大沢山

大沢山


【日時】 2020年8月29日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 新津丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大沢山・おおさわやま・285.2m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新津/矢代田
【コース】 大沢峠より中部北陸自然歩道
【ガイド】 中部北陸自然歩道マップ

【時間記録】 5:20 新潟発=(R.49、亀田、R.403、県道村松田上線 経由)=5:55 大沢峠〜6:20 発―6:35 大沢鍾乳洞―6:50 大沢山―7:21 大登峠展望台―7:31 花立松―8:00 今滝冬鳥越線分岐―8:34 十字路―8:39 皆川不動尊―8:43 十字路―9:20 大沢山―9:35 大沢鍾乳洞―9:46 大沢峠=(往路を戻る)=10:50 新潟着
 大沢山は、大沢峠の南にあり、新津丘陵では猿毛岳に次ぐ高さを持ったピークであるが、稜線上の高まりといった感じで、目立ったピークではない。加茂の長瀬神社から護摩堂山に至る中部北陸自然歩道が、大沢山を通過しており、このピークだけをめざすならば、大沢峠から大沢鍾乳洞を経由するコースが近い。
 猛暑が続いており、朝のうちに登り終えることのできる近場の山を考えた。「中越北陸自然歩道 雪椿のみち」の菅沢から大沢鍾乳洞口までは2020年1月に歩いたが、その南半分の大沢鍾乳洞口から長瀬神社の区間は、2011年5月以来歩いていない。今回は大沢山を中心とした北部を歩き、長瀬神社を起点とした南部は次の機会とすることにした。
 大沢鍾乳洞入口の駐車場に到着して車の外に出ると、早朝にもかかわらず熱気が襲ってきた。ここには、「加茂・三条エリア 中部北陸自然歩道トレッキングルート案内」の立派な看板が置かれているので、地図を写真に撮るなど確認しておくことを勧める。ただ、この地図は、西が上になって90度回転しているため、方向が判り難くなっているのが難点である。今回は雪椿の道を辿り、林道今滝冬鳥越線出会いからこれに進み、皆川ハイキングコースで大沢山へ戻る環状コースを歩くことにした。
 大沢鍾乳洞入口から林道を上がっていくと民家が現れる。駐車場に一台の車が置かれていたのは、ここの家の持ち主の物であったのだろうか。ひと汗かいて台地に出ると、大沢鍾乳洞が現れる。内部には照明がないため、懐中電灯は必携である。ただ、鍾乳石のようなものは無い暗い穴でしかないので、今回は内部に入るのは省略することにした。入り口の背後には東屋も設けられており、その脇から登山道が始まっている。
 杉林の広がる谷間を進んでいくと、登山道は左に曲がって尾根上への急登となる。所々崩れた丸太の段々をひと登りして尾根の上に出ると、あとは緩やかな登りで大沢山に到着する。広場の中に三角点が頭を出しているが、標石の損傷がはなはだしい。最近は、山頂標識を取り付ける者が多いが、ここには目印のようなものは見当たらなかった。人のあまり登らない山は、山頂であることはGPSで自分で確認すれば良く、わざわざ山頂プレートを取り付けるのはおせっかいな仕業である。
 山頂から下り始めると、立派な案内板が置かれており、皆川ハイキングコースが右に分かれる。皆川ハイキングコースを歩いてここに戻ってくることにして、直進した。小ピークを越して緩やかに下っていくと、林道が左下に沿うようになり、最終的にはこの林道に下り立つ。この林道は地形図や案内板の地図には載っていない。この先しばらくは林道歩きが続く。時間あるいは場所の問題かは判らないが、蚊が急に多くなって、何か所も刺されるようになった。再度虫除けスプレーをかけ、電池式蚊取りを振り回すがほとんど効果がなかった。
 大登峠近道の標柱があり、山道が分かれるが、今回は花立松にも寄るため、林道をそのまま進んだ。長瀬神社方面へと下りを急ぐならこの近道に進むべき。ただ、この分岐のすぐ先が大登峠展望台なので、そこまで足を延ばすべきである。大登峠展望台は、このトレッキングコースで唯一展望が開けた場所である。東の展望が開けて、菅名岳や川内山塊を眺めることができた。
 大登峠展望台の先へ林道を進んでいくと、ヘアピン状に折り返す林道が分かれ、これが自然歩道の正規ルートである。今回は林道を直進して、花立松まで足を延ばした。小ピークを巻いて林道が下りに転ずる所が花立松で、地形図では破線道が南に下っているように書かれている。道路脇の藪を見ると、「花立松ハイキングコース小貫へ」と書かれた標柱が置かれていた。草に覆われた踏み跡状態であるが、なんとか歩けそうであった。
 来た道を戻って、ヘアピン状分岐から大曲へと進んだ。トラバース道から緩やかな下りに転じると、林道今滝冬鳥越線が横切る十字路に出た。ここにも立派な案内板が置かれているが、これを見るハイカーはどれほどいるだろうか。今回は、皆川不動へと林道今滝冬鳥越線に進んだ。舗装された広域林道であるが、車の走った形跡は見当たらなかった。林道はうねうねと曲がり、標高差130mほどの下りになった。逆コースに歩くことは勧められない。
 皆川ハイキングコースとの十字路に出たが、大沢山方面の林道は草に覆われており、皆川不動への道が合わさるT字路といった状態になっていた。皆川不動へは、車一台幅の沢沿いの道が続いた。250mほど先で青い屋根の小さなお堂が現れ、これが皆川不動であるが、夏草に囲まれて道路から足を踏み入れる者はいないようであった。この道を下っていけば上条に出るが、大沢山へとここで引き返すことにした。
 十字路から草に覆われた林道に進んだ。林道跡といった状態で、谷間に草のベルトが延びていた。以前に歩いたことがあるので進む気にもなるが、ハイキングルートとしては、廃道寸前といった状態であった。ただ、ルートとしては、谷間をそのまま登っていくので判りやすい。林道跡の終点を過ぎると、踏み跡を外さないように、草をストックで掻き分けて確認する必要も出てきた。前方の高みの向こうに空が透けるようになると、皆川ハイキングコースの標柱が現れて、ここで右手に向かって斜上するようにコースが変わった。ひと登りすると、大沢山直下の分岐に戻ることができてひと息つくことができた。この分岐から皆川ハイキングコースに進もうとすると、谷間に下り立ったところで、藪に恐れをなして引き返してしまうかもしれない。後は、大沢山を越して大沢鍾乳洞入口に戻ることになった。
 早い時間から歩ける近場の山を選んでも、低山はやはり暑く、夏草も茂ってともすれば藪漕ぎ状態になってしまう。これも修行と思って、汗を流すしかない。  

山行目次に戻る
表紙に戻る