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金時山、明神ヶ岳、明星ヶ岳

1994年3月 5日 前夜発日帰り 単独行 曇

金時山 きんときやま(1213m)   三等三角点  箱根(神奈川、静岡) 5万 御殿場、小田原 2.5万 御殿場、関本
明神ヶ岳 みょうじんがたけ (1169m) 
明星ヶ岳 みょうじょうがたけ( 924m)  箱根(神奈川) 5万 小田原 2.5万 関本、箱根

ガイド:山と高原地図 「富士 箱根」(昭文社)、東京周辺の山(山と渓谷社)、関東百名山(山と渓谷社)、日本300名山ガイド東日本編(新ハイキング社)、分県別登山ガイド「神奈川」

3月4日(金) 11:20 新潟発=(快速ムーンライト)
3月5日(土) =5:10 新宿着=5:13 発=5:32 東京駅=5:46 発=(東海道線)=7:16 小田原=7:30 発=(箱根登山鉄道バス)=8:18 仙石―8:42 乙女口―9:15 乙女峠―9:33 長尾山―10:05 金時山山頂〜10:30 発―11:00  矢倉沢峠―11:54 火打石岳―12:06 宮城野分岐―12:42 明神ヶ岳山頂〜12:53  発―13:17 鞍部―13:54  明星ヶ岳〜14:00 発―14:53 宮城野橋=14:56 発=15:36 小田原=16:01 発=17:30 東京=18:08 発=(上越新幹線あさひ321)=18:09 新潟

 金太郎伝説で有名な金時山は、箱根外輪山の最高峰であり、山頂が尖った険しい山容から猪鼻ヶ岳と呼ばれていたという。富士山の展望は有名であり、多くのハイカーが訪れる箱根を代表する山として、日本三百名山にも選ばれている。
穏やかな山容の明神ヶ岳は、金時山の連なりにある箱根外輪山の一つであり、昔の箱根越えの碓氷道がこの山を越していたため、旅の安全を祈って明神を祭ったのが名前のいわれといわれている。
箱根外輪山は、この明星ヶ岳で1000mを切ってしまうが、小田原の町からはこの山が一際高く見え、宵の明星がこの山の上に輝くことから、名付けられたと言われる。
 JR東日本土・日2日間乗り放題の切符(1万5000円)の発売期間も終わりに近づいてきたため、関東の山でなるべく遠くの山を登っておこうと箱根に出かけた。日本300名山には、箱根からは金時山と、もうひとつ一等三角点の神山が選ばれている。今回の山行でも、この2つを登ろうかと迷ったが、結局、金時山から外輪山を縦走することにした。これで今年3度目になる夜行列車は満席に近い状態で、東海道線の車内には、ゴルフや釣客が目立ち、早春の気配が感じられるようになってきた。仙石のバス停を降りて歩きだしたが、交通量が多く、山の出だしとしては気分があまり良くない。乙女口から林の中の登山道に入り、しばらく登ると乙女トンネルの上部に出るが、ここから笹原の中のジグザグの登りとなって、しだいに自動車の喧騒も遠く聞こえるようになった。一汗の登りで乙女峠に到着したが、どんよりした空の元、大望の富士山は見えなかった。峠から霜柱を踏みしめながらの登りとなり、長尾山からは残雪も現われるようになり、凍った道をストックを頼りに登り降りする道となった。金時山の山頂には2軒の茶屋が軒を接して並んでおり、金太郎小屋のおばさんが愛想良く休んで行きなさいと声をかけてきた。ガイドブックによれば金時小屋の方が元祖金時娘のようであるらしいが、汁粉の値段が400円(金時小屋700円)で安いのにつられて、金太郎小屋に入った。小屋の天井は、寄せ書きをした金太郎の腹掛けでうめつくされており、中には200回登山記念などというものもあった。登山名簿をみても繰り返し登っているものが多いようであった。汁粉は餅2個入りであり、結構量もあって、スキー場のものより遥かに満足のいくものであった。お茶を飲みながらコースを検討し、雪も少ないので、明星ヶ岳まで足を延ばそうと決心した。
 霜柱が融けた後の道は、泥沼と化しており、スパッツを付け、ストック頼りの下りとなった。縦走路の右手には、箱根の中央火口丘の神山の眺めが大きく広がっていた。矢倉沢峠を越すと行き交う登山客もまれとなり、明神ヶ岳への登りから振り返り見る金時山は、鋭く尖っていた。明神ヶ岳は遥かかなたであり、背丈を越す笹原の中を広く刈り払われた道が続き、途中小さなピークもあって、歩きでがあった。静かな縦走路から明神ヶ岳の山頂に出ると、集団も交え多くの登山客で賑わっていた。風が強くて寒い山頂からは、神山の見晴らしがよかったが、山頂広場は踏み荒らされて泥沼になっていた。明星ヶ岳へは、鞍部から僅かな登りで到着したが、展望が無く、祠と立て札が無ければ気が付かない山頂であった。下りの道は、共同アンテナのケーブルの保守道をからむように付けられており、途中急斜面をショートカットしながら一気に高度を下げ、麓に降り立った。温泉は次の機会にしてバスに飛び乗り、家路についた。


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