刈羽黒姫山

刈羽黒姫山


【日時】 2020年7月18日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 東頸城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 刈羽黒姫山・かりわくろひめやま・891m・なし(889.5m・二等三角点)・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/石黒
【コース】 折居コース
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、新・にいがたファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 5:15 新潟=(R.8、R.116、赤田、安田、野田、R.353、折居 経由)=7:40 登山者用駐車場〜8:03 発―8:11 登山口―9:00 鶏冠嶺―9:28 岩場―10:05 黒姫山〜10:15 発―10:39 岩場―10:57 鶏冠嶺―11:33 登山口―11:42 登山者用駐車場=(往路を戻る)=14:20 新潟
 日本海に臨む米山の南東部の内陸部にあるこの山は、他の黒姫山と区別するため、刈羽黒姫山と呼ばれている。米山、八石山とともに、刈羽三山に数えられる。里人の信仰の山であり、各方面からの登山道が開かれ、山頂一帯にはブナ林が残されている。

 久しぶりに雨マークのつかない土曜日がめぐってきた。となると人気の山は混雑が予想されるので、静かな山を考える必要が出てくる。刈羽三山の米山と八石山は混雑することが確実であるが、刈羽黒姫山は、磯之辺コース以外なら静かに歩けるはすである。2011年5月以来歩いていない折居から登ることにした。刈羽黒姫山へは幾つものコースが設けられており、新しい分県登山ガイド「新潟県の山」では、折居コースが取り上げられているものの、ネット上の登山報告を見ると、このコースを歩いている者はそれほど多くはないようである。
 高速代を節約するために、下道を使って車を走らせた。国道353号線の折居への入り口には、黒姫山の案内標識が置かれていた。上向の集落内に入ると、敷地の跡の石垣ばかりが目立ち、住人のいる家は数軒のようであった。9年前も空き地が目立っていたが、次に訪れた際には廃村になっているかもしれない。集落内に入ってから案内標識に従って右折して細い道を上がっていくと、登山者用の駐車場が現れる。その先は農道につき、路肩駐車は禁止と掲示してある。
 駐車場から歩き出すと、しばらくは農道歩きが続く。前方に黒姫山を望むことができるが、結構距離がある。黒姫山参道入口の石柱が置かれており、その脇の鉄格子の橋を渡った先に登山道が続いている。登山口の標柱には黒姫山山頂まで2740mと書かれていたが、コースの途中には、山頂と登山口への距離を記したプレートが幾つも掲示されていた。
 地形図では、農道をさらに進んで沢沿いに登るように書かれているが、実際の登山道は全く異なっている。立派な参道入り口の石柱が置かれているので、現在の登山道はそれなりの歴史を持っているはずなのだが、使われていない道の方が地形図に記載されている理由が判らない。
 登山道に進むと、杉林もすぐに終わって、雑木林に囲まれた緑濃い道が続くようになる。気温は7月下旬の時期としては低いものの、汗が噴き出てくるようになった。緩やかな尾根歩きを続け、擬木丸太の階段が設けられた急坂をひと登りすると、最初の目標値の標高592mの鶏冠嶺(とさかのつんね)に到着した。
 鶏冠嶺から一旦下ってから登りを続けていくと、標高680m地点でロープを頼りに登る岩場が現れた。木の枝が横たわっているので、これをまたぎ越すのに足場を見定める必要があった。その上は崩壊によって生じた痩せ尾根のようであるが、平坦に整備されて崖際にはロープが張られているので、特に問題なく通過することができた。この先で溝状の窪地になった岩場が現れ、鎖を頼りに登ることになった。
 岩場を通過すると傾斜も少し増して、山頂への最後の頑張りどころになった。ブナ林の中を登っていくと、避難小屋の裏手から黒姫山の山頂に出た。広場の中央の小高くなった所には石の祠と三角点が置かれている。展望図が置かれており、越後三山、巻機山、谷川連峰の眺めが広がっているはずであったが、稜線は雲に覆われて各ピークを見分けることはできなかった。それよりも気になるのは、直下に見える男山の方であった。機会をうかがっているものの、まだ登ることができないでいる。
 山頂で休んでいる間に鵜川神社方面から誰か登ってくるかと思っていたが、誰にも会わずに山頂を去ることになった。下りの途中、女性の単独行とすれ違っただけで、期待通りの静かな山を楽しむことができた。

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