っ白な越後三山が浮びあがり、上越のスキー場も滑走可能になっていた。赤城有料道路のゲートでも、路面が凍結していると注意されたが、タイヤを見て通してくれた。麓では冬枯れの穏やかな風景が広がっていたが、標高を上げて行くと、道路上にも雪が現われてきた。強い冬型のために、雪が関東まで流れこんだようである。エネルギー資料館の脇に車を止めて、皮製登山靴にロングスパッツの雪用の支度で歩きだした。天文台のバス停はけっこう先にあり、登山口が見つからないまま歩いていくと、大沼に向かって下っていくヘアピンカーブになってしまった。アルペンガイドの掲載地図と見比べておかしいことに気が付いた。新坂平付近まで戻りながら登山口を捜したが、登山口はやはり見つからなかった。ガイドブックの文章では、天文台のバス停を少し歩いた所の広場から入るとあるので、車でそこまで戻ることにした。雪で覆われた路肩帯の広場には登山口の表示はまったくなかったが、尾根に取りつくように道があり、傍らの木に古いビニールテープが一本ぶる下がっていた。ここしか道がなかったので、とにかく登ってみることにした。尾根の終点付近にたどりつくと、地蔵岳と書かれた小さな木の標識が見つかった。ようやく一安心して、登りに専念することにした。歩いていくとガイドブックの記載の通りに、牧場の有刺鉄線沿いの道になった。地図に書かれた登山コースが間違っているようである。20cm程の雪を踏みながらの登りは、足がスムーズに前にです、いつもより辛く感じた。ようやく山頂に辿りつくと、雲一つ無い青空の元に素晴らしい展望が広がっていた。広い山頂の中に一等三角点を捜し出し、その近くに設けられたコンクリートの展望台に登った。大沼を前景にした黒檜山の眺めが、まさに絵葉書のごとく整って見えた。その向こうには、武尊山から越後山地、谷川連峰、志賀、浅間山、八ケ岳連峰、南アルプス、秩父連峰、富士山と最高級のパノラマが広がっていた。通常の冬には、上越国境の山々は雪雲で覆われているのが普通であり、この眺めはまさに幸運以外のなにものでもなかった。晴れていても風が強く、写真目当ての観光客が一人いるのみであった。雪道の下りは、登りとは逆に歩きやすく、車に直に戻ることができた。
 車を新坂平に移動させ、当初の予定通り、鈴ヶ岳に向かうことにした。歩き出しが雪の吹きだまりになっており、登山道には笹が被さっているため、登れるのかちゅうちょする気持ちもわいてきた。木にテープが多く残され、牧場の柵沿いの道になったため、登り続けることになった。家族向きのはっきりした道のはずであったが、鍬柄岳への登り付近では、笹に道が消されて、薮漕ぎ状態の所もあった。鍬柄岳の頂上は、赤城山のピークの全てを眺めることのできるまさに360度の展望であった。大ダワにかけて雪はやや多く、鈴ヶ岳の登りでは、岩を乗り越す所もあり、足を滑らさないように注意する必要があった。降雪直後で柔らかい雪であったため、登るのに難しくはなかったが、凍結していたら登るのは諦めた方が無難のようである。鈴ヶ岳の山頂は、石碑が置かれ、木に覆われおりそれほど眺めは良くなかった。帰りに鍬柄岳に登り返すのは、疲れもでてきており、辛かった。鍬柄岳で、眺めを楽しんだのち、コースを見失わないように雪の上の足跡とテープに注意を払いながら下山した。

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