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西御荷鉾山、東御荷鉾山、赤久縄山

1994年1月9日 日帰り 単独行 晴

西御荷鉾山 にしみかぼやま(1286m)  二等三角点 西上州(群馬) 5万 万場 2.5万 万場、神ガ原
東御荷鉾山 ひがしみかぼやま(1246m)
赤久縄山 あかぐなやま(1522.3m) 一等三角点補点 5万 万場、富岡 2.5万 万場、神ガ原、下仁田

ガイド:群馬の山歩き130選(上毛新聞社)、関東百名山(山と渓谷社)、東京周辺の山(山と渓谷社)

1月9日(日) 4:05 新潟発=(関越道、本庄児玉IC、R462、鬼石、万場経由)=8:45 投石峠〜8:50 発―9:17 西御荷鉾山山頂〜9:51 発―10:08 投石峠〜10:25 発―11:01 東御荷鉾山山頂〜11:08 発―(11:20〜11:34 昼食)―11:45 投石峠=(御荷鉾スーパー林道、塩沢峠経由)=12:18 鉄塔下登山口―12:40  赤久縄山山頂〜12:51 発―13:06 鉄塔下登山口=(塩沢峠、万場、R462、鬼石、藤岡IC,関越道経由)=18:35 新潟着

群馬県の南西部に広がる西上州の山は、古くから愛好者を持った山域であり、多くの名エッセイや紀行文をうんでいる。深田久弥のエッセイ「神流川を遡って」では、「このあたりの山々は、ピッケルやザイルのクライマーたちには物足りなく、といってガイド・ブックを頼りのハイカーたちにはちょっと手にあまるといった風で、東京からそれほど遠距離でもないのに、一番見落されている地域のように思われる。」と述べられている。最近の中高年の登山ブームによって、この山域も注目されるようになっている。しかし、幸か不幸か、百名山は一つもないため、雑木林の中を落葉を踏みしめてたずねる静かな山が残されている。
 「父不見御荷鉾も見えず神流川 星ばかりなる万場の泊まり」という尾崎喜八の歌でも有名な西上州を代表する山が御荷鉾山である。古くは麓から1日がかりの信仰の山であったらしいが、御荷鉾スーパー林道が山頂直下に開通したため、家族ハイキングのグレードの山となっている。また、赤久縄山は、一等三角点が置かれ、神流川沿いの最高峰であるが、この山も御荷鉾スーパー林道のために、容易に山頂に到達できるようになっている。
 再び雪の新潟から、北関東へハイキングに出かけた。西上州は、前々から気にかかっていた地域であった。その入門ということで、短時間で登ることのできる御荷鉾山と一等三角点の赤久縄山を選んだ。8日は冬型が強まり、早朝は路面が凍結しており、運転が危険なため登山は中止。翌日は、高気圧が日本上空に居座り穏やかな気候になり、出かけることができた。神流川はダムによってせき止められて神流湖となり、流域の部落は急な山の斜面に追い上げられていた。谷は深く、冬の日差しは山の頂きを照しても、降りてこようとしなかった。今回の登山で最も気になっていたのは、御荷鉾スーパー林道の通行状況であった。万場の町から町営みかぼ高原荘への道標に従い、山頂へ向かった。道は舗装されているが、走るにつれて耳が痛くなるような急傾斜であった。しばらく走ると道は広くなり、ゴルフ場やキャンプ場が現われて逆に開けた様子となり、御荷鉾スーパー林道に飛び出した。交差部に西御荷鉾山の登山口の標識があったが、山頂へのピストンの都合上、投石峠へ車を進めることにした。御荷鉾スーパー林道はほとんどが舗装され、冬季は全面通行止めとの立て看板があったものの、この区間は一部に凍結が見られるのみであった。途中に尾崎喜八の碑が建っていたが、自然破壊の象徴の林道脇で、本人には迷惑なように思われた。投石峠から西御荷鉾山へは、横丸太が敷かれた階段の登りで始まったが、雑木林から杉林に変るとつま先立の急な登りとなった。落葉に蔽われた道を登りつめ、10センチ程の雪が積もった山頂に到着すると、石像が迎えてくれ、そして大展望が。山頂は草原となって、南面には、二子山、両神山、奥秩父の連山。幾重もの山なみが遥かまで広がっていた。北面には、妙義山、鼻曲山、浅間隠山、浅間山、草津、谷川連峰、榛名山、子持山、武尊山、赤城山。おりしも登ってきた中高年6人グループと、山を差し示しながら山岳展望を楽しんだ。
 投石峠に戻り、東御荷鉾山に向かおうとしたが、昔あったと思われる尾根道は林道の切り通しで寸断されおり、登り口が判らなかった。林道の先まで車で探しに行ってみたが、結局峠を僅かに進んだ所の急斜面にコースが付けられていた。先程のグループも登り口が判らないでいたので、登り口を教えてあげた。尾根上に出るとしっかりした道が続いていた。ひと登りすると伐採地に出て、振り返ると西御荷鉾山の眺めが素晴らしかった。この上が頂上かと思って踏み跡を登ってしまったが、これは間違えであった。稜線上にもかすかな踏み跡があったので枝をかきわけて進んでいくと、このピークを下って、先ほどの道に出てしまい、本当の登りになった。東御荷鉾山の山頂は、木々のため見晴らしは良くなかった。
 欲張ってさらに赤久縄山へ向かった。塩沢峠には、舗装された良い道が上がってきていたが、その先から林道上に残雪が現われ、凍結状態になった。スタッドレスタイヤの四駆の乗用車で、雪道には比較的慣れているため進むことができたが、一般的には塩沢峠までが安全であったろう。塩沢峠から赤久縄山への登山道は、御荷鉾スーパー林道によって寸断され、鉄塔下からが最後の登りとなtた。残雪の残る雑木林の登り僅かで、一等三角点の置かれた赤久縄山の頂上に到着した。眺めは、富士山の先が見えるものの、西御荷鉾山ほどではなかった。展望と日だまりハイクに堪能して山を降り、桜山温泉センター(2時間400円)で汗を流して雨の新潟へ帰った。

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