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焼石岳

秋田駒ヶ岳

1994年9月3日〜9月4日 前夜発1泊2日 単独行 晴/雨

焼石岳 やけいしだけ(1548m) 一等三角点本点 焼石連峰(岩手) 5万 川尻、焼石岳  2.5万 焼石岳、石淵ダム
秋田駒ヶ岳 あきたこまがたけ
 男女岳(女目岳) おなめだけ(1637m) 一等三角点補点
 男岳  おだけ(1623m) 
  秋田駒ヶ岳(秋田) 5万 雫石 2.5万 秋田駒ヶ岳

ガイド:東北の山(山と渓谷社)、東北の山(東京新聞出版社)、岩手県の山(山と渓谷社)、秋田県の山(山と渓谷社)、東北百名山(山と渓谷社)、日本300名山ガイド 東日本編(新ハイキング社)、一等三角点百名山(山と渓谷社)、諸国名山案内 東北(山と渓谷社)

9月2日(金) 20:50 新潟発=(R.7、新発田、R.290、R.113、赤湯、R.13、山形、山形蔵王IC、山形自動車道、東北自動車道 9月3日(土) 水沢IC、尿前 経由)=7:20 中沼コース登山口〜7:36 発―8:01 中沼―8:23 上沼―8:59 銀明水―9:43 経塚山分岐―9:59 焼岳山頂〜10:20 発―10:30 経塚山分岐―11:23 銀明水〜11:28 発―12:01 上沼―12:18 中沼―12:40 中沼コース登山口=(尿前、水沢IC、東北自動車道、盛岡IC、R46、田沢湖町、R.341、水沢温泉 経由)=5:20 駒ヶ岳八合目駐車場  (テント泊)
9月4日(日) 5:26 駒ヶ岳八合目発―6:20 男岳分岐―6:34 男岳―6:47 男岳分岐―6:52 避難小屋―7:03 女目岳―7:17 避難小屋―7:21 男岳分岐―8:00 駒ヶ岳八合目=(往路を戻る)=18:00 新潟

 焼石岳は、栗駒国定公園の北部に位置する山である。積雪量が多いために雪田湿原が発達して、高山植物で有名である。山名は、薬師岳が転じたという説と、山頂付近に焼けたような石が散乱することに由来するという説がある。
 秋田駒ヶ岳は、男女岳(女目岳)、男岳、女岳の総称で、十和田八幡平国立公園の南端に位置する。山麓にはひなびた温泉郷を有し、花の名山として有名である。最近では、スキー場を始めとするリゾート開発が進んでおり、車で八合目まで登ることができるため、路肩駐車の自動車による交通渋滞が問題になっている。この山の名前も、全国の駒ヶ岳と同様に、雪形に由来している。
 東北の山を歩きたくなり、この週末は、日本200名山のリストの中から、焼石岳と栗駒山あたりに登ることにして出かけた。ガイドブックにも書いてあったことだが、尿前から中沼登山口に続く林道は、未舗装で砂利が車の腹に擦ったが、通行には支障は無い状態であった。中沼登山口の広場には、5台程の車がとまっており、神戸からやってきた単独行を乗せた三沢町のタクシーも上がってきていた。中沼までは、見通しのきかない樹林の中の汗をかくだけの登りであったが、中沼から先は、池の周囲に広がるは湿原や小川に沿った、キキョウやトリカブト等の秋の花々を見ながらの楽しい道になった。銀明水の水場は、岩の間から湧き出ており、冷水器から汲んだように冷たかった。避難小屋から、登りは急になった。アザミの葉が道に蔽い被さっているため、道をかきわけるのが大変であった。石の転がる水の枯れた沢状の道を登って行くと、ようやく焼石岳の丸い山頂が見えてきた。山頂付近は高原状になっており、幾つかの穏やかなピークが盛り上がっていた。焼石岳は、その中ではやはり一番高く、頂上からの眺めも良かった。幾つかのピークが続き、その間には湿原が点在していた。焼石岳は、頂上目指して攀じ登る山ではなく、沼や湿原、花を眺めながら楽しみ歩く山であるといえる。下りは、石で足下が不安定なため、ゆっくりと歩いた。避難小屋泊りで頂上を往復する者もおり、登山者の数も20人程はいたが、この奥深い山の静けさは保たれていた。下山後、麓の焼石クアパークで入浴した。間違ってプールもあるクアハウスの方に900円で入ったが、出てみたら普通の温泉施設(300円)もあった。
 入浴後、次にどの山に登るか迷った。栗駒山は近いが、日暮れまでまだ時間があるので、秋田駒ヶ岳までさらに北上することにした。秋田駒ヶ岳は、新潟から遠く、花のシーズン中は人出が多くて道路は大混雑となるらしく、行きづらい山である。途中、田沢湖に寄り、狭い道路を登って秋田駒ヶ岳八合目の駐車場に到着した時は、ガスもかかって暗くなりかけていた。駐車場脇の避難小屋には、家族連れの一家が入っていたので、駐車場にテントを張って泊ることにした。夜中には星が出ていたが、夜明けから雨になった。ガスの中を出発したが、晴の期待もむなしく、途中で雨具を付けることになった。遊歩道といった方が良い広い登山道が付けられており、山頂部の草原地帯に入ると、両側にロープが張られた中を歩くことになった。ガスで視界が効かないので、頂上を踏む事だけを目的として、まず男岳に登り、引き返して次に女目岳に登った。女目岳の頂上付近は、迷路のような土砂流出防止の木の柵の中の登りとなった。この山の登山道以外は草地になっていることから、このガレ場は人が踏み荒らしてできた人為的なものであるようである。八合目から簡単に登れることから、この山は入山制限でも必要なオーバーユースになっているようである。駐車場に戻ると雨は降っていなかったが、運動靴の軽装のハイカーが何人も登っていった。山を降りたところにある水沢温泉に400円で入浴したが、雨で冷えた体に温泉が心地好かった。東北の山の楽しみは、下山後の温泉といえる。新潟に戻るには、1日がかりであった。

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