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御在所山、国見岳

1994年11月12日 旅行途中日帰り 単独行 晴

御在所山 ございしょやま(1212m) 測定点 (1210m)一等三角点本点
国見岳 くにみだけ(1170m)  鈴鹿山地(滋賀、三重) 5万 御在所山 2.5万 御在所山

ガイド:鈴鹿・美濃(山と渓谷社)、大阪周辺の山(山と渓谷社)、一等三角点の名山100(新ハイキング社)、日本300名山ガイド西日本編(新ハイキング社)、山と高原地図「御在所・鎌ヶ岳」(昭文社)

11月11日(金) 四日市泊
11月12日(土) 6:50 四日市発=(近畿鉄道)=7:20 湯ノ山温泉駅=7:22 発=(三重交通バス)=7:30 三交湯ノ山温泉―8:06 中道登山口―8:26 おばれ石―8:40 地蔵岩―8:50 キレット―9:34 朝陽台展望地―9:54 御在所山三角点―10:10 国見峠入口―10:20 国見峠―10:34 国見岳〜10:40 発―10:55 国見峠―11:35 藤内小屋―11:52 日向小屋―12:14 三交湯ノ山温泉=12:20 発=(三重交通バス)=12:29 湯ノ山温泉駅=12:30 発=(近畿鉄道)=12:52 四日市=(名古屋、東海道新幹線、東京、上越新幹線経由)=18:40 新潟着

 御在所山は、花崗岩が山中に点在して白く輝き、低山とは思われぬアルペン的な風景を見せる山である。ロープウェイが掛けられ、山頂部が公園化されてしまったことは残念であるが、岩の間を縫うようにして付けられている登山道を辿る楽しみは損われていない。国見岳は、御在所山の隣に連なる山で、山の形はそれほど特徴的ではないが、御在所山北面の藤内壁の岩場の好展望台となっている。
 名古屋での学会の帰りに登る山として御在所山を選んだ。学会終了後、四日市駅前のビジネスホテルに泊まり、翌朝、電車とバスを乗り継いで湯ノ山温泉に到着した。ひっそりした早朝の温泉街を通り抜け、車道歩きが心細くなるころ一ノ谷茶屋に出た。中道の標識に従って登山道に入ると、急な登りが始まり、温泉街では見かけなかった登山客にも出合うようになった。梯子や鎖もかかる登りを続けていくと、御在所山の展望が開けるようになった。緑の木々と紅葉と白い花崗岩のコントラストが美しかった。山腹に立てられた大鉄塔を伝う赤いロープウェイもこの風景をそれほど損ってはいなかった。鈴鹿の山には馴染みがなかったが、鎌ヶ岳のピラミッド型の山頂はすぐに判るものであった。おばれ石や地蔵岩などの奇岩の眺めや、キレットの岩場の通過を楽しみながら登り続けていくと、足場が不確かな急な鎖場が現われ、これを越すと山頂の遊歩道の一角に出た。ロープウェイ駅のすぐ上の朝陽台展望地は、観光客で大混雑になっていた。御在所山の山頂部は、下からの眺めでは予想もできないような、なだらかな高原状に広がっていた。この山頂部は、スキー場、山岳動物園、観光リフトが設けられ、すっかり遊園地化されていた。ここまでの登山道の楽しさからすると、この山頂の有様は興醒め以外のなにものでもなかった。三角点ピークを目指したが、遊歩道が入り乱れて、立ち入り禁止のスキー場で行きづまったりした。一等三角点は、柵で囲まれ、大きな看板が立てられ、観光の見せ物のひとつになっていた。
 騒々しい山頂を早々に後にして、国見峠に進むことにした。国見岳は、峠から僅かな登りであったが、山頂は潅木で覆われ、それほど見晴しは良くなかった。山頂から少し下がった花崗岩の転がる地点からは、藤内壁を良く眺めることができた。御在所山の山頂部も良く見渡すことができたが、スキー場や気象観測用ドームが目障りであった。国見峠に戻って下山路を確認していると、観光客の男女が、湯ノ山温泉へはこの道で良いのかと尋ねてきた。履き物を見ると二人とも普通の皮靴であったので、湯ノ山温泉への登山道であるとだけ答えておいた。御在所山に登り帰すのは大変であっただろうが、下山したならばさんざんな目にあったことだろう。裏道は、沢に沿った気持ちの良い道であった。この沢の水が山頂の観光施設によって汚染されており、飲むことが出来ないとは、やりきれないものを感じた。紅葉の盛りのためか、団体や、家族連れ等の多くの登山客が登ってくるのに出合った。バス停に戻ると、ロープウェイの駐車場が満員になってしまって、道路が大渋滞になっていた。

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