宝林山、水頭、石峠、松尾城跡

宝林山から水頭、石峠と松尾城跡


【日時】 2020年4月25日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 宝林山・ほうりんさん・394m・なし・新潟県
 水頭・みずがしら・454.0m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田、日光/小千谷、須原/小出、大湯
【コース】 登り:東養寺より 下り:葎沢へ
【ガイド】 無し

【山域】 守門山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 石峠・いしとうげ・530m・なし・新潟県
 松尾城跡・まつおじょうせき・428m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/穴沢
【コース】 栗山沢登山口より
【ガイド】 なし

【時間記録】 5:30 新潟発=(R.49、R.403、加茂、R.290、森町、R.290、栃尾、R.290、渋川、R.252、小出、R.352 経由)=7:40 東養寺〜7:58 発―8:36 宝林山―8:53 三叉路〜9:05 発―9:20 水頭〜9:30 発―9:44 三叉路―10:02 広場―10:30 伐採道入り口―10:50 東養寺=(R.352、小出、R.252、渋川、R.290 経由)=11:36 松尾石峠入り口―11:49 松尾城跡入り口―11:53 石峠入り口―11:58 街道入り口―12:11 三叉路―12:21 大石の広場―12:32 石峠〜12:46 発―12:55 大石の広場〜13:10 発―13:18 三叉路―13:26 街道入り口―13:32 石峠入り口―13:36 松尾城跡入り口―13:52 松尾城跡〜13:58 発―14:10 松尾城跡入り口―14:24 松尾石峠入り口=(R.290、栃尾、R.290、森町、R.290、加茂、R.403、R.49 経由)=16:10 新潟
 小出市街地から国道352号線に進むと、その北側に薬師山、城山から始まって東に稜線が延びているが、最近、麓の東養寺から宝林山を経て城山に至るハイキングコースが整備され、尾根末端の薬師山までの道がつながった。また、地形図には、宝林山から尾根沿いに羽根川に至る破線が記されており、宝林山の東隣の水頭までは一部藪の濃いところもあるが歩くことができる。

 石峠は、軍事・生活のために使われた栃尾から魚沼の高倉地区に抜ける旧道にある峠である。石峠の名前は、峠近くに大岩があることに由来するようである。峠部には石峠城、石峠街道の南には松尾城という二つの山城跡が残されている。

 この連休中は、新型コロナウィルス対策のため、県をまたいでの外出は控えるようにという要請が東北6県と新潟県の合同声明で出された。あたかも奥羽越列藩同盟が形成され、敵は東京の新政府軍といった雰囲気である。
 新潟県内の山で、感染対策のためには登山者にほとんど出会わないはずの山を考えることになる。弥彦山、角田山、五頭山、大峰山あたりは、大勢が訪れているはずであるので除外。結局、少し遠出して小出の宝林山に出かけることにした。すぐ近くの大力山の登山者は結構多いはずなので候補に入らず。
 高速料金の節約のために下道を使い、栃尾経由で小出に入った。東養寺脇にはトイレも設けられた駐車場が設けられているが、他に車はいなかった。脇の天満宮が登り口になる。石段を登るとお堂があり、その左奥から登山道が始まっている。登り初めの杉林を抜けると新緑に彩られた尾根道が続くようになる。気温も高く、吹き抜ける風が心地よく感じた。登りの途中からは、尾根が下っていく先に城山や薬師山を望むことができた。
 ひと汗かいて宝林山に到着して、まずは東に向かっての切り開きの様子を確認した。台地状の山頂の縁に進むと、堀切状の崖に行き当たる。登山道として整備されているならば、虎ロープが設置されているレベルの崖であるが見当たらなかった。崖を下った先の鞍部は笹が茂っており、踏み跡を眼では確認できなかった。ただ、崖に付けられた踏み跡ははっきりしていた。いつもはここで引き返していたが、今回は先に進んでみることにした。
 木の枝を掴んで崖を降りた。鞍部の笹原に進むと、笹藪の下に踏み跡が続いていた。しばらくは笹を手で掻き分けての藪漕ぎになった。鞍部の先は急坂になるが、少し登ると笹は薄くなって、踏み跡もはっきりと見分けられるようになった。尾根上に出れば低灌木帯になって歩きやすくなるはずと期待して、登りを頑張ることになった。
 尾根上に出ると、驚いたことに右手から山道が上ってきており、その先の尾根沿いにもはっきりした道が続いていた。地形図には尾根沿いに羽根川まで続く破線が記されているが、この南に下る山道に相当する破線は記されていない。少し下って確認したが、歩くのに問題はない状態で、葎沢付近へ下ることができそうであった。城山への縦走はやめて、この道を確認することにした。
 下ってみる前に尾根上に戻って、東の三角点ピーク(点名水頭)を目指すことにした。細尾尾根を進んでいくと杉林に出て、ここでは林道跡かと思われる窪地が現れた。すぐ先でこの窪地は終点となり、左手の尾根に乗り換えることになった。再び登り坂になったが、踏み跡はしっかりしており、傾斜もそれほどきつくはなく順調に高度を上げていくことができた。
 登りついた水頭は、刈り払いの広場になっており、三角点が頭を出していた。踏み跡はここまでになっていた。山頂からの眺めとしては、北側には下権現堂山から上権現堂山の稜線、南側には八海山の山頂が木立の間から顔をのぞかせていたが、越後駒ヶ岳は木立に隠されていた。登ってきた方向を振り返ると、宝林山から城山への稜線、さらにその先に小出の市街地を見下ろすことができた。藪山初心者の経験は必要だが、宝林山に登るならこの水頭まで足を延ばしてもらいたいものである。
 分岐に戻り、南に下っていく山道に進んだ。初めの急坂を過ぎると、歩きやすい道になった。オオイワカガミの花を見ながら一気に高度を下げていくと、標高280mで広場に出た。人工的に整地されており、以前は炭焼き小屋のような建物があったような感じであった。
 広場からの道のつながりが判らなくなった。広場の脇に沢が流れていたので、沢沿いに山道があるか探ったが見つからなかった。それならば尾根通しと思って、草藪を抜けて右寄りに進むと、荒れた植林道に飛び出した。これを下っていくと、間伐や枝打ち作業を行っている植林作業道に出た。作業道は枝道が分かれていて行き止まりで引き返す場面もあったが、山勘で下りを続けた。下り立った作業道の入り口には、「土石流危険渓流水頭沢」の警告板が置かれており、国道352号線に出たところの向かいには葎沢のバス停が置かれていた。葎沢からの登り口はこの目印ではっきりしているが、ここから登るのは作業道が複雑に枝分かれしているので、初めての場合には下りに使うのが良いであろう。
 20分の車道歩きで車を停めた東養寺に戻ることができた。
 家へ戻る途中、もうひと頑張りして宿題になっていた石峠へ松尾から登ることにした。石峠は、先日の3月21日に国道290号線沿いに石峠の案内板が置かれていたことから登ってしまったが、メインの松尾から登る必要があると思っていた。
 国道290号から分かれて松尾への道に進むと、右に分かれる車道の入り口に「石峠・松尾城」の案内板が置かれていた。車の進入はできそうであったが、松尾集落から歩くのが目的であったので、少し戻った所に車を停めて歩き出した。
 坂道を登っていって下りに転ずると、田圃の向こうに石峠のある稜線の眺めが広がった。田圃の中を進んでいくと、松尾城と石峠を示す標柱が現れた。右手の428mピークが松尾城のようであった。松尾城は帰りに寄ることにして、直進して石峠へ進んだ。道は次第に細くなって農道といった感じになった。「石峠街道入口」という標柱の置かれた分岐で、右手の道へ。未舗装の道を進んでいくと、周辺には耕作放棄地も現れるようになった。再び「石峠街道」の標柱が現れて右手の山道に進んだが、これは地形図にも記載されている破線道に相当した。ひと登りすると左手から荒れてはいるが幅広の道に合流した。伐採のためにブルによって切り開かれたように思われた。カーブを交えてひと登りすると、先回歩いた栗山沢からの登山道との分岐に出た。
 この後は知った道となり、ひと登りすると大石のある展望広場に出た。快晴のもと、守門山塊や鋸山方面の眺めが広がっていた。休むのならこの広場であるが、ひとまず石峠まで進むことにした。石峠の先の崩壊地を通過できるように手が加えられているかと期待したが、修復はされておらず通行不能な状態のままであった。崩壊地の先に山道が見えており、大宿方面からの旧道の状態もそのうち確かめる必要がある。大石の広場に戻ったところで昼食とした。
 帰りは、幅広道をそのまま下ってみたが、溜池の脇に出た後は農道を歩いて「石峠街道」の標柱の置かれた分岐に戻ることができた。
 もうひと頑張りして松尾城にも寄っていくことにした。分岐から田圃の中を進んで山裾に進むと、荒れた伐採道と思われる幅広の道が始まっていた。ひと登りして尾根上に出ると木の根の切り跡が目立つ山道に変わった。道の整備は最近行われたようである。尾根を進んでいくと、そのまま下りに転じてしまった。少し下ってみたが、しっかりした道が続いていた。地形図にも破線で示されているように、栗山沢に下ることができるようであった。いずれこの道も確認する必要がある。戻っていくと、木に松尾城と書かれているのが目に留まった。栗山沢側に書かれていたため通り過ぎた時には気が付かなかった。書かれた方向からすると、松尾城への道は栗山沢側からがメインなのであろうか。428mピーク一帯は尾根といった地形で、ここに山城があったというのはちょっと納得がいかない。栗山沢側の斜面に山城が設けられていたのかもしれない。
 石峠はスノーシュー歩きのコースとしても面白そうなので、冬にも訪れてみたい。


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