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金城山

1993年11月3日 日帰り 単独行 快晴

金城山 きんじょうさん(1369m) 標石の無い標高点 三国山地(新潟) 5万 十日町 2.5万 六日町

ガイド:アルペンガイド「谷川岳・上越の山」(山と渓谷社)、越後の山旅 下巻(富士波出版)、新潟の山旅(新潟日報)、新潟ファミリー登山(新潟日報)、新潟50山(新潟日報)

11月3日(水) 5:00 新潟発=(関越道、六日町IC、宮村経由)=7:00 五十沢(いかさわ)登山口―(水無コース)―8:07 五合目―9:11 避難小屋―9:32 金城山山頂〜10:30 発―(滝入コース)―11:37 六合目―12:47 五十沢登山口=16:30 新潟着


 魚沼平野から越後三山や巻機山方面を眺める時、これらの山に高さこそ及ばないが、三角形にの形の整った山にまず目が留る。これが金城山で、その名前は、金の形に似ていることに由来している。山頂は切り立った壁をめぐらせた岩山となっており、かつては信仰の山であったらしい。最近の登山ブームでもあまり話題にものぼらず、忘れられた存在になっているが、越後三山や巻機山の展望は素晴らしく、もっと登られても良い山である。
 雨が続き、先週末はひさびさに自宅謹慎となってしまった。文化の日だから晴という天気予報があたり、ようやく快晴の山に出かけることができた。今年は百名山のため、地元の山をおろそかにしていたので、反省して上越の山に出かける。金城山は、上越のスキーの行き帰りに気になっていた山である。冬の間、越後三山や巻機山は雪雲に隠されて姿を見せないことが多いが、金城山は標高が低い分、山頂をのぞかせて目を楽しませてくれる。五十沢登山口の駐車場に車をとめ、歩きだしてすぐの登山コースの案内板で、2つのコースの分岐点となった。右に沢を渡って滝入コースとなるが、砂防工事中で橋が通行止めになっていた。迂回路の矢印に従って杉林を直進すると、水無コースに入ってしまった。看板を過ぎてすぐに右の沢に降りて、対岸に渡るべきであることを下山してきた時に知った。水無コースは、沢から離れると尾根の一本登りとなった。数ヶ所鎖が掛けてあり、掴んだ木の根をたよる急な登りが続いた。紅葉も終わり、木も裸になって見晴らしは良くなっていたが、落葉に道が隠され、しかも濡れ落葉が滑り、足を進めるのに普段よりも注意を要した。急斜面を登りきった九合目の清水沢山は、八海山、駒ヶ岳、中ノ岳の三山を同時に見ることのできる好展望台であった。山々は白くなり、今シーズンの山も残り僅かとなった。頂上の一角にはトイレも完備した立派な避難小屋が設けてあった。新潟県に営業小屋は殆ど無いが、立派な避難小屋が設けてあることは自慢できる。避難小屋の先で、大岩を積み上げた金城山の頂上が姿を現した。岩の間を潜り抜けて山頂に立つと、尾根続きに巻機山が高く聳えていた。50mほどもある絶壁の縁に腰を下ろし、静かな山頂で風景を楽しんだ。他の登山グループも登ってきたので下山にかかった。下山は、登り以上に足下が不安定で何回か尻もちをついた。行き会う人と立ち話をしながらゆっくりと下りるが、これも人気の少ないせいであろう。滝入コースは、六合目からは幾つかの滝を見ながらの沢沿いの道となった。下山までに会ったのは8名のみの静かな山であった。


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