9340

二岐山

1993年11月27日 日帰り 単独行 曇時々小雪

二岐山 ふたまたやま(1544m) 二等三角点 北会津(福島) 5万 田島 2.5万 湯野上、甲子山

ガイド:ふくしまの山 50(歴史春秋出版)、福島県の山(山と渓谷社)、東北百名山(山と渓谷社)、東京周辺の山(山と渓谷社)、東北の山(山と渓谷社)

11月27日(土) 4:45 新潟発=(R49、会津若松、R121、芦ノ牧温泉経由)=8:00 林道分岐駐車場〜8:05 発―8:13 二岐温泉―8:59 御鍋神社入口〜9:08 発―9:13 登山口―9:43 T字路―9:49 ブナ平分岐―10:20 男岳山頂〜10:30 発―11:00 女岳―11:47 林道登山口〜11:56 発―12:24 林道分岐駐車場=16:50 新潟

 二岐山は2つの丸味を帯びたピークを持つ双耳峰で、別名を乳房山と呼ぶらしい。その昔、大男のダイダラ坊が山をまたいだ時に、股間の一物をひっかけたために、頂きが2つに裂けてしまったという伝説がある。山頂からの眺めは素晴らしいといわれており、日本300名山に選ばれている。
 新潟は、登山はとてもできない、初冬のみぞれまじりの天気となっている。雨マークの付いていない会津地方の山ということで、300名山に選ばれている二岐山に出かけた。2日前の冷え込みで山間部にはかなりの積雪があったとのことで、北会津の山々も新雪でごま塩の状態となっていた。周遊コースをとる関係で、二岐温泉手前の林道分岐脇のスキー場の駐車場に車をとめて歩きだした。二岐温泉は、山奥の谷あいのいで湯ではあるが、かなり高そうな宿が何軒もならんでいた。温泉街をとおり抜けると未整備の林道となり、道路上に積雪が現れた。ガイドブックには、普通車による通行は困難と書いてあったが、雪の無い時期であったならば、注意すればそれほど困難な道ではなさそうであった。歩きはじめてすぐに小白森の登山口を左に見るが、車道をそのまま歩き続けた。1時間程歩いて、そろそろかなと思うころ、御鍋神社の入口に到着した。笹原の道を少し下ると神社があった。御鍋神社の縁起は、八幡太郎義家が野営した時の鍋であるとか、平の将門が追っ手を逃れた時の大鍋であるとか言われており、いずれにせよお鍋が御神体となっている。御鍋神社入口の先で登山道に入った。八丁坂と呼ばれるらしいが、ブナ林の中の急な登りであった。道は所々曲っているが、立ち木の赤ペンキで迷う心配はなかった。登山道を雪が一層覆っていた。斜面が緩やかになるとブナ平に到着した。踏込まないようにコースの先の林道跡には、ロープで通行止めがしてあった。伐採により、見晴らしの良くなったブナ平からは、男岳への最後の登りが見えた。再び急な斜面を登り切って山頂に到着すると、小雪がちらつき始めた。雪雲が流れてきて回りの視界が閉ざされる。山頂で無線通信を行っていた2人連れも、お鍋神社方面に下山してしまい、1人きりの山頂となった。寒いので下山にとりかかった。女岳方面には足跡は無く、30センチ程の本格的な積雪となっていた。スパッツをつけ、ストックを取り出して、装備を整えて歩きだした。鞍部に下ってから再び女岳に登り返した。女岳頂上は樹木に覆われているが、下り口の所から見晴らしがきくようであった。下りは急で、しかも雪が積もっており、固定ロープを頼りにズリ落ちた。往路をもどるべきであったかと不安を憶えるが、長い固定ロープが絶え間無く続くので、コースを下り続けた。傾斜も緩んで、ようやく辺りに注意を払う余裕が出てきた。道の雪の上には、動物の足跡が点々と付いて、登山道がけもの道となっていた。これはきつね、うさぎ、小さいのはいたちだろうか。この大きいのは爪跡もあり、もしや熊では、と急に不安になった。細い木が並んだ美しい雑木林を抜けると鳥居があり、林道に出た。この登山口まで車で入って登り始める夫婦連れに会ったが、出発時間と、積雪のため、登頂できたかは疑問であった。雪雲に覆われた山頂を振り返りながら、林道を歩いて車に戻った。会津の山も雪で覆われ、来春まで冬ごもりに入ったようである。


山行目次に戻る
ホームページに戻る