松尾城跡、親柄薬師山、藤権現・駒見山・あいの峰、坂戸山、六万騎山

松尾城跡、親柄薬師山、藤権現・駒見山・あいの峰
坂戸山、六万騎山


【日時】 2020年6月6日(金)〜7日(土) 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 6日:曇り 7日:曇り

【山域】 守門山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 松尾城跡・まつおじょうせき・428m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/穴沢
【コース】 栗山沢登山口より
【ガイド】 なし

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 親柄薬師山・おやがらやくしやま・258m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小平尾
【コース】 小庭名登山口より
【ガイド】 なし

【山域】 魚沼丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 駒見山・こまみやま・262m・なし・新潟県
 藤権現・ふじごんげん・233.5m・三等三角点・新潟県
 あいの峰・あいのみね・275.4m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小出
【コース】 小出スキー場より
【ガイド】 なし

【山域】 巻機山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 坂戸山・さかどやま・633.9m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/六日町
【コース】 薬師尾根から城坂遊歩道へ
【ガイド】 新潟の山歩き50選(新潟日報事業社)

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 六万騎山・ろくまんきやま・321.0m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/五日町
【コース】 地蔵堂駐車場より
【ガイド】 新潟の山歩き50選(新潟日報事業社)

【時間記録】
6月6日(金) 10:30 新潟=(R.49、R.403、加茂、R.290、森町、R.290、栃尾、R.290)=12:20 栗山沢登山口―12:37 大地蔵様―12:44 松尾城跡―12:50 大地蔵様―13:06 栗山沢登山口=(R.290、R.252、R.291 経由)=13:45 親柄薬師山登山口―14:21 親柄薬師山〜14:26 発―14:49 小庭名新田―15:03 親柄薬師山登山口=(R.291、R.252, R.17 経由)=15:30 小出スキー場中央駐車場―15:45 藤権現―16:03 駒見山―16:18 あいの峰―16:38 駒見山―16:48 小出スキー場中央駐車場=(R.17 経由)=19:00 湯沢  (車中泊)
6月7日(土) 4:30 湯沢=(R.17 経由)=5:15 坂戸登山口〜5:43 発―6:27 寺ヶ鼻分岐―6:45 坂戸山―7:02 大城―7:20 坂戸山―8:15 坂戸登山口=(R.291 経由)=8:30 地蔵尊登山口―9:00 六万騎山〜9:05 発―9:22 庚申塔登山口―9:27 地蔵尊登山口
 石峠は、軍事・生活のために使われた栃尾から魚沼の高倉地区に抜ける旧道にある峠である。石峠の名前は、峠近くに大岩があることに由来するようである。峠部には石峠城、石峠街道の南には松尾城という二つの山城跡が残されている。

 親柄薬師山は、小出の北西部において、破間川に流れ込む小屋柄川と和田川に挟まれてできた河岸段丘の末端にある小ピークで、頂上には親柄薬師堂が置かれている。

 藤権現、駒見山、あいの峰は、小出のスキー場の背後の山である。藤権現は、山頂に富士浅間神社の石碑が置かれ、スキー場から延びる林道から道が続いている。駒見山は、小出スキー場のリフト終点脇ピークである。小出公園として整備されて、富士権現から駒見山を経てあいの峰に至る稜線沿いの登山道と石尊コースという小出駅近くへの下山道が設けられている。

 坂戸山は、巻機山から金城山を経て西に延びてきた尾根が、魚野川に落ち込む末端にある山である。上杉長尾氏の山城が置かれた史跡の山で、NHK大河ドラマ「天地人」の主人公として名が広く知られるようになった直江兼続の育った城として注目をあびるようになっている。地元では、健康登山の山として親しまれ、最近では、カタクリの山として人気も高くなっている。

 八海山の大崎登山道の三合目から南西に延びる尾根は、猿倉山、堂平山を経て六万騎山で終わる。六万騎山は、カタクリのお花畑によって知られるようになり、長森山からの縦走路も登山者が多くなっている。

 湯沢方面で土曜日の午後から用事ができたので、金曜日から出かけて低山巡りを行うことにした。
 まずは、小出への途中で登山口を通過する松尾城跡を訪れることにした。先日3月21日に石峠と合わせて松尾城跡を訪れたが、その際、栗山沢に向かってしっかりした道が下っているのを見た。この道も確かめる必要があると思っていた。
 栃尾から国道290線を進み、栗山沢で道を探した。国道のカーブ地点に大きなスペースがあり、その隅に松尾城跡と大地蔵様の案内板が置かれていた。その脇には「栗山カエルと広瀬カエル」の民話も書かれていたが、読むのは後にして、山道に進んだ。薄暗い杉林の中をひと登りするとブナも見られる明るい林が広がるようになった。地形図の破線よりは少し南に膨らんでから尾根に乗った。
 石仏が並ぶ小広場が現れ、その中央には三角屋根の雪囲いに似たお堂が設けられていた。中をのぞくと、少し大きめの石仏が納められていた。これが大地蔵様のようであった。賽銭箱や奉納品も置かれて、地元の信仰が厚いことがうかがわれた。ここからは、石峠の見晴らし広場も見えていた。
 緩やかな尾根を進んでいくと、土道のような山城の跡も現れた。ひと登りすると木にペンキで名前が書かれている松尾城跡に到着した。ただ最高点付近は細尾根状で、山城跡らしくはない。栗山沢からの道が確認できたことに満足して山を下った。
 登山口に掲示してあった「栗山カエルと広瀬カエル」の話の概要である。栗山のカエルが、峠の向こうに広瀬という村があるようだが、どんな所か見に行ってみようと思い立った。石峠に登ると、広瀬から栗山を見ようと登ってきたカエルに出会った。広瀬はどっちだ、栗山はどっちだ、ということで二ひきのカエルは立ち上がって眺めることにした。ところがカエルの目は後ろにあるため、自分のやってきた村を見て、「栗山なんて広瀬とおんなじだ」、「広瀬だって栗山とおんなじだ」とそれぞれ思い、自分の村に戻っていった。仏教説話にありそうな話である。「前を見ることのできない者に進歩は無い」と解説すれば良いであろうか。
  栗山沢から松尾城跡への歩行時間は短かったが、これによって石峠へのお勧めコースが判った。栗山沢から松尾城跡に登り、松尾側の登山口に下る。その後は松尾から石峠への登山道を辿り、石峠から戻ってきたところで、尾根上のT字路から栗山沢に下る。国道に下り立てば、僅かな歩きで歩き初めの松尾城跡登山口に戻ることができる。このコースで、改めて初冬の季節に歩いてみようか。
 続けて親柄薬師山に向かった。国道252線に出てから小出に向かい、国道291線に曲がると尾根上にお堂が置かれているのが見えてきて、これが親柄薬師山であることがすぐに判った。小庭名手前で和田に通じる道に進むと、坂を上がった所に簡易水道施設の建物があり、その脇から入るようであった。その前に広場があったので、ここから歩き出すことにした。
 農道を進んでいき、山裾を回り込むと親柄薬師山への登山口に出た。笹を最近刈払ったような道が尾根上に出るまで続いた。尾根上に出ると、灌木帯の中にしっかりした道が続くようになった。尾根沿いには、多くの石仏が置かれており、それを撮影していると、スローペースの歩きになってしまった。
 尾根上の歩きでは、お堂は結構高い所に見えていたのだが、緩やかに登っていくうちに親柄薬師山の山頂に到着した。広場には、石仏が並んで置かれており、中央には立派なお堂が設けられていた。広場からは鳥屋ヶ峰、下権現堂山、平地山、小出市街地の眺めが広がっていた。ただ、小出市街地の奥に見えているはずの越後駒ヶ岳は雲に覆われていた。ここで遅い昼食タイムとなった。
 ひと休みの後、お堂の裏側に回ると、簡易舗装の林道が上がってきていた。時間も余裕があったので、こちらから下ってみることにした。林道脇にも石仏が置かれていた。ひと下りするとT字路に出た。右は親柄、直進すれば小庭名新田へ下れるようであった。直進すると田圃脇の道に変わって、石仏のようなものは見当たらなくなった。名前の由来の親柄からの道が、本来の参拝路だったのかもしれない。小庭名新田経由でも、車道歩きを少し頑張ると車に戻ることができた。
 もうひと頑張りして、小出スキー場上部の遊歩道を歩くことにした。2007年10月に,藤権現から駒見山への登山道が整備されたと聞いて訪れたことがある。この時は、駒見山から三角点ピーク(あいの峰)への刈払いは途中で終わっていた。あいの峰は、2013年8月に小出郷広域農道から登っているが、駒見山へとつなげて歩いてみる必要がある。
 小出スキー場内のゲレンデ中央部の広場まで車を進めた。夏は閉鎖されているゲレンデ食堂と並んでトイレも設けられている。出発しようとすると、他にも歩いている者を見かけた。時間も遅くなっていたが、暑さも和らいだ夕方のウォーキングにやってきているようであった。
 林道を歩き出すと、すぐに駒見山の山頂に向かっての登山道が分かれるが、これは下山に使うことにして藤権現へと林道歩きを続けた。トラバース道を進んでいき、カーブする地点で直進する方向の登山道に進む。神明社への道が左に分かれるが、直進してひと登りすると藤権現に到着した。小広場の中央にある石の祠が藤権現なのであろうが、「元旦登山50回記念碑」や置き傘ボックスなど、普通の山では見られないものもあった。西に向かう道に進むと、神明社の祠と鐘が置かれていた。ここから小出駅方面に下る石尊コースは、草がかぶり気味であったが歩くのに支障はなさそうであった。神明社から東に向かうと、林道のカーブ地点に戻ることができた。
 林道を横断して、稜線伝いの藤権現・駒見山眺望コースに進んだ。小ピーク上に出ると、見晴らし台ということで、小出市街地方面の展望が広がった。次の小ピークでは、「木陰の休憩所 見晴らし広場」ということで、数本の木に囲まれた中にベンチが置かれていた。次のピークが駒見山になって、このコースでは比較的長い登りになる。鞍部近くで、下に向かう登山道が分かれていた。リフトの山頂駅のある広場から稜線沿いの道に進むと、駒見山の山頂に到着した。山名の通りに越後駒ヶ岳方面の展望が開けていたが、雲が広がって山は隠されていた。
 尾根沿いに下っていくと一旦林道に出て、再び登山道に入って最後に急坂をひと登りするとあいの峰に到着した。山頂からは、登ってきた東からの道の他に北と南に向かって登山道が延びていた。先回は、小出郷広域農道から南の道を登ってきたので、今回は北の道を下ることにした。一気に高度を下げていくと、土砂崩れ防止のために固められた細尾根となって、小出郷広域農道から上がってきた林道に飛び出した。この後は、稜線通しの登山道と並行する林道跡を歩いて戻ることになった。駒見山から登山道を下っていき、下方に向かう道に進んだ。急斜面のゲレンデをカーブを交えながら下っていくと、歩き出し地点のすぐ上で林道に出て車に戻ることができた。
 車に戻って跡かたずけをしていると、何人もの登山者が通り過ぎていった。夕暮れ時のエクササイズということのようであった。
 翌日の山のために湯沢に移動して、車中泊で夜を過ごした。土曜日は昼までに登山を終える必要があったため飯士山を予定していたのだが、明け方には小雨が降り、明るくなると周辺の山は厚い雲に覆われていることが判った。飯士山に登っても展望は得られそうもないため、計画変更することにして、しばらく登っていない坂戸山に向かうことにした。
 坂戸の登山口駐車場に到着すると、早朝にもかかわらず、ほぼ満車状態であった。朝食をとっていると、早くも下山してくる者もいた。日中の暑さを避けての早朝登山が一般的になっているようである。
 薬師尾根を登り、城坂遊歩道で下山することにした。駐車場の脇から尾根沿いの登山道が始まる。ほぼ全コースが階段登りになって、体力養成には良いが、歩いて面白いコースではない。皆歩くペースは速く、何人もの登山者に追い抜かれることになった。ペットボトル一本を持って歩いている者も多かった。
 急坂が続くため、一気に高度も上がり、8合目の寺ヶ鼻コースとの分岐に出た。ここまでくれば、山頂まではあと僅かである。山頂直下の短い岩場は、鉄製の階段が設置されており、以前のように鎖を握って登る必要はなくなっていた。
 大勢の登山者とすれ違いながら登ってきた坂戸山であるが、山頂には二人がいるだけであった。薬師尾根を登ってきた者は、山頂到着後、すぐに同じコースで引き返してしまうようであった。
 坂戸山の山頂から、大城へ向かった。一旦下ってから尾根沿いに進むと、大城に到着する。草むらになった台地に、二つの高台が設けられている。ここまで足を延ばす早朝登山者はおらず、静かな雰囲気がただよっていた。
 山頂に引き返し、城坂遊歩道から下山した。尾根から離れてひと下りすると、桃木平に出る。春にはカタクリのお花畑になるところであるが、この季節には花は無かった。その先は、急斜面の下りになる。階段状に整備されているところもあるが、直線状に登山道が延びる薬師尾根と違って、ジグザグが切られて歩くにはこちらの方が気分が良い。砂防ダムの脇を過ぎると、一本杉で林道に飛び出す。林道をショートカットして緩やかになった斜面を下っていくと、春にはカタクリのお花畑になる草原や城跡の石垣が現れ、登り口の駐車場に戻ることができる。
 坂戸山は、体力養成が目的なら別だが、やはり春のカタクリの季節に訪れたい。
 時間を考えて、もうひと頑張りして六万騎山を登ることにした。地蔵尊登山口に到着すると、他に車はいなかった。この山もカタクリのシーズンには大賑わいになるが、現在はシーズンオフである。
 駐車場の上の地蔵尊のお堂の脇から登山道に進むと、九十九折りの道になり、さらに階段登りが続くようになる。長い距離ではないが、登山はあまり行っていない初心者には辛い登りになるであろう。尾根上に出ると、曲輪跡のような台地が設けられており、その先で六万騎山の山頂に到着する。
 六万騎山の山頂には、三名グループが休んでいた。山頂からは谷川連峰方面の展望が広がっているのだが、あいかわらず厚い雲が垂れ込めており、この日の天気の回復は望めなそうもなかった。
 下山は庚申塔登山口へ向かった。長森山からの縦走では、車道歩きを短くするため、いつもこのコースを下っている。このコースも充分に整備されており歩きやすい。庚申塔登山口からは車道歩きも僅かで、地蔵尊登山口に戻ることができる。
 二つの低山歩きでそれなりに体力を使ったので、この日の山歩きは終わりにして湯沢に戻った。

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