新保岳

新保岳


【日時】 2020年5月6日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 蒲萄山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 新保岳・しんぼだけ・852.2m・一等三角点補点・新潟県
【コース】 浜新保登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/笹川、蒲萄/笹川、蒲萄
【ガイド】 なし

【時間記録】 5:30 新潟発=(R.7、蓮野IC、R.345、荒川胎内IC、日本海東北自動車道、村上瀬波IC、村上、R.345、浜新保 経由)=7:15 林道ゲート〜7:30 発―7:53 新保岳登山口―8:36 天池―9:22 新保岳―10:00 天池―10:36 新保岳登山口―10:56 林道ゲート=(往路を戻る)=12:20 新潟
 蒲萄山塊は、新潟県北部の、景勝地笹川流れのある日本海海岸部と国道7号線の間に広がる、南北24km、東西約8kmに及ぶ山塊である。新保岳は、この蒲萄山脈の最高峰である。一等三角点が置かれ、この山域では貴重な登山道が整備されていることから、登山者に親しまれている山になっている。長年親しまれてきた塩野町からの登山口が、広域林道新保岳林道の整備に伴い、標高480m地点に移り、登りのコースタイムも2時間20分から、1時間程に短くなり初心者用の山に変わった。一方、日本海側の浜新保からの登山道も開かれおり、このコースは未整備ながらブナの原生林をじっくりと楽しみながら登ることができる。

 先回新保岳へ浜新保コースから登ったのは2014年4月のことなので、かなりの時間が経っている。林道の造成による影響も確認したいので出かけた。
 村上から笹流れ沿いの道は、昔と違って快適なドライブコースに変わっている。浜新保から桑川沿いの林道に進む。幅も充分の舗装された道が山奥へと続いている。S字状のカーブを越した先が、登山道開設当時の登山口であったが、その跡も消えている。林道を進んでいくと、カーブの手前で、通行止めになっていた。2014年4月に登った時と全く同じ地点で、今回は登山口まで車で入れると期待していたのでがっかりした。通常は、広場のある地点で通行止めになっていることが多いのだが、ここは道路幅しかなく、何度かハンドルを切って方向転換して、路肩に車を寄せて停めた。動かすことのできるパイプ柵が置かれているだけなので、車の進入の誘惑にかられるが、ここから登山口まで歩く時間を測る必要もある。
 通行止めの先も良く整備された道が続いていた。カーブの先には土砂置き場のような広場があったので、平日は工事車両が行き来するので通行止めになっていたのかもしれない。
 登山口は、477m点を経て延びてきた尾根が606m点に付き上がる所の標高540mの場所である。入り口には、立派な案内板が置かれている。ただ、「注意!登山道は未整備です」と書かれているので、初心者は塩野町側コースを利用した方が良い。
 看板脇から階段状に整備された登山道に進む。林道による切通しのため、尾根の横腹からの急登りになる。尾根上に出て606mピークを越えると、ブナの原生林の広がる幅広尾根が広がる。登山道は、踏まれて土が露出しているようなものではなく、ブナの落ち葉が積もって茶色のラインが延びている状態であった。笹の茂みがあるといっても背が低く、登山道を外しても歩けるのが、かえって登山道を見失わないように注意する必要があった。また、尾根から脇の窪地に下りて隣の尾根に乗り換える所が数か所あり、コースアウトの注意点として記憶しておく必要もあった。新緑のブナ林は美しく、これを見るだけでも訪れる価値があった。尾根歩きの途中、しばらくは林道が沿うのを右下に見下ろすことができた。長く工事を行っており、いつになったら全通するのだろうと思ってしまう。
 ほぼ中間点の標高700m点を過ぎた先の窪地に水溜りがあり、これが登山口の案内板に書かれている天池のようである。この先は尾根沿いの登りが続き、新保岳の北隣の920mピーク直下に出る。ブナの木に取り付けられた赤テープはピーク上に向かって登るように示されているが、登山道は標高890m地点から右手の鞍部目指して、トラバース気味に続いている。この分岐は見落としやすいが、登山道の途中数か所に取り付けられていた「火の用心のお願い」のプレートが取り付けられているのが目印になる。トラバース道は途中で上方に曲がる所もあり、踏み跡を見失わないように注意が必要である。尾根上に出てから一旦下ると、新保岳への最後の急登になる。
 予想通りに誰もいない山頂に到着した。それなりに人気のある山のため登ってくる登山者もいるかもしれないし、ブヨのような小虫にまとわりつかれ、粟島などの眺めを楽しんだら、すぐに引き返すことになった。下りは、コースアウトしないように、登り以上に注意を払う必要があった。一般の登山道と違い、歩く途中に緊張を持続する必要はあったが、他に誰にも会わない山を楽しむことができた。

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