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半田山、青麻山

1994年12月10日 前夜発 単独行 晴

半田山 はんだやま(863m) 一等三角点補点  奥羽山脈南部(福島) 5万 関 2.5万 中茂庭、桑折
ガイド:分県別登山ガイド「福島県」(山と渓谷社)、ふくしまの山50(歴史春秋社)

青麻山 あおそやま(799m) 三等三角点
あけら山 あけらやま(810m)   蔵王連峰(宮城)5万 白石 2.5万 遠刈田、村田、白石、大河原
ガイド:分県別登山ガイド「宮城県」(山と渓谷社)、宮城の名山(河北新報社)、東北百名山(山と渓谷社)

12月9日(金) 20:45 新潟発=(R.49、会津坂下IC、磐越自動車道、東北自動車道 経由)
12月10日(土) 1:10 安達太良SA着   (車中泊)
6:35 安達太良SA発=(国見IC 経由)=7:18 半田山南登山口〜7:32 発―8:04 林間登山口―8:36 半田山〜8:43 発―9:21 あずまや―8:29 北登山口―9:45 南登山口=(R.4、白石、蔵王宮 経由)=11:10 無線中継所〜11:15 発―11:55 青麻山〜12:00 発―12:15 あから山〜12:20 発―12:37 青麻山―13:10 無線中継所=(白石IC、東北自動車道、福島飯坂IC、R.13、米沢、R.121、喜多方、会津坂下、R.49、安田IC、磐越自動車道、新潟東IC 経由)=18:45 新潟着

 半田山は、東北自動車道の国見付近から、小さいながら屏風を立てたように見える山である。江戸時代には、半田銀山として賑わったというが、現在では、麓の半田沼と共にキャンプ場やハイキングコースとしての整備が進んでいる。半田沼は伝説の多い沼である。源義経が奥州に落ちのびる途中、この沼のほとりを通った時に、金銀を背負った牛が暴れてこの沼にはまったという。以来、この牛が沼の主となり、赤牛が釣人を襲うという。
 青麻山は、東北自動車道の白石付近から良く目に付くどっしりした双耳峰の山である。蔵王の火山群に属する古い複式火山であるが、風化が進んでなだらかな山容に変わっている。
 この週末も荒れ模様になった。みぞれ混じりの激しい風雨になり、会津坂下で少し休んでから再び走り出すと、磐梯山SA付近から本格的な吹雪になってしまった。ようやく東北自動車道に走り込むと、風が強いものの雪は止んだ。安達太良SAで仮眠し、朝になってから半田山に向かった。麓から眺める半田山は雪のために白黒まだらになっていた。半田町付近から始まる半田山への道しるべを頼りに、うっすら雪の積もる道を半田沼の駐車場まで登った。夏は賑わったと思われる沼周辺はひっそりしていた。登山道は遊歩道として良く整備されていたが、山の斜面を真っ直ぐに登るように丸太の階段が付けられており、苦しい登りになった。上部で再び合流した林道を歩いていくと、広い林間駐車場に到着した。夏には、ここまで車で登ってきて山頂を往復する人が多いようである。積雪も多くなってきたのでスパッツを着けることにした。20ー30センチの積雪の中を登っていくと山頂に到着した。山頂には、三個の石の祠と一等三角点、展望図が並んでいた。天候が変化して風が強まり、雪雲が山頂部を乗り越えていくため、すりガラスを通したように阿武隈川がぼんやり光って見えるのみであった。北登山口に向かって下山することにした。北斜面のためか、雪も少し多くなり、道を見失わないように注意する必要があった。半田沼が近付いてくるにつれ雪は少なくなり、最後は、冬枯れの林の中の歩きになった。駐車場に戻ると、雪混じりの強風が吹きつけてくるようになった。次の予定の青麻山をどうするか迷ったが、とにかく登山口まで行ってみることにした。
 青麻山への入り口が判りづらかったが、宮中学校の大きな表示の脇に小さな青麻山登山口という標識があった。無線中継所まで、車で登ることができたが、車道終点には駐車場は無く、路肩駐車になった。急風が豪音を立てて吹き付けてきたが、青空が広がっていたので山に登ることにした。無線中継所の前からは、一旦少し下る笹原の向こうに、青麻山を良く眺めることができた。青麻山は、蔵王連峰に属するものの雪はまったく無く、乾いた枯葉が登山道に積もっていた。この山は蔵王連峰の山陰になって、日本海から吹き付けられる雪雲はここまで届かないようである。青麻山の山頂には、石の祠が置かれ、東には太平洋を眺めることができた。北西には、山頂部は雪雲でおおわれ、麓のスキーゲレンデはすっかり白くなった蔵王連峰の山が木立の間から眺めることができた。一般のハイカーは、ここまでで引き返すようであるが、あけら山の方が標高が高いので、さらに進むことにした。あけら山の道に入りこむと、笹がかぶさるようになった。見た目よりは短い時間であけら山に到着した。山頂は木に囲まれて展望はえられず、石碑が二つ置かれていた。笹をかきわけて青麻山まで戻ると、いつの間にか風は止んでいた。冬の日だまりの中を、枯葉を蹴散らせながら山を下った。

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