高坪山

高坪山


【日時】 2020年5月16日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 蔵王山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 黒川城跡・くろかわじょうせき・300m・なし・新潟県
 大沢山・おおさわやま・540m・なし・新潟県
 釈迦岳・しゃかだけ・520m・なし・新潟県
 大沢山・おおさわやま・530m・なし・新潟県
 中峰・なかみね・550m・なし・新潟県
 高坪山・たかつぼやま・570.5m・二等三角点・新潟県
【コース】 樽ヶ橋より
【地形図】 20万/5万/2.5万】 新潟/中条/中条
【ガイド】 山と高原地図「飯豊山」(山と渓谷社)

【時間記録】 5:25 新潟=(R.7 経由)=6:15 樽ヶ橋〜6:35 発―7:28 黒川城本丸―8:26 大沢山(540mピーク)―8:40 蔵王権現分岐―8:58 中峰―9:10 高坪山―9:22 中峰〜9:30 発―9:45 蔵王権現分岐―10:00 大沢山(540mピーク)―10:45 黒川城本丸―11:29 樽ヶ橋=(往路を戻る)=12:35 新潟
 新潟平野の東端に沿っては、いくつもの山塊が連なっているが、荒川と胎内川の間には高坪山を最高峰とする蔵王山塊と呼ばれるひとかたまりの山がある。高坪山を中心とした登山道が歩かれてきたが、現在では、荒川から胎内川の間の縦走路が整備されて歩くことができるようになっている。

 山と高原地図「飯豊山」の改定新版で、蔵王山塊が加えられたことに驚かされた。ただ、小さな図に多くのコースが記載されているため、どれほど登山の役に立つかには疑問なところもある。このコースには、貝附山城跡に至る縦走路の北半分や、樽ヶ橋からの南半分も記載されている。樽ヶ橋からの縦走路の南半分は、2013年11月16日に歩いているが、その時は道型がはっきりしない所もあり、蔵王権現との分岐には「山道整備不良注意」と書かれた標柱も置かれていた。現在の整備状況を知るためにも改めて歩くことにした。
 道の駅胎内から樽ヶ橋を渡った先の正面が登山口になるが、道路脇にフェンスが設けられて入れない。一旦右折して南に進むと送電線巡視路の黄色いプレートが置かれているので、その脇の踏み跡に進む。道路に並行して導水路の上に設けられたコンクリート道が走っており、「黒川城」の案内プレートが地面に置かれていた。このコースの登り口付近には、高坪山の案内は無く、この「黒川城」の案内に従うことになる。戻る方向に進むと、「胎内川線No.31」の標識があり、ここが登山道の入口になる。
 杉林の中をひと登りすると雑木林が周囲に広がり、三叉路に出る。右は送電線鉄塔への道で、黒川城へは左の道に進む。枝尾根沿いに登っていくと203.8m三角点ピークの脇に出て、後は主尾根沿いの登りになる。緩やかな登りを続けていくと、胎内川展望という案内板が現れたが、木立が伸びて胎内川はかろうじて見えるだけであった。黒川城までは、案内板が幾つも置かれていたが、字が消えかかっているものが多かった。いずれ案内板は失われてしまいそうであるが、迷う心配はない良く踏まれた道が続いた。
 堀切が連続的に表れるようになって、黒川城の本丸が近づいたことを知る。崖状に切り立っている所もあり、固定ロープも利用して乗り越すことになる。黒川城の本丸は、301m点の手前のピークで、馬返郭の標識を見て急坂を越すと到着する。黒川城の本丸は小広場になっており、日本海の海岸線の眺めが広がっていた。ここの標柱は熊によるものか壊れかかっていて「主郭」という字が読み取れるだけであった。いずれこの標柱も失われてしまいそうである。事前に情報を集めておかないと、城跡ということを知らずに通過してしまいそうである。地形図に麓の奥山荘城館遺跡は記載されているものの、本丸の名前が記載されていないのは残念なことである。
 ひと息ついて縦走を先に進んだ。301mピークから下って少し登り返した所からは、先回の2013年の山行の際に歩いた、戸ノ裏川に向かって下って奥山荘城館遺跡の林道終点に出る道が分かれる。今回もこの道を下ろうと思っていたのだが、道は消えていた。縦走路整備のためのショートカット用の臨時の道であったのかもしれない。おかげで、帰りは来た道を忠実に戻ることになった。
 この先は、540mピークまで登りが続くことになる。540mピークは、大沢川の源流に位置することから大沢山と呼ばれるという。縦走路上の釈迦峰を過ぎた先でも大沢山の標柱が現れるが、大沢川との関連という点では、この540mピークの方が相応しい。登山道は、ピーク直下をトラバースして通過してしまうが、ブナ林が美しいボリュームのあるピークである。雪山として登ったことがあるが、目標地として相応しいピークであった。
 540mピークから一旦下って登り返すと、蔵王権現との分岐に出る。この分岐に以前は置いてあった「山道整備不良注意」と書いてあった標柱は撤去されていた。現在では一般登山道並みの整備状況であることが確かめられた。この先は、昔からある蔵王権現コースとなり、しっかりした登山道が続く。ただ、このコースを歩く者は運動公園口からの周回コースに比べるとはるかに少ない。大石山、中峰を越し、縦走路から分かれて左に入ると高坪山の山頂に到着する。高坪山の山頂には誰もいなかったが、人気のある山なので人に会う可能性も高い。戻って中峰で大休止にすることにした。中峰はブナ林が広がり、落ち着いた雰囲気のピークである。落ち葉の上に腰を下ろしてひと休みした。
 奥山荘城館遺跡への道が無くなっていたことから来た道を戻ることになった。帰りは小ピークの登り返しが辛く感じるようになっていった。樽ヶ橋から往復するくらいなら、貝附山まで縦走してしまっても体力的には変わらないであろう。車二台が用意できることが条件になるが。

山行目次に戻る
表紙に戻る