大蛇山、野須張

大蛇山から野須張


【日時】 2020年5月2日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大蛇山・おおじゃやま・799m・なし・新潟県
 野須張・のすばり・902..8m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【コース】 下山林道登山口より 
【ガイド】 なし

【時間記録】 5:30 新潟発=(R.49、保田、R.290、宝珠温泉、丸山)=6:20 旧通行止め標識〜6:35 発―7:26 下山林道終点広場〜8:02 発―9:30 大蛇山〜9:35 発―10:14 野須張―10:48 大蛇山分岐〜11:05 発―12:09 下山林道終点広場―13:00 旧通行止め標識=(往路を戻る)=14:10 新潟
 五頭連峰は、新潟平野に面し、加治川と阿賀野川の間に広がる山塊である。大蛇山は、南端の宝珠山の北に位置するピークである。以前は、宝珠山から菱ヶ岳の間は登山道が無く、積雪期しか歩けなかったものが、2001年に、この間の縦走路と大蛇山に登るコースが整備された。大蛇山へは、小朝新道、波多野新道、化物杉コースが整備されたが、現在では、化物杉コース以外は廃道になっている。

 五頭連峰は新潟周辺で最も人気のある山である。北から松平山、五頭山、菱ヶ岳、野須張、大蛇山、宝珠山のピークが連なって縦走路も設けられている。各ピークへ登った際には、縦走路の一部を用いた周回コースとして歩く者が多い。このうち、大蛇山から野須張の間は縦走者しか歩くものがおらず、五頭連峰の中でも静かな区間といって良い。新型コロナ予防のために、登山中に人に会うことの少ないコースを考えて。大蛇山経由で野須張まで歩くことにした。
 丸山集落から林道に進み、産廃処理施設を過ぎた先の路肩スペースに車を停めて歩き出した。先回登った2016年7月の際には、ここで通行止めになっていた。杉林の中を抜けると二車線幅の舗装道路に飛び出した。下方向にも延びており、そちら方面から車で上がって来られるようであった。車で上がってくるべきだったと少々後悔しながら車道歩きを続けた。車道が右手の尾根上に方向を変えると、直進方向に下山林道が始まっている。この分岐脇には、空き地があり車を停めておくこともできる。
 しばらくは未舗装の下山林道が続く、この林道は土砂崩れで途中で通行不能になっていたことが度々あり、また2016年7月の際には草が延び放題になっていた。今回は、車の走行は可能な状態で林道終点に到着することができた。下山時には、登山者や山菜取りの車がそれぞれ1台ずつ乗り入れていた。
 左手の沢をまたぎ越して進むのが現在の正式なコースであるが、広場から直進する方向の林道跡にも踏み跡が続いていた。廃道になっていた波多野新道が復活したのかと思い進んでみた。途中、笹藪が刈払われており、かなりの労力が費やされていた。砂防ダム手前の林道終点で踏み跡が判らなくなった。直進方向の藪に進むと、枝尾根が落ち込んでいるのに突き当たった。この急斜面の枝尾根を登るのかなとは思ったが、登山道としての整備ならロープの設置は必要な急斜面である。終点広場から少し戻った所で沢に下りる踏み跡があったが、沢岸に踏み跡は見当たらなかった。現在は林道終点までの刈払いまでが行われ、今後登山道部が整備されるのかと期待して引き返すことになった。
 改めて、正規のコースで登山開始。沢をまたぎ越すと、堰堤を右手に見ながらの直進状の登りになる。ひと登りすると階段状に整備された枝尾根の登りが続くようになる。標高差100mほどであるが、気温も高く、汗が噴き出るようになった。急登が終わると、ブナ林が広がる台地に出て、これをトラバースすると大蛇山から西に落ち込む尾根に乗ることができる。
 尾根に乗ると、所々で急坂も現れるが、歩きやすい尾根道が続く。少し長めの急登を終えると、杉木立があり、ここには以前は化け物杉という標識が置かれていた。尾根を左にはずして台地を進んでいくと、縦走路に出ることができる。不思議なことに、登山道の出口には通行止めのロープが横に張られていた。2016年7月の宝珠山からの周回の際にも、ここにはロープが張られていたが、登山道の状態に問題はなく下ることができた。この日の状歌としては、登り口に登山禁止の看板も置かれていなかった。林道五頭山麓南線の工事によって一時期登山口まで入れなかった可能性があるが、その後このロープが張られたままであることが判らない。登山道の維持のためにも、それなりの数の登山者が歩く必要があるのだが。
 右折するとすぐ先が大蛇山の山頂広場になる。誰もいない広場に、ピッケルを持ったお地蔵さまがたたずんでいた。
 この先のコースに迷ったが、宝珠山は登山者で賑わっているはずなので、登山者の少ないはずの野須張に向かうことにした。大蛇山から一旦下った後に登りに転ずると、残雪に埋もれた窪地の登りになった。尾根に戻る所の急坂に張られたロープも一部が現れているだけであったが、残雪をキックステップで登るのはかえって楽であった。急坂を乗り越えると、背丈の低い笹原の高原状台地に出て、その先に緩やかに盛り上がった野須張の山頂を望むことができるようになった。野須張の山頂は三角点周辺だけが雪が融けて地肌が露出していた。野須張からは、飯豊連峰の眺めが広がっているはずだが、春霞で遠望は閉ざされていた。野須張の下り部に進んで菱ヶ岳を眺め、大蛇山に引き返した。
 大蛇山へと引き返す途中、2組4名の登山者とすれ違い、縦走路から下山路へ進んだ所の木陰で休んでいると、大蛇山の山頂方面から人声がしていた。晴天に恵まれて、五頭連峰には大勢の登山者が訪れているようであった。大蛇山から下っていく途中には単独行とすれ違っただけで、このコースを歩く者はごく少ないことが確認できた。登山道開設直後の2002年6月に登った時には、林道終点広場からはみ出して路上駐車の車も現れる15台ほどの車で訪れた登山者で賑わっていたのとは大違いである。登山道が開かれると大勢の登山者が訪れるが、ブームが過ぎ去ると廃道状態になることも多いので注意が必要である。
 今年初めての暑さは体に堪え、熱中症対策のために、水とともに塩分補給タブレットを食べることになった。登山道はともかく、最後の林道歩きは長く感じた。
 新しくできた車道がどのように延びているか確かめるために、GPSを車のフロント部に置いて記録しながら車を走らせることにした。舗装道路が尾根を越して続いており、城山方面に延びる林道分岐から以前からあった道を下っていくと立石神社の前を通り過ぎて丸山集落に戻ることができた。再度最初に車を置いた場所に戻って、再び新しい車道に進み、今度は下方面に進んだ。新しい車道区間はそれほど長くはなく、以前からあった道を辿っていくとツベタに出ることができた。ただ、この道は判りにくく、大蛇山登山の際には従来通りに丸山集落から入った方が判りやすい。
 また、新しい林道の尾根越し区間は、法面の工事がもう少し続くと思われる。工事が終わった際のことになるが、下山林道入り口に車を置いて大蛇山に登ってから宝珠山、赤松山経由で下山した際に、この林道を使ってショートカットできるかという問題が生ずる。距離については尾根越しをした方が明らかに短くなる。尾根越しには標高差50mの登りで、標高差20mの下りになる。丸山集落経由の場合には、標高差150mの下りで標高差150mの登りになる。数値的には尾根越しルートの方が楽ということになる。下山後に再度登りを頑張るのは辛いが。

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