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新保岳、日本国

1993年11月13日 日帰り 単独行 曇のち雨

新保岳 しんほだけ(852m) 一等三角点補点 葡萄山地(新潟) 5万 勝木 2.5万 葡萄
日本国 にほんこく(555m) 二等三角点 新潟山形県境(新潟、山形) 5万 温海 2.5万 鼠ケ関

ガイド:新潟ファミリー登山(新潟日報)、新潟の山旅(新潟日報)、新潟50山(新潟日報)、越後の山旅上巻(富士波出版)

11月13日(土) 4:20 新潟発=(R345、中条、R7、村上、塩野、林道新保岳線)=6:55 赤沢尾根登山口―7:55 見晴―8:15 新保岳山頂〜8:20 発―9:17 登山口=(R7、府屋、小俣)=10:15 小学校前登山口―10:56 蛇逃峠(じゃのげとうげ)―11:08 日本国山頂〜11:13 発―11:20 蛇逃峠〜11:33 発―12:04 蔵王堂登山口―12:20 小学校前登山口

 新保岳は、新潟県北部の朝日連峰と笹川流れの海岸部との間に盛り上がった葡萄山脈の最高峰である。それほど特徴の有る山ではないが、一等三角点が置かれていることから登られている。
 山とか岳がつかない変った名前を持つ日本国は、旧出羽街道沿いの新潟山形県境に位置する低山である。名前の由来としては、都からの落ち人がこの山に登り、この山から向うが日本国と言ったとか、エゾ地との境の山で日本を誇示するために名付けたと言う説がある。また、この山で捕獲した鷹を鶴岡の酒井候に献上したところ、日本一の見事な鷹よ、これより捕れた山を日本国とせよと言ったことによるとも言われている。観光開発を進める山北町の手によって、登山道や設備が整備され、手頃なファミリー登山の山となっている。
 朝日連峰前衛の鷲ヶ巣山に登る予定で早起きして出かけた。天気予報では、西からくずれ初めており、登山口に到着の頃から雨となった。朝日連峰の展望が楽しみな山なので、次の機会に回すことにし、新保岳に向かった。舗装された林道を登山口まで進んだ。登山口には、判り易い標識が立っていた。路肩の駐車スペースに車をとめ、向かいのヤセ尾根に取り掛かかった。いきなりの急な登りとなった。林道がさらに山あいまで延びているのが見えた。登山道は尾根とおしに付けられていた。木々の葉はすっかり落ちて見通しが良くなっており、左右には谷を越して山の連なりが眺められた。気温は高く、急な登りの連続で、Tシャツになって登った。冬枯れの静かな山であるが、やぶの中でガサガサいう音がして熊が心配になり、鈴を鳴らしながら登った。見晴に到着すると、ようやく山頂も見えはじめた。ブナ林をぬけ、最後の急坂を頑張って山頂に到着した。一等三角点は、林で囲まれた広場の真ん中にあった。海の方面だけが切り開かれ、粟島もすぐ目の前であったが、木が邪魔をして全景は眺められなかった。下りの坂の途中からは、鷲ヶ巣山や朝日連峰を眺めることができた。下りの途中で小雨もパラつき始める。天気のせいか、知名度のせいか、誰にも会わない山であった。
 時間も早いので、もう一山登ることにした。日本国の登山口には、5台程の駐車スペースがあり、すでに3台の車がとまっていた。雨も本降りとなったが、傘だけで登り始めた。広い登山道が付けられており、急斜面になると、直登コースと迂回コースが細かく分れていた。尾根上に出ると、左の谷越しに日本国の山頂が見え始めた。蔵王堂との分岐の蛇逃峠からひと登りで山頂に到着した。頂上には、三角点と、展望台やベンチが設けてあったが、休憩小屋は土台の跡だけであった。雨のためか遠くは良く見えず、風もでてきたので早々に下山した。見晴らしは、山頂よりも蛇逃峠のほうが優れており、粟島が海に浮び、山合いの集落を前景にして、朝日前衛の山々が良くみえた。落葉の積もったつづら折りの坂を下り、蔵王堂登山口から小俣の集落を通り抜けて車に戻った。 新潟への帰路、R7沿いの塩野町パーキング脇にある、公営まほろば温泉(400円)に入浴した。

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