大峰山

大峰山


【日時】 2020年4月11日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 櫛形山脈
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大峰山・おおみねやま・399.5m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/中条、新発田/中条、菅谷
【コース】 登り:橡平サクラ樹林コース 下り:大峰山よりかもしか尾根
【ガイド】 なし

【時間記録】 5:40 新潟発=(R.7、金塚 経由)=6:30 桜公園駐車場〜6:50 発―7:18 法印瀑登山口〜7:37 発―8:04 林道終点―9:06 縦走路分岐―9:16 法印峰―9:22 縦走路分岐―10:15 大峰山―10:26 大峰山展望台―10:50 かもしか尾根入り口―11:35 桜公園駐車場=(往路を戻る)=12:35 新潟
 北は胎内川、南は加治川の間のおよそ13kmにわたって日本海の海岸線に沿って広がる櫛形山脈は、日帰りハイキングの山として親しまれている。大峰山は、その南部の中心ともいえるピークであり、縦走路をはじめ各方面からの登山道が開かれている。四季を通じて登られており、山頂手前には山小屋があることから冬季も登山者が多い。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、この金曜日には首都圏や大阪に緊急事態宣言が出される事態になった。基本的には「家に居ろ」ということではあるが、地方ごとに感染の度合いも異なっおり、新潟の感染状態は微増の状態に収まっている。登山のコミュニティーのYAMAPからも以下のような通達が出された。
・電車やバスなど公共交通機関を使った登山は避ける
・家族以外のメンバーとのグループ登山は避ける
・山小屋など3密を伴う登山は極力控える
・高齢者が多く、医療施設や医療機器も不足している地方の現状を踏まえ、都道府県をまたいでの移動や登山は控える
・山で大怪我をして医療の負担となってしまわぬよう、危険がある山やコースは避ける
 この注意に従えば、一人で車を運転していって、地元の山を歩いて戻ってくるぶんに差支えはなさそうである。ただ、混み合う山は避けて、遭難にはいつも以上に注意する必要がある。

 大峰山は、四季を通じて何度も訪れている山ではあるが、桜公園駐車場から寺沢林道の東側に沿う「かもしか尾根」や、橡平サクラ樹林のある尾根を登る新しいコースの情報が入った。大峰山は混み合う可能性があるものの、これらのコースは一般には知られていないので、静かに歩けるはずと思い出かけることにした。
 桜公園駐車場に入ると、はやくも数台の車が停められていた。かもしか尾根の登り口は、休憩小屋である桜ハウスの前である。金属製の橋が用水路に架かっているのが目印になる。まずはかもしか尾根に上がってから法印瀑登山口に下って、そこから橡平サクラ樹林に向かうことにした。杉林の中にはっきりした道が切り開かれていたが、どろどろ状態で、固定されたロープの助けもかりながら登ることになった。天気が悪そうなので長靴を履いたのは正解であった。「かもしか尾根」という標識も掛けられており、このコースの名前を知ることになった。
 尾根上に上がり、吉平方向に少し進んでところで、法印瀑登山口への降り口となる。こちらも新しい道であるが、歩く者は少ないようで、ぬかるみの程度は少しは良かった。最後は羊歯の茂った河原を抜けると、法印瀑コース登山口のすぐ上流に架かる橋のたもとに出た。この林道は、吉平から法印瀑方面に下る標識によれば大沢林道と呼ばれるようである。
 橡平サクラ樹林方面へは貝屋沢沿いに進めば良いと思って、地図に出ている林道に進むと、すぐ先で巨大な堰堤があり行き止まりになっていた。左上に林道のガードレールが見えていたのでそちらに進むと、堰堤を越した先で枝沢に入っていってしまった。結局、かもしか林道に下り立ったところからそのまま林道を進んでいけば良いということが判った。ただ、迷い込んだ林道脇の木立にテープが取り付けられており、脇の斜面を強引に上がったような足跡が見られた。この尾根を上がっていくと法印峰に直接出ることができる。藪山愛好家が歩いているのか、それともそのうち道ができるかもしれない。
 少々時間をロスしたが、橋に戻って貝屋沢の上流に向かう大沢林道に進んだ。ひと登りすると巨大な堰堤の脇を通り過ぎた。地形図は、この砂防ダムができる前のままであった。吉平への登山道入り口を過ぎて、さらに貝屋沢上流に向かっての歩きが続いた。途中、雨が降り出し、雨具を上下着込むことになった。この日は雨、霰、晴天と天気がめまぐるしく変化した。
 堰堤が現れると、林道の終点になった。軽トラックが一台停められていたが、その持ち主と思われる人には山中で出会わなかった。堰堤を越すように登山道が続いており、沢岸に戻った所で丸木橋があり、右岸側に移った。すぐ先で沢沿いに進む道と、山の斜面に向かう道に分かれた。丸太階段も設けられた良い道で、斜面を上がっていくことになった。道は細かいジグザグを切りながら上がっていった。周囲には太い木が並び、下生えもほとんどなく、森林公園という雰囲気であった。いつもは大峰山への途中の一本松展望台から谷越しに見ている桜樹林帯であり、花の盛りに訪れたいと思った。
 標高312点の南東側で尾根上に出た。遊歩道並みの道もここまでかと思ったが、通常の登山道並みの道がさらに続いていた。尾根から外れてトラバースしていくと、北に向かう枝尾根に踏み跡が分かれた。トラバース道はさらに先へと続いているので、赤布がつかられているといっても分岐を見落とさないよう注意が必要である。
 急な枝尾根をひと登りすると、標高312点から上がってきた尾根上に戻ることができた。その先の尾根分岐で左折すると、縦走路まであと僅かになった。笹藪が少しうるさくなったが刈払いが行われており、切り残しの枝をぼきぼき踏みながらの歩きになった。この尾根は、法印峰の南の490mピークに登り詰めるが、この付近では巻き道が付けられているので、ピークの手前で縦走路に飛び出すことができた。振り返ると、笹藪が刈払われて道が付けられていることははっきり判る状態であった。この橡平サクラ樹林コースのことが知られると、一気にブームになりそうである。法印瀑コースと合わせれば周回することができる。ただ、赤布が付けられて道ははっきりしているといっても、尾根の分岐が何回かあるため、このコースが初めての時に下りに使うのはあまり勧められない。
 一旦法印峰によってから大峰山に向かった。縦走路にはカタクリやテングスミレ、オオバキスミレのお花畑が見られた。縦走路に入ると、ここまでとは違い、何組もの登山者とすれ違うことになった。登山者にはあまり出会いたくないのだが仕方ない。大峰山の山頂も、数組の登山者が休んでいた。展望台に到着すると同時に霰が降り出し、登山者もチェリーヒュッテの軒先に避難していった。小屋の中にも登山者が集まっていたようであるが、換気のために戸を開けていた。
 吉平への登山道は、メインコースで大勢が歩くため、ぬかるんだ道になっていた。吉平では、寺沢林道終点に向かわず、法印瀑方面への道に進む。すぐ先でかもしか尾根への登山道が左に分かれる。気持ちの良い尾根道が続いた。林道歩きで桜公園の駐車場に戻るよりは、尾根歩きを楽しんだ方が良い。ただし、ピークの乗り越しで、少し余計な体力を使う必要はある。法印瀑コースの分岐を過ぎると、桜公園への下降点となる。どろどろ斜面は登り以上に滑りやすく、ロープ頼りの下りになった。登山道がもう少し踏み固められれば、歩きやすくなるだろうと期待する。長靴が泥だらけになってしまい、最後に桜ハウスの水道で洗い流すことになった。駐車場は満杯で、次々に車が上がってきて引き返していった。登山者よりも桜公園でのお花見客が多いようであった。


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