木津八海山、山寺山、城山、苗場山、一本杉、坊ヶ沢山・あいの峰、樽山、坊谷山

木津八海山・山寺山・城山、苗場山、一本杉、坊ヶ沢山・あいの峰
樽山、坊谷山


【日時】 2020年8月1日(土)〜2日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 1日:曇り 2日:晴

【山域】 山古志周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 木津八海山・きづはっかいさん・306m・なし・新潟県
 山寺山・やまでらやま・298.5m・三等三角点・新潟県
 城山(ひ生城跡・ひうじょうせき)・しろやま・260m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小千谷
【コース】 道の駅「ちぢみの里おじや」より
【ガイド】 なし

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 苗場山・なえばやま・163.7m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小出
【コース】 薬師公園より
【ガイド】 なし

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 一本杉・いっぽんすぎ・300m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小出
【コース】 響の森公園より
【ガイド】 なし

【山域】 魚沼丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 坊ヶ沢山・ぼうがさわやま・286m・なし・新潟県
 あいの峰・あいのみね・275.4m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小出
【コース】 小出郷広域農道より
【ガイド】 なし

【山域】 魚沼丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 樽山・たるやま・736.0m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/塩沢
【コース】  観音会館駐車場より
【ガイド】 なし

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 坊谷山・ぼたんやま・306.8m・三等三角点・新潟県
 大日様・だいにちさま・300m・なし・新潟県
 愛宕山・あたごやま・310m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/五日町
【コース】 登り:柳古新田コース、下り:稲見神社コース
【ガイド】 なし

【時間記録】
8月1日(土) 6:15 新潟=(R.49、R.403、三条、見附、R.8、R.17 経由)=7:00 道の駅「ちぢみの里おじや」〜7:28 発―7:54 山寺山登山口―8:24 木津八海山〜8:30 発―8:55 山寺山登山口―9:05 山寺山―9:37 城山〜9:45 発―10:15 極楽寺登山口―10:52 道の駅「ちぢみの里おじや」=(R.17 経由)=11:52 薬師公園駐車場―11:59 苗場山―12:05 薬師公園駐車場=12:26 響の森公園―12:43 尾根上広場―12:53 谷コース分岐―12:57 一本杉―13:02 三角点―13:06 一本杉―13:11 谷コース分岐―13:17 尾根コース分岐―13:30 林泉庵―13:36 響の森公園=(小出郷広域農道 経由)=13:56 坊ヶ沢山北登山口―14:03 坊ヶ沢山―14:10 坊ヶ沢山南登山口―14:12 坊ヶ沢山北登山口―14:17 あいの峰―14:23 あいの峰北登山口―14:28 坊ヶ沢山北登山口=(小出郷広域農道、R.17、塩沢、栃窪、魚沼スカイライン 経由)=16:25 観音会館駐車場  (車中泊)
8月2日(日)5:13 観音会館駐車場―5:30 樽山〜5:37 発―5:56 観音会館駐車場=(魚沼スカイライン、栃窪、塩沢、R.17、六日町、R.291、大崎 経由)=6:58 柳古新田登山口―7:15 山城―7:24 坊谷山―7:32 大日様―7:41 五重塔―7:48 愛宕山―7:59 五重塔―8:02 大日様―8:12 上水タンク―8:26 柳古新田登山口=(大崎、R.291、小出、R.252、R.290、栃尾、R.290、森町、R.290、加茂、R.403、R.49 経由)=11:00 新潟
 小千谷の町の中心部は、信濃川左岸に広がっているが、上越線の駅は、橋向こうの右岸に置かれている。この右岸部に広がる丘陵地にある山が、山寺山と城山である。道の駅「ちぢみの里おじや」からこの二つの山を結んで極楽寺に至るコースは、中部北陸自然歩道として整備されている。八海山は、山寺山の東に位置する山である。山頂にはお堂があり、麓の集落の木津の名前をとって木津八海山と呼ばれている。

 苗場山は、小出スキー場のある薬師山の東にある丘で、頂上に苗場山神社が祀られている。
 一本杉は、鳴倉山から西に延びる尾根の末端部の小ピークで、小出IC近くの響の森公園からと林泉庵から遊歩道が延びている。鳴沢山への登山道が整備されたことから、魚沼アルプスとも呼ばれる環状縦走路入口のピークとして訪れる登山者も多くなっている。

 小出のスキー場の背後の急緑地には、藤権現、駒見山、あいの峰に加えて坊ヶ沢山に登山道が整備されて小出市民の健康ウォーキングのコースとして親しまれている。

 魚沼スカイライン沿いにある樽山は、 観音会館駐車場より登山道が設けられており、山頂からは360度遮るもののない展望が広がっている。

 坊谷山は、八海山から西に延びる尾根が、魚沼平野に突き出て最後の盛り上がりを見せる小山である。山中の登山道沿いには石仏が置かれて、地元の信仰の山になっている。登山道が整備されて、魚沼平野の展望台として注目されている。

 日曜日にはようやく梅雨明けになりそうであったが、週末にかけて新潟県の上越と下越が大雨にみまわれ、土曜日にも雨が残るという天気予報が出た。雨の影響が少なそうな中越方面の低山歩きに出かけた。
 まずは、2014年9月以来歩いていない木津八海山・山寺山・城山を歩くことにした。下道を使って道の駅「ちぢみの里おじや」に到着すると、車中泊の県外ナンバーの車が何台も停まっていた。最近の新型コロナの流行によって、県外ナンバーの車には、過剰反応とは思いながら、警戒心をだいてしまう。
 駐車場背後の恐竜の像が置かれた児童公園に進むと、中部北陸自然歩道の看板が置かれており、山道が始まっている。林道跡のような幅広の山道をひと登りすると、左手から上がってきた林道に飛び出し、後はこれを辿ることになる。林道脇には畑も見られるが、車は走って来ず、のんびりと歩くことができた。高度を上げていき峠部に出ると、左手に山寺山の登山口が現れる。
 まずは、木津八海山に向かうことにした。峠部から先は、林道上に草が生えるようになったが、短く刈払われていた。カーブを交えながら下っていくと、前方に見える279mピークの下を巻くようになる。地形図にも破線と実線の道が記されているが、実際にはそれよりも高い所を通過していた。以前は、分岐する道も見られていたが、耕作放棄地の広がりによってその作業道も消えてしまっている。279mピークの下を抜けると、右手から舗装道路が上がってきて、左折してこれをしばらく辿る。大きな養鯉池が現れると、池越しに木津八海山の山頂を望むことができる。
 池を過ぎると、右手に車道が分かれ、その入り口に木津八海山の標識が置かれている。急坂を登っていくと養鯉池が現れ、車道終点部から参道が始まっている。赤い鳥居を抜けると石段となり、これを登り切ると木津八海山の山頂となる。木津八海山の山頂は、石灯篭とお堂の置かれた小広場になっている。木立によって一部が隠されているが、地震によるものと思われる崩壊の跡が荒々しいひ生城山も眺めることができた。
 峠部へ戻り、山寺山への道に進んだ。雑木林の中を登っていくと、展望図が置かれた小広場に到着し、ここが山寺山の山頂である。展望図が置かれているものの、木立が伸びて展望は閉ざされている。地形図ではアンテナマークが記載されているが、最初に登った時の2004年9月の段階で撤去されており、僅かに土台が残されているだけである。また、三角点は、登山道の先の少し下った所に置かれている。
 山寺山の先は、崖際の道が続く。崖際には鉄杭が打たれてロープが張られている。草が延びて崖は隠されているが、見晴らしが開ける所からは切り落ちているのを確認できる。展望が開ける所からは、登ってきたばかりの木津八海山や朝日山も眺めることができた。
 北に向かう稜線から左に方向を変え、一旦下ってから登り返すと魚沼線No.55の送電線鉄塔の下に出た。以前、この鉄塔手前は夏草が伸び切っていたこともあったが、きれいに刈払いされていた。直進する道は巡視路で、案内板に従って左に曲がってから右に再び曲がると堀之内線No.32鉄塔下に出る。先回は中途半端な刈払いで道が不明瞭になっていたが、現在は道自体ははっきりしていた。
 雑木林を抜けるとトラバース道となり、右手に分かれる道に進んでから尾根沿いにひと登りするとひ生城山の山頂に到着した。山頂はベンチも置かれた小広場になっており、展望図も置かれ、信濃川や長岡付近の平野部、朝日山の眺めが広がっていた。
 ひ生城山の山頂からは、極楽寺への道に進んだ。山頂から下り始めると堀切跡と思われる短い急坂が現れるが、その後は緩やかな尾根歩きが続く。枝分かれする道を見送ってさらに尾根沿いに下りを続けると西に方向が変わる。枝尾根を下ると送電線鉄塔が現れ、そのすぐ下で尾根沿いの道から分かれて南方向の道に進む。この分岐のすぐ先で水場が現れ、その脇の窪地には不動尊と思われる石像が祀られていた。水場の名前は掲示されていないが、不動の水場と呼ばれるのかもしれない。トラバース道からカーブを交えながらの下りになると、極楽寺の駐車場に下り立った。
 この後は、道の駅「ちぢみの里おじや」までのいささか長く感じる車道歩きを頑張ることになった。山中の林道歩きよりも、市街地の歩きの方が辛く感じる。
 車に戻って、次は小出の苗場山に向かった。小出市街地から日帰り温泉施設のユーパーク薬師に向かうと、その手前に薬師公園があり、テニスコートや蕎麦屋利用者の駐車場が設けられている。薬師山とは反対の西側の丘に向かう車道を登っていくと、やまびこ荘があり、その駐車場脇から石段が始まっていた。ひと登りすると広場に出て、石の鳥居や石碑、石の祠が置かれていた。「苗場山」と書かれた鳥居の扁額は地面に立てられていた。北に向かう道に進むと、すぐに車道に出たのでこれを引き返して薬師公園に戻った。この苗場山は、山というよりは神社の名前で、歩行時間も登山の対象にはならないものであった。
 続いて、すぐ近くの一本杉に向かった。響の森公園から山に向かうと谷間に溜池が設けられており、谷の両脇に延びる尾根の合流部が一本杉である。響の森公園から一本杉へは、谷の両脇の尾根沿いと、南尾根下部から北尾根上部に谷を横断するコースの三本が整備されている。正確な名前は知らないが、とりあえず、北尾根コース、南尾根コース、谷コースと呼ぶことにしよう。鳴沢山へ向かう際の先を急ぐ場合には、南尾根コースを使うことになる。今回はまだ歩いたことのない北尾根コースを歩くことが目的である。
 溜池の下で左折し、急坂をひと登りするとトラバース道に変わった。歩くものは少ないようであるが、登山道は良く整備されていた。尾根の末端部の南西に回り込んでから九十九折の道で高度を上げていくことになった。傾斜が緩やかになると、休憩用の広場が設けられ、大力山方面の眺めが広がっていた。広場のすぐ先で下から延びてきた山道が合わさった。地形図にも記載されている上原方面からの山道のようであった。
 広場からしばらくは緩やかな尾根歩きが続いた。小さな高まりを過ぎると、谷コースとの分岐になった。テープが取り付けられているものの標識はないので、初めでの場合は見落としやすい。分岐の先は、一本杉への最後の登りになった。
 一本杉は、杉の木が生えて、その下には石仏が祀られている。ベンチも置かれており、小出の市街地を眺めながら休むには良いところである。一応三角点まで足を延ばして鳴倉山の眺めを楽しんだ。三角点からは北に向かって送電線巡視路が下っている。以前に歩いた時は、蜘蛛の巣だらけであったが、道は良く整備されていた。北尾根コースの下部で合流した上原からの道を使えば周回に良さそうである。
 北尾根コースを戻り、谷コースに進んだ。急坂も僅かで、谷を巻いていく道に変わった。水平になった道を進んでいくと南尾根コースに出ることができた。尾根沿いに下っていくとブナ林が広がり、その先で響の森公園と林泉庵との分岐になる。まだ歩いていない林泉庵への道に進んだ。林泉庵での登山口は山門から進んで左手にあるが、少し判り難い。林泉庵からは、車道歩きも僅かで響の森公園に戻ることができた。
 もうひと頑張りして、小出スキー場上部の丘陵地にある坊ヶ沢山を訪れることにした。6月5日に藤権現、駒見山、あいの峰を結んで歩いたばかりであるが、その後、それらに隣接する坊ヶ沢山にも登山道が設けられていることを知った。今回は、時間短縮のため、小出郷広域農道から歩き出すことにした。
 日帰り温泉施設の「見晴らしの湯こまみ」に向かい、その入口を通り過ぎて高度を上げていくと坊ヶ沢山とあいの峰に挟まれた峠部に到着する。両ピークとも、小出郷広域農道から二本ずつの登山道が設けられている。坊ヶ沢山の北側登山口とあいの峰の南側登山口は向かい合っている。駐車スペースは無かったので、路肩に寄せて駐車した。
 まずは、坊ヶ沢山の北側登山口から歩き出した。車道脇の法面の上を少し辿ると、山頂に向かっての急坂に変わった。ひと登りで、広場になってベンチも設けられた坊ヶ沢山の山頂に到着した。小出市街地やその周辺の山の眺めが広がっていた。北側の尾根沿いにも山道が続いており、そのうち確かめてみる必要がある。南に向かっては九十九折の幅広の道が整備されており、最後は杉木立の中で車道に下り立った。
 坊ヶ沢山の北側登山口に戻り、向かいにある登山口からあいの峰へ向かった。窪地を登っていき、尾根上に出たところで左折。ひと登りであいの峰に到着した。下山は、先回も歩いた北側登山口に進んだ。尾根末端部で、土砂崩れ防止のためか網が被せられた痩せ尾根を辿ると、林道跡に下り立って、小出郷広域農道に戻ることができた。
 坊ヶ沢山とあいの峰は、小出郷広域農道からは短時間で登れるが、この8の字コースならば、それなりに歩きがいのある登山を行うことができる。
 結局土曜日に雨は降らず、梅雨明けになったのか、気温も高くなってきた。涼しいところで夜を過ごしたいと思い、魚沼スカイラインに向かうことにした。
 塩沢から栃窪峠へは、一気に高度を上げることになった。栃窪峠に出て、右折すると駐車場も設けられた観音会館に到着する。観音像脇の高台からは、樽山がピラミッド型の姿を見せ、巻機山や谷川連峰の展望が広がっている。この展望台は、雲海ビュースポットという案内板も置かれ、観光スポットになっていた。夜の間も訪れる観光客もいそうなため、少し離れたところで夜を過ごした。
 明るくなった所で観音会館に戻った。丁度朝日が昇るところであったが、樽山の陰になっており、日の出観察のためには別の所に移動する必要があった。
 観音会館の奥から樽山への登山道が始まっている。まずは緩やかに下っていくことになった。登山道はしっかりしていたが、朝露を乗せた草がズボンの裾をすって、たちまち濡れてしまった。樽山の麓に辿り着くと、大きなカーブを描きながらの登りになった。山の傾斜の割に登りやすい登山道であった。
 樽山の山頂は、「役の行者」の石碑が置かれ、全周囲の展望が広がっていた。越後三山、巻機山、谷川連峰を一望でき、魚沼平野の稲田や魚沼川を見下ろすことができた。樽山は、展望の山として登る者が増えても良いであろう。
 続いて坊谷山に向かった。先回の2016年7月と同じ柳古新田登山口から歩き出すことにした。工場敷地の入り口にボタンと書かれた登山者用駐車スペースが設けられている。登山口に置かれている案内図を確認してから登り始めた。
 階段状に整備された尾根沿いの急登が始まり、いきなり汗が噴き出てきた。ひと頑張りして傾斜が緩やかになると山城(くるわ、見張り所)と書かれた標識が置かれていた。この後は傾斜も緩やかになった。緑濃い登山道を進んでいくと、三角点の置かれた坊谷山の山頂に到着した。草が少し伸びていたが、浦佐駅と上越新幹線の高架線路を良く眺めることができた。2016年7月に登った時は、登山口に「現美新幹線展望」という案内板が置かれていたが無くなっており、現在は「健康増進健康ロード」という案内板に変わっていた。なお、現美新幹線の運行も今年で終わるという。
 三角点から先に進んでいくと、稲見神社への道が分かれた、歩いたことにないこの道から下山することにした。分岐のすぐ上で、大日様の石仏が置かれた広場に出た。草の刈り払いもしっかりされており、ここが本来の山頂であるような雰囲気であった。
 大日様の先で五重塔の置かれた塔之山に出る。この五重塔は江戸時代中期に大崎の地に災いが降りかからぬように造られたもののようである。先回は、ここから門前コースを下山したが、今回は稜線沿いに愛宕山まで進むことにした。起伏も僅かな道を進んでいくと愛宕山に到着した。この先は細越ルートへと下っていくことになるので引き返した。
 愛宕山から大日様まで戻るのも僅かなほぼ平坦で、体力をさほど使わないで済んだ。稲見神社への道に進むと、杉林の中の緩やかな下りになった。思ったよりも短い時間で上水タンクへ上がってきている車道に飛びだした。標高を比べると、柳古新田ルートでは急坂がようやく終わる頃であった。後は車道歩きで柳古新田へと戻ることになった。
 車に戻ったところで、他に車は無かった。中越方面では小千谷の城山や六日町の坂戸山といった毎日登山を行う者がいるオーバーユースに陥った山があるが、坊谷山はまだ静かな山歩きを楽しむことができる状態が保たれていた。

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