日本国

日本国


【日時】 2020年7月19日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 山北
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 日本国・にほんこく・555.4m・二等三角点・新潟県、山形県
【コース】 小俣登山口より周遊
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/温海、勝木/ 鼠ヶ関、勝木
【ガイド】 新潟100+10名山(新潟日報事業社)、新・分県登山ガイド「新潟県の山」、分県登山ガイド「山形県の山」

【時間記録】 5:10 新潟=(R.7、蓮野IC、R.345、荒川胎内IC、日本海東北自動車道、朝日まほろばIC、R.7、府屋 経由)=6:56 小俣駐車場〜7:20 発―8:03 松ヶ峰―8:03 沖見休憩所―8:24 蛇逃峠―8:44 日本国〜8:50 発―9:05 蛇逃峠―9:49 蔵王登山口―10:04 小俣駐車場=(往路を戻る)=12:10 新潟
 日本国は、旧出羽街道沿いの新潟・山形県境に位置する山である。山とか峰、岳とかいう字の続かない変わった日本国という山名の由来としては、都からの落ち人がこの山に登り、この山から向うが日本国と言ったとか、エゾ地との境の山で日本を誇示するために名付けたと言う説がある。また、この山で捕獲した鷹を鶴岡の酒井候に献上したところ、日本一の見事な鷹よ、これより捕れた山を日本国とせよと言ったことによるとも言われている。新潟県側からの登山道が一般的であるが、山形県側からの登山道も開かれている。

 日曜日の天気予報は曇り時々雨というものであったので、雨でも歩ける山ということで日本国へ出かけることにした。日本国は、2011年5月以来登っていないこともある。
 海沿いの府屋から内陸部に入っていくと小俣の集落に到着する。かつての出羽街道沿いの宿場町であることは、古い家並みからうかがうことができる。廃校になった小俣小学校のグランドが登山者用の駐車場になっており、駐車スペースの心配はいらない。道路沿いには、「日本国ふれあいパーク」として公園が設けられている。
 「日本国ふれあいパーク」の向かいが、木のゲートが設けられた日本国の登山口になっている。尾根の立ち上がり部分は急坂であるが、九十九折りの登山道で歩きやすくなっていた。ひと登りしたところで水場が設けられていたが、歩き初めのためにそのまま通過した。登山道は、地形図に書かれている破線よりも西側に回り込んでから尾根沿いに乗るように続いていた。コース案内として、1/27といった案内板が置かれていたが、20というような区切りの良い数で割り振った方が判りやすい気もする。
 登りの傾斜が緩むと松ヶ峰の休憩所に到着した。木立に囲まれた広場にはベンチが置かれていた。その先は緩やかな登りになって、ひと息つくことができた。13/27を過ぎた418標高点の手前では沖見休憩所が設けられていた。海岸線に広がる府屋の街並みが見えていたが、日本海の海原は雲と混ざって見分けがつかない状態であった。
 緑濃い木立の中に延びる幅広の登山道を進んでいくと、東屋の建つ蛇逃(じゃのげ)峠に到着した。ここは蔵王堂コースとの分岐になっており、小俣方面の展望が開けていた。
 鷹待場跡の説明板を過ぎて、一旦下った後に登りをもうひと頑張りすると、日本国の山頂に到着した。休憩小屋の背後は木立が切り開かれていたが、雲に覆われて展望は閉ざされていた。広場の中の小高くなった所に三角点が置かれており、北東方向から中の俣登山道が上がってきている。
 山形百名山のホームページによれば、中の俣登山道は「2018年8月の豪雨災害により土砂崩れが起きて通行できない」と書かれている。登山道の入り口をみても、ロープが張られていたり案内板が置かれて通行止めにはなっていなかった。日本国の山頂からはもう一本、「林道桂谷線登山道」が上がってきている。以前は案内板が置かれていたが、見当たらなくなっていた。展望台の奥の草地を進んでいくと、赤布が木に取り付けられていた。木立の中に入ると、「頂上史跡を通り小名部へ下山コース」と書かれた案内板が地面に置かれていた。「林道桂谷線登山道」のことを表しているようであった。登山口は隠されていたが、踏み跡ははっきりしており歩くことはできそうであった。日本国は、新潟と山形との県境に位置している。山形100名山にも選ばれていることから、山形側からの登山道も整備維持して欲しい。いずれ、山形側からの二つのコースを確かめてみる必要がある。
 蛇逃峠に戻り、蔵王堂コースを下った。登りに使った旧小俣小学校コースは遊歩道並みの幅広の歩きやすい登山道であるが、蔵王堂コースは足元に注意が必要な通常レベルの登山道であった。急坂に付けられた九十九折の道を一気に下ることになった。傾斜が緩んで細尾根を辿っていくようになると、蔵王堂のお堂が現れて、その先で車道に下り立つことができた。蔵王堂コースは急登が続くので、下りに使うのが一般的になっている。
 蔵王堂コース登山口からは、車道歩きをひと頑張りして駐車場に戻った。駐車場には他に5台の車が停められており、新潟・山形県境にあって新潟市からは遠いわりに、登山者は多いといえる。

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