下渡山、童子山

下渡山から童子山


【日時】 2020年4月29日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 蒲萄山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 下渡山・げどやま・237.8m・三等三角点・新潟県
 童子山・どうじやま・240m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/村上/村上
【コース】 テレビ中継施設管理道から童子山経由林道岩沢線へ
【ガイド】 童子山については無し

【時間記録】 5:30 新潟=(R.7、蓮野IC、R.345、荒川胎内IC、日本海東北自動車道、村上瀬波IC 経由)=6:40 アンテナ施設管理道口〜7:00 発―7:31 下渡山―7:53 童子山―8:20 林道跡―8:50 林道岩沢線入口―9:06 アンテナ施設管理道口=(往路を戻る)=10:30 新潟
 下渡山は、蒲萄山塊の最南端の三面川のほとりに、村上市街地に立つ臥牛山と向かい合う山である。この山に置かれた下渡か嶋城は、本庄氏家臣の矢羽畿氏の居城と言われており、永禄11年(1568年)の本庄繁長の謀反の際には、上杉謙信に、本庄城(後の村上城)とともに、攻められたという。下渡山は、登山道が整備され、手軽に展望の良い山頂を楽しむことができる。また、童子山は下渡山の北に隣り合う山である。三面川に架かる下渡大橋から望むと、下渡山の左奥に童子山のピラミッド型をした山頂が頭をのぞかしている。

 五月の連休開始になったが、今年は新型コロナの影響で県内に留まり、事故を起こして警察や病院の世話になる危険性が低く、そして人に会わないはずの山を選ぶ必要がある。まだ訪れていない山を考えていき、下渡山の奥の童子山を思い出した。
 それほど時間はかからないはずではあるが、下渡山は村上の地元では知られた山で日頃登っている者もいるようなので早立ちで家を出た。休日にもかかわらず車は少なく、スムーズに村上に入ることができた。村上市街地を抜けて下渡橋を渡ると、前方に下渡山が迫ってくるが、その左奥にピラミッド型の山頂を見せているのが童子山のようであった。橋を渡った後は右折して東に向かうと、下渡集落内に通じる細い旧道が分かれるのでこの道に進む。
 一般的には、下渡山へは無線鉄塔脇の東登山入口(姥ヶ懐コース)から登るのだが、その手前の旧道のカーブ地点から地形図にも記載されているテレビ中継基地への保守道が始まっている。すぐ先にも駐車スペースがあるのがありがたい。
 保守道の入り口には、NHKと書かれた金属製の杭が撃ち込まれており目印になる。杉林の中を進んだいくと左手に尾根が迫ってきて、ひと登りで東登山入口から延びて来た登山道に合流することができた。東登山入口からだと尾根末端部の高まりを越してから一旦下りになってこの合流点に出るので、保守道の方が少し楽ができる。
 この先は、急登が続くようになる。ひと汗かくとテレビ各社合同の中継基地に到着する。この先は、傾斜も少し緩やかになってひと息つくことができた。ヤマツツジが新緑の木立の中にオレンジ色のアクセントを付けていた。再び傾斜が増すと、山城の土塁跡が残された下渡山の山頂に到着した。
 下渡山の山頂からは、村上の市街地や日本海の海岸線、臥牛山、朴坂山塊、まだ白い飯豊連峰の山々を眺めることができた。
 下渡山の山頂からは、今回の目的である童子山に向かった。下渡山からの下りにはロープが連続的に張られており、泥斜面で滑りやすい所もあったので助けになった。鞍部から小ピークに登り返すと、木立越しにピラミッド型の山頂を持った童子山が見えてきた。緩やかな尾根を辿っていくと童子山への登りが始まったが、山頂直下ではロープ頼りの急坂になった。ロープ頼りの登りは体力が必要で、途中の足場の良い所で息を整える必要があった。登りついた童子山の山頂は、木立の広がる細尾根上であった。登山道が整備されているにもかかわらず登山標識のようなものは見当たらなかった。
 童子山の先は、ここまでの登山道レベルから踏み跡状態の状態に変わったものの、歩くのは問題の無い状態が続いた。さらに童子山からの下りにはロープも固定されていた。
 尾根沿いに進み、二つ目の220m小ピークを越して鞍部に出ると、踏み跡が消えてしまった。下降点の目印の赤布のようなものは見当たらなかったが、左下に杉木立が見えており、地形図からはその付近に林道跡が通じているはずであった。窪地の中を藪漕ぎで下っていくと、予想通りに林道跡に下り立つことができた。最後の部分で踏み跡が判らなくなっていたのは予想外であったが、藪漕ぎ区間も短く密度も薄いので歩くのは難しくはない。
 この後は林道跡の歩きを続けることになった。初めは草が茂り、土砂崩れによるものか山道程の幅になってしまったところもあったが、杉林が見られるようになると林道もしっかりしてきた。林道を下った後は、下渡の集落を抜けて車に戻った。
 下渡山は山頂からの展望も楽しめて良い里山ではあるが、時間もかからずこれだけでは少し物足りない。童子山まで足を延ばして林道岩沢線から下山すれば、より充実した山歩きを行うことができることが判った。
 なお、今回の山歩きは、コンビニに寄った以外、山中では誰にも出会うことなく終えることができた。

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